パレート最適な自治のためにQuadratic Votingを考える
自己紹介
高木俊輔
tkgshn
というアカウントが凍結しました( 'Θ' )ゝ
2002年生まれ
Quadratic Voting =
二次投票です
QVとは、「集団的意思決定における人々の好みの強さを反映するための投票方法」です
有権者は「クレジット」を持っていて、その中から投票し、平方根をかけて票を分配する
>1. 一定量のCreditが全員に配布される。Creditは使わずに蓄積していくことも可能
>2. そのCreditを消費して票を購入し、投票することができる
>3. ただし、x票を購入する際に要するCreditはx^2である
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3つの票を買おうとした場合、 9
のコストがかかる
それは、2つの表を買おうとした場合に比べて5つ分のクレジットが上乗せされる
この手法は、民主主義の議論を次のフェーズに生かすために必要になってくると考えています
前提として、選択肢にA・B・Cがあり、投票者は3人
それぞれ、以下のように投票をしようとしている
1. 選択肢を2つづつ(A・C)で比べてみる
2. A>CとなっているのはAだけ
3. 他はC>Aになっている
しかし、この
2つづつ当てはめるもので運用すると、循環してしまう
パレート最適な行政府を樹立したい
Civichatという会社をやる中で、行政が「行政がやるべき仕事」をしていなかった
私(
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)は
Civichatという会社をやってて、「自分に合った公共制度が分かる」というサービスを作っています。
なんでこのサービスを作ったかというと、世の中にある選択肢とそれを選ぶ人の結びつきを最適化するためです。
「そんな制度、知っていたら使っていたのにというものを減らしたい」というイメージです
ただ、やっていくうちに、このサービスは個人からはお金は取れないし、自治体側は(市民が困るだけで、職員からすれば)「別に改善しようがしまいがどっちでもいい」という構造に気がつきました
これって、うちの会社みたいな行政領域で起業する会社(「
Govtech」と呼ばれている)が直面する課題だと思っています
市民側に大きくアウトリーチするためにはある程度行政側の協力がいるけど、その行政側に話を持っていくためには市民側での実績(利用者数など)を稼がなきゃいけない。いわゆる「
鶏卵問題」です。
>平たく言えば「ニワトリとタマゴのどちらが先にできたのか」という問題である。昔の哲学者にとってこの疑問は、生命とこの世界全体がどのように始まったのかという疑問に行き着くものだった
私が考える「行政府」が本来行うべき役割
「こういう資本主義上での鶏卵問題を解決するために
国家・政府、いわゆる
行政府というものがあるのに、その行政側が市場のルールで戦ってたら意味ないじゃないか」と思ったわけです
私が思うに、行政府の役割は「資本主義市場では成り立たない
公共財をマネジメントする(
パレート効率な公共財のマネジメント)」だと思っています
>資源配分を行う際に、「誰かの状況を改善しようとすれば、他の誰かの状況を悪化させることになる」、つまり資源が最大限利用されている状態
民意を反映しながらパレート最適なコンセンサスを得る方法としてのQV この「資本主義市場では成り立たない公共財」というものは、それ自体は儲けを産まないけど無くなると多くの人が困るものと捉えてもらうとOKです
そこで、民意を反映しつつパレート効率な行政府を実現するための手法を模索して、現状たどり着いたのがこのQVです
投票に対して市場原理を持ち込むことで、この問題を解決しようしています
具体的な例で考える
具体的に考えると、例えば「発電所による環境汚染の影響」とかです
「安くで電気が使えるようになる代わりに、環境汚染が進むという前提があった時に、どこまで環境汚染を許すことにするのかという問題」があったとします
>間接民主主義の仕組みでは多数派の意見によって政治的意思決定が行われ、少数派の意見が通らなくなるというJ・S・ミルによる主張のこと
まずは前提を振り返っておく
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「
市場」は嗜好を価格で反映することができるシステム
このシステムを政治の場にも持ち込みたい
ただ、(市場と同じように)「最も高い値段をつけた者に決定権を与える方法」ではないものがいい
例: 「発電所による環境汚染の影響をどこまで許容するか?」
どれぐらいの人が汚染を気にするのか?によって、ボーダーライン(妥協点)が決定される
>問題への関心の深さ、つまりマイノリティの問題への関心度の高さとマジョリティの問題への関心度の低さを比較する必要があります。
空気汚染を避けるためにいくらのコストを支払いたいと思いますか?という質問をする
1. 実線(Demand for pollution)は「発電による経済価値」を表す
低コストで電力を供給できる一方、汚染を引き起こす
この売主は事業者なので、「dolloars(コスト)は低ければ低いほどいい」
2. Nillsさんはランドリーを経営しているので、汚染により洗濯物の汚れを落とすのがより難しくなり、彼は汚染が進むほど余分なコストを支払うことになります。
3. Nils以外の市民が支払うコスト
Nilsがこの街に住んでいることにより、利益とコストが相殺する点がAからBに移ることになります。
もう一度QVを振り返る
>1. 一定量のCreditが全員に配布される。Creditは使わずに蓄積していくことも可能
> 2. そのCreditを消費して票を購入し、投票することができる
> 3. ただし、x票を購入する際に要するCreditはx^2である
> ※なぜ一票の購入にその二乗のコストが必要であるかは、先程の発電所の例で明らかです。
これによって、「嗜好の強さ」を反映することができる
実際に使われている現場
OSSのソフトウェアに対して助成金を分配する
みんなはどんなふうに考える?
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