HypercertsはSIBなどの「公共財が産んだ結果の評価」の枠組みをクリプトネイティブに変えようとしているように感じる
Hypercertsの概要
プロジェクトオーナーによって発行されたNFTは、「作業範囲」「時間軸」「貢献者」「Hypercertsを所有することによって得られる権利」という情報を明示的に示すことが出来るが、それ自体に強制力はない。
このプロジェクトは、特定の資金分配方法を支持するものではなく、インパクトを評価するフレームワークというポジション
数あるFunding Mechanismと競合するのではなくて、データレイヤーとして存在する。
4. etc...
Hypercertsの登場人物
ActorsType | Subtype | Description |
Contributors | | People or organizations who do the work |
Funders | Prospective funders | People or organizations who fund work before it is done |
| Retrospective funders | People or organizations who fund work after it is done |
Evaluators | Scouts | People or organizations who evaluate the potential impact of work before it is done |
| Auditors | People or organizations who evaluate the impact of work after it is done |
Beneficiaries | | People or objects that are impacted by the work |
2.
Prospective fundersは、投機目的である事が多いと思う。しかし、この公共財プロジェクトである場合の「IPO(Exit)」は、Retrospective fundersによる資金分配になる。
登場人物間のやり取り
1. ContributorsがHypercertsをmint(作成)する
4. 調達したお金を元にプロジェクトを進める
例: (詳しくは後述するが)「渋谷区がSIBを実施しようとして、コンサルに評価を委託する」みたいな関係性だと思う

6. プロジェクトがRetrospective fundersから資金を受け取る
7. (Prospective fundersに遡及的に報酬が支払われる)
仕事をした人は、仕事の貢献に応じて参加Hypercertがもらえる
作業範囲とかが書いてる
フリクショナルなのでマージしたり分割したりできるっぽい
Hypercertsを初めて見た時に感じたのは、「
SIB(ソーシャルインパクトボンド)」とかなり近い構造だなという印象。
「公共財が産んだインパクトを測定し、そこに対して報酬を分配する」という形は、一部ではあるが現実の政府でも実験されている。
SIBの仕組み自体は、行政から民間へ委託する際の手法の一つ。事業の成果を評価して可視化し、それに評価結果と支払を紐づけた、
成果連動型民間委託契約の一つ。
従来の公共調達では、行政が事業者と業務委託契約を締結し、成果に関わらず、サービスを実施した事に対して、決まった金額が支払われていた。
しかし、SIBは事業者が提供するサービスの成果に応じて、行政が報酬を支払う。
ある程度結果が出るのに時間がかかるので、その間に民間の金融機関・投資家等がプロジェクトに投資する
世界初のSIBとして2010年のイギリスのピーターバラで再犯防止分野の実験が行われた。
それ以降、2020年時点でこれまでにイギリス・アメリカを中心に海外で138件組成され、総事業規模は$4.4Mとなっている。
なお、日本政府は2019年度の『
成長戦略実行計画』、『経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)』等において、成果連動型民間委託契約方式の推進を謳っている
関連