generated at
セルフクーリング液体クーラー
「液体クーラーはただ中身の液体の熱を同じだけ外に撒くから、何かしら他に冷却機構が要る…」
例えば蒸気タービンの熱破壊を使うとか……

そんなふうに考えていた時期が私にもあった

森林バイオームの初期で手に入る素材のみで出来ます
そしてそれを岩石粉砕機精錬装置で製錬して得たアルミニウム
森林バイオームに埋蔵量が多い火成岩
この4つで反エントロピー熱無効化装置よりも強い冷却システムを組める

エタノールは液体と気体で比熱容量が違う
「比熱容量って何?」って人は OxygenNotIncluded に出てくる単位 の記事を参照
要は、「エタノールは気体の方が冷えやすくなる→液体に戻りやすくなる」と、ここでは覚えておけば良い

エタノールの相の違いによる熱性能
熱伝導率比熱容量沸点/凝結点
液体0.1712.4678.35
気体0.1672.14878.35

「沸騰すると持っている熱量が減る」"気化熱めいたモノ"を持っているONIの中で珍しい物質である
正確には気化熱ではない

実際には、79℃を超えても沸騰しなかったり、77℃を下回っても液化しない。少し温度に差がある。
けど、これを利用すると、こういう予測が立てられる

「Q. 沸騰して液化を繰り返すと熱量の結果はどうなるか」
「70℃のエタノール200kgを80℃にして蒸発させるのに必要な熱量は4920kDTU」
2.46 \times (80 - 70) \times 200 = 4920

「80℃のエタノールガス200kgを70℃に冷やして液化させるのに必要な熱量は-4296kDTU」
2.148 \times \times (70 - 80) \times 200 = -4,296

「エタノールが液化したものをまた蒸発させる」過程で"足りない" 熱量は -624kDTU
4296 - 4920 = -624

その蒸発させる為の熱として、液体クーラーで水や汚染水の熱を取り出した場合は 528kDTU/s
528 - 624 = -96

ん???キミ、 #熱破壊 してない?
つまり、適量のエタノールのプールで液体クーラーを回すと、汚染水の熱交換分を上回る熱破壊ができてしまう
あくまで理論値で、実際に200kgのエタノールが一気に沸騰することは無いし、その逆も起きない
しかし、仕組み的に液体クーラーを自分自身で冷やせることが出来ると仮設立てが出来る

「できました」

こんな構造でデモをする
右の部屋を仮に「めっちゃ熱くなってしまったコロニー(100℃)」として、それを汚染水で冷やす
液体クーラーがある部屋は真空状態にして、エタノールを床に張る
気化したエタノールを冷やす為のプールをその上に作って、水を溜める
プールの床を森林バイオームで手に入りやすい、敢えて難加熱性の火成岩のタイルで仕切る
プールの中の水と、エタノールの液化空間が効率的に熱を伝え合うように 熱交換プレートの特性を使う
この熱交換プレートが今回のキモ

仕組み
エタノールボイラー天井の熱交換プレートがその周囲をほぼ真空にするので、結果として上の保冷プールが一方的に冷えやすい構造になっている

ちゃんと熱破壊できてる
上の、エタノールを液化させるプールの水もちゃんと元の温度より冷えるようになった
液化して落ちてくるエタノールの温度を測ったら55℃ぐらいになってた
上でやってた試算よりも強力な熱破壊が起きている模様
予測よりも効果が大きいのは2020年1月時点で残っていた「凝結過剰冷却バグ」も影響している

これが出来るのはアルミニウムの熱伝導のおかげ
エタノールは熱伝導率が著しく低い、液体の断熱材のような性質を持つ
液体クーラーがオーバーヒートせずに熱を伝えられるのは、熱伝導率が金属鉱石で1番高いアルミニウム鉱石ならではの特性だったりする

「要る?これ」「金アマルガムが無い星とか、オアシッセとか」
ヘドロバイオームがそもそも無いマップがある→ 「金アマルガムが宇宙行くまで無理」
ヘドロバイオームはあるけど、初期バイオームが70℃の砂漠に覆われた高難易度惑星とかある
蒸気タービンや鋼鉄の解禁を待たずに、恒久的に使える冷却システムがエタノールとアルミニウム鉱石で作れるのは大きい
もちろん、タービンが使えるようになったらそっちで熱回収するほうが良い。

ピップを崇めよ」
ピップ様にアーバーツリーを植えさせて、エタノール蒸留機に掛ければエタノールは取れる
んで、必要な量を超えたらそれは石油発電機で燃料にすればよい
ただ、石油発電機が満足に動き続けるには自生のアーバーツリーは28本ほど要る
石油発電機を電力制御端末でチューニングすれば3kW発電
エタノールの醸造 240 * 4 = 960W を #SelfPowered に出来る
余剰電力はこの時 3000-960 = 2040W
液体クーラーをこれで回しても #SelfPowered は成立する余地がある
ピップ様は発電に必要な燃料も冷却剤も間接的に増やしてくれる
もう「ピップ様」だ。呼び捨てしちゃいかん‥‥


動画による解説
今回作ったデモは動画のものよりも熱破壊効率を上げている