Ethereumことワールドコンピュータはデジタル公共財のために産まれた。歴史振り返りと今後について
今回は採用と啓蒙を兼ねて、↑の内容を日本語で書くようにしました
Civichatとは
Civichatは「あなたの条件だと、利用できる国・自治体の会保障制度(保険、出産助成、創業支援...)はこんなものがありますよ」と、制度情報を推薦するサービス。
創業した時は「過去の自分みたいな人がこのサービスを使って、結果的に
選択格差を是正できてるといいな」と思っていた
最初始めた時はどうマネタイズするかは考えてなかったが、「社会保障制度が最適化すると全体としての維持コストはもちろん、中長期の投資につながるのではないか」と思った。
結果、
それはそうなんだけどそこまで国家レベルで先を見据えている人は地方自治体にはいるわけないと想定出来てなかった。
資金調達、メディア、政治家、ユーザーあたりは興味を持ってくれたけど、最終的に判断するのは自治体職員なのでその辺りを反省したい。
しかも区のスタートアップ担当なんてまずその存在自体がギャグなのに(国を再興させると考えた時に規制最小限化と人口増加サポート、貧困支援あたりだと思うが...)その人たちが国家を再興できるとは思わないし、彼らと成果指標が違うので
インセンティブを合わせることが出来ない。
熊本市や
渋谷区などの地方自治体と実証実験を実施することはできたが、そのあと自治体に発注してもらうことは出来なかった。
その後に
公共財の初期コストあたりの議論が一般にあることを知り、
PFIや
SBIRのような制度を使って自治体に営業するも、現状日本ではかなりケースが少ないのもあり、実施まで漕ぎ着けなかった。
本当に公共財を作るとすれば、より良いインセンティブがある(その空間では公共財構築に貢献することで利益が出る)場所があるかもしれない。
クリプトとGovernanceの相性
統治機構である
行政はもちろん、各組織内での意思決定ですら「ガバナンスという技術(
統治性)」が求められる。
両方同じブロックチェーンという構造をもち、非中央集権を掲げるがEthereumがBitcoinと何が違うかというと、設計思想が違う。
Ethereumが目指す世界線を紹介
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>The EF is not a company, or even a traditional non-profit. Their role is not to control or lead Ethereum, nor are they the only organization that funds critical development of Ethereum-related technologies. The EF is one part of a much larger ecosystem.
> Ethereum is a technology built for the public good.
> It is a worldwide system, an open-source platform to write computer code that stores and automates digital databases using smart contracts, without relying upon a central intermediary, solving trust with cryptographic techniques.
> Ethereum is not owned by anybody, and it is built and maintained by thousands of people, organizations, and users all over the world; it is a commons from which everyone can benefit. In the code, there are incentives for participants to help secure the system. Access to Ethereum is open to everyone; no permission is required. The network is powered by nodes4 that anyone can run. The global network of Ethereum nodes all together work to maintain a shared state - a foundation of trust upon which more complex human relationships can grow.
> Many networks require a trusted operator or central intermediary in order to function. Ethereum and related blockchain technologies enable a network that does not have this requirement, resulting in a resilient and highly distributed system that does not rely on any special authority for its operation or security.
> Open Source software is freely available code that anyone can read, improve, and distribute. Ethereum is Free Software in the ‘freedom’ sense – anyone may inspect the code to learn more about it, anyone may run the code to secure the network, and anyone may distribute the software to help one’s neighbor.
>As such, Miyaguchi concedes the Foundation is no longer the central hub it used to be for ethereum developers, research projects and technology development. Yet, she argues the Ethereum Foundation still has a role to play in communicating to, as well as, coordinating work between different ethereum startups and projects.
> “I think that even the supporting and coordination work is still a reason for why the Ethereum Foundation should exist,” affirmed Miyaguchi to CoinDesk.
みたいな前提が(実質)公式から共有されているんだけど、「Web3」「NFT」「メタバース」とバズワードから入った人はもちろんこんなもの読まないのでビジネスの一つだと捉えられる。
それを経て、「『
公共財』ってなんだっけ?」みたいな議論も起こっている
以上のビジョンをベースにしたスマートコントラクトの概念があるので、一度deployしたコードは
永続性を持つ
クリプトとPublic goodsの相性
そういう意味で、Public Goods(もちろん、いわゆる
Web2の
OSSもPublic Goodsだ。)にインセンティブをつけることができるのではないかという取り組みが模索されている。
分配方法の歴史について書く
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それぞれの方法でどれぐらい分配されてきたか
最近の主流
詳しくは以下を参照
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>We propose a design for philanthropic or publicly-funded seeding to allow (near) optimal provision of a
> decentralized, self-organizing ecosystem of public goods. The concept extends ideas from Quadratic Voting
> to a funding mechanism for endogenous community formation. Citizens make public goods contributions to
> projects of value to them. The amount received by the project is (proportional to) the square of the sum of the
> square roots of contributions received. Under the “standard model” this mechanism yields first best public
> goods provision. Variations can limit the cost, help protect against collusion and aid coordination. We discuss
> applications to campaign finance, and highlight directions for future analysis and experimentation.
>Quadratic Fundingの中核となるのが、マッチング・プールです。
> マッチング・プールとは、資金のプールです。この資金を誰が提供するのかというと、公共財(インフラ系プロジェクト)を支援したい個人、企業、プロトコルなどです。資金提供した人はマッチング・パートナーと呼ばれます。
> 
> マッチングプールに集められた資金は、プロジェクトに対する個々の寄付を拡大するために分配されます。
ちょっとだけ情報、gitcoinってなんですかっていう話に入る
Gitcoinとは
Gitcoinの目標は「Quadratic Funding」という方法を使って、インフラ系のプロジェクトに資金が提供されるエコシステムを作ることです。
そして、すでにGitcoinは$72.4Mの資金をOSSに分配しています。
順調そうに見えるけど...
1. 1人がプロジェクトAに対して$10寄付することで受け取れる額
2. 10人が$1ずつプロジェクトAに寄付することで受け取れる額
この2つの方法はどちらも合計$10を寄付していますが、
2
の方が最終的に高い金額を
Matching Poollから受け取ることができます。
なぜかというと、
QF自体が
[より幅広いコミュニティから支持されているプロジェクトに大きく分配できるように設計されているからです
いわば、「寄付したお金 = そのお金でMatching Poolの使い道を決める議決権」という意味です。
元々、
Curve Warでも
議決権売買の概念はあり、色んな意味で面白いですが、基本的に悪意を持つ攻撃全般は攻撃コストが得られる利益より大きければ無限に試行されるというのがあります。
この場合であれば、$10をあるプロジェクトに寄付すると、$100の分配先を決める権利がある
でも$1の寄付×10だと、そっちの方が強くなります
これによって、攻撃に要する資金を置くアカウントを分散させておくことで、単一アカウントからの攻撃よりもより高い額を動かすことのインセンティブが高まります
1.
シビル攻撃とは、一人が複数の人になりすまして行動することです。
なお、Fraud Detection & Defense workstream (
FDD)はシビル攻撃を見抜くという目的の作業を
Human Evaluations称し、今まで3000+17050+26350+1750(=$48,150)の予算をかけて
人力で探している
2.
談合(collusion)に関しては、
一人で寄付するよりも複数人から寄付すれば最終的にプロジェクトが得られる金額が大きくなるのであれば、資金を分割して複数のアカウントから寄付する方がインセンティブがあるという構造と密接な関係を持っています
実際の人間(1人1ID)が複数集まり、共謀してカルテルを組んだ場合、かなり大きな額がプロジェクトに手に入ります。
>ユーザーが他のユーザーに賄賂を渡して一斉に投票させることで回避することができます。
> 賄賂攻撃は突飛に聞こえるかもしれませんが(ここで現実的に賄賂を受け取ったことのある人はいるでしょうか)、成熟したエコシステムでは見た目よりもずっと現実的なものです。ブロックチェーン領域で賄賂が行われたほとんどの文脈では、運営者はそのコンセプトを友好的に見せるために婉曲的な新しい名前を使用しています:それは賄賂ではなく、「配当を共有」する「ステーキングプール」です。
Vitalik
も「Self-voting, plutocracy and bribes」と言及
>しかし、一意性の証明という問題が解決されたとしても、オープンなガバナンスシステムには、談合という別の問題が残されている。
と述べています。
では、Vitalikが言及した
配当を共有するステーキングプール 「
談合DAO」の可能性を考える
賄賂スマコン
友達とどこに投票するかを決めて、
お互いに送金しあって指定されたプロジェクトに寄付する
Gitcoin Grants(
Matching Poolの額)は今後大きくなりそうですし、これの他に対策できる手法・ツールはないのでしょうか
同じコミュニティに支持されているものよりも、幅広いコミュニティに支持されている方により大きな額が分配されてほしい
なるほど、確かにSBTは変えるかもしれない。
ここで今から新しいレイヤーを加えると、
Plurality Identityの時代にできることはなんだろう?
機械的なレイヤーとは別に、もっと規定しないものをつくてみる
そこでプランBの中だとSADとかも実質内製で頑張ってるけど、もっと安く・早くででやりたい
これを集めた、the wisdom of the crowdをプラットフォーム化してオラクルとして提供すればいいのでは!
分かりやすく収束するなにか
インターネットでできるようになったことを考えてみる
これをソーシャルグラフ作るのにやってみる
こういうのが作れるといい
(この画像の文字がない版を作る
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)
エンドユーザーのUIこうなる
アルゴリズム説明
ここら辺引用しつつ
最終的に提供できるデータがこうなる
すでに寄付している人たちのところがオレンジ、今から投票しようとしているひとは紫
こんな感じで、距離オラクルが使える
ちなみにオラクルとは若干関係ない、正しさを伝えるためのものではない
でもまぁいいのか?データソースとしてって感じか...
透明性のある、説明可能なリアルタイム機械学習みたいな感じ?
この群衆の知恵に基づいたオラクルは、だいぶ前に提唱されている。
>分散型のDAOの世界では、その情報は「オラクル」と呼ばれる、「群衆の知恵」に頼って答えを出すような情報源から提供される可能性があるのです。
予測市場を使ったオラクル
このデータを使うことで、入力された
アドレス群をソーシャルグラフ上に描画し、特定のアドレスAとB、AとCの社会的距離を図ることができます。
変な人が寄付すると、その投票力は上がる
で、同じような人たちに支持されているんのはあまり上がらない
ソーシャルネットワーク上での談合も減るんじゃないか?
DeCartographyに関する攻撃
たとえば、ステーキングをしてから
タグ付けを行う人に対しては、そうでない人よりもより高い作業代を支払うべきです。
もし、「圧倒的に少数派な選択肢」を常に選び続けた場合、ステークしたETHを
Slashしてもいいでしょう。
(構造言及)つまり、「Wokerとしてのアイデンティティ」と、ウォレットに対応するであろうタグの『予測市場』を組みわせることでそこそこ信頼のあるオラクルを提供することができます。
最初はオンチェーンを対象にするけど、「ウォレットとTwitterを紐づけた対象」も含めると、かなり高い精度で談合が防止できそうですね
その他のユースケース
最も多くの違いを乗り越えられる
全く違う人でも同意できるAssamputionを採用するべきです
Augurの
REPトークンを持つ人に強制させることもできます
まるでGANのよう!
fun fact:
なめらかな社会では、人間すらもコンピューティングに参加するのだ!とこれとよく似たWeb二の
MTurkについて言及していました
オンチェーンデータ分析(AI)
機械学習のサンプル
これがなんなのかわかってない
新たな傾向を掴むためのレイヤーになるでしょう
特定のクラスタの人だけがその資産を変えるようにする
投資家向け?
構造: Public ChainのPalantir
(とはいえ政府機能といっても、
PoSというコンセンサスアルゴリズムにによって分散的に維持されているのがEthereumなので強制することは出来ない)
お金の流れに関して
キャッシュがあると、支払い期間を短くできる。「今ガス代がないから稼ぎたい」みたいな感じで使われるのを想定。
他は開発者の雇用かな。
法的リスク
>米国では、予測市場は一般的に認められていない。連邦法および州法がオンラインギャンブルを禁止しており、「多くの点で予測市場とギャンブルの境界線はそれほど明確ではない」と、ニューヨーク市カルドーゾ法科大学院のアーロン・ライト教授は言う。
>さらに、Augurの契約の中には、ユーザーがEther暗号通貨など、何かの将来の価値に賭けることができるものもある。これは、バイナリーオプションと呼ばれる投資の一種によく似ているようだが、商品先物取引委員会の承認なしに上場することは違法だ。2012年、CFTCはアイルランドに拠点を置く予測市場Intradeが、米国のユーザーにバイナリーオプションの取引を許可していると訴え、最終的に裁判官はIntradeが米国でこの契約を提供するのを阻止した。