詳解 Objective-C 2.0 第 3 版
感想 
古い本ではあるので、最新の情報は別途キャッチアップが必要だが、逆に古い時代のことを学ぶには良い
読書メモ
1 章 : オブジェクトに基づくソフトウェアの作成
オブジェクト指向分析・設計では
UML などが用いられる
多くのオブジェクト指向言語は、メッセージによる通信を手続き呼び出しと同じ仕組みで実現 (呼び出し側が待たされる)
Objective-C では、効率的なプロセス間通信のために処理が終わっても返答を返す必要のないメッセージを宣言できる
2 章 : Objective-C のプログラム
メッセージ式 : [obj msg]
3 章 : 継承とクラス
全てのクラスはルートクラスを継承しなければオブジェクトとして振る舞うことができない
4 章 : オブジェクトの型と動的結合
インスタンス変数は基本的にそのクラス自身か子クラスからしか参照できない
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そうだったんだ。 インターフェイス宣言に書けば外から参照可能なのだと思ってた
オブジェクト指向の言語におけるクラスの捉え方は 2 種類
クラスは静的な定義であってプログラムの実行時に実体としては存在しないよ派
クラスもひとつのオブジェクトだよ派 (Objective-C はこちら) →
クラスオブジェクトObjective-C では、クラスオブジェクトをファクトリと呼び、クラスメソッドのことをファクトリメソッドと呼ぶこともある
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メソッドの使い方によってファクトリメソッドになることもある、というのが正しそう??
Objective-C におけるクラス
クラスオブジェクトの型は Class
Class
型のための空ポインタ : Nil
クラス変数を定義する構文はないが、実装部で static 指定子をつけて宣言した変数をクラス変数だとみなせる
クラスの初期化は initialize
メソッドで行える
5 章 : リファレンスカウンタを用いたメモリ管理方式
一時的に利用するオブジェクトを後から自動で解放する
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「
Adopting Modern Objective-C」 によると、designated initializer じゃない initializer を convenience initializer というらしいが、convenience initializer とコンビニエンスコンストラクタは別物なのかな……?
ARC を用いたプログラムでは C の構造体や共用体のメンバにオブジェクトを含めてはならない
構造体の内部までオーナーシップの管理ができないため
6 章 : ガーベジコレクション
ガベージコレクションは Mac OS X 10.5 Leopard 以降で利用可能 (iOS では利用できない)
Mac OS X 10.7 Lion および iOS 5 以降では
ARC の利用が推奨 (= ガベージコレクションはあくまで消極的な選択子)
7 章 : 宣言プロパティ
宣言プロパティ (declared property) は、クラスというものに、メソッドとは異なる概念としてプロパティを追加するもの
8 章 : NSObject クラスとランタイムシステム
それらの基本的な機能はルートクラスの NSObject
に用意されている
methodForSelector:
メソッドなどで、メソッドに対応する関数へのポインタ ( IMP
型) を取得できる
関数には隠し引数 (hidden arguments) がある
第 1 引数が自分自身 ( self
で参照可能)、第 2 引数がセレクタ ( SEL
型で、 _cmd
で参照可能)
それに先立ってランタイムシステムが大幅刷新 (Apple のドキュメントでは、モダンランタイム / レガシーランタイムと表現)
Cocoa 環境では
NSInteger
型が導入され、32 ビット環境では int 型、64 ビット環境では long 型に
9 章 Foundation フレームワークの重要なクラス
バイト列からなるデータを扱う際には NSData
高速列挙 (fast enumeration) : for (obj in group) ...
10 章 カテゴリ
クラスの一部のメソッドを実現するモジュールをカテゴリという
クラス拡張 (class extension) という仕組みもある
宣言はカテゴリに似ているが、カテゴリ名のようなものを書かない
カテゴリではインスタンス変数の追加ができないが、連想参照 (associative reference) により参照を保持できる
11 章 抽象クラスとクラスクラスタ
12 章 プロトコル
Objective-C のプロトコルは、もともと分散オブジェクト間の通信規約を抽象化した概念として言語に取り入れられた
Java におけるインターフェイスは、Objective-C のプロトコルを取り入れたもの
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そうなんだ???
プロトコルを採用 (adopt) し、そのメソッドを全て実現しているクラスは、そのプロトコルに適合 (confirm) しているという
あるいは準拠している
非形式プロトコル (informal protocl) あるいは簡易プロトコル : メソッドの一群を NSObject
のカテゴリとして宣言
実装は、それを使う側のクラスが行う
システム (フレームワーク) 側からユーザープログラム側のオブジェクトに情報を渡すときなどに使う
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プロトコルを使うのじゃダメなのか???
13 章 オブジェクトのコピーと保存
新しいランタイムシステムでは使われない
copyWithZone:
メソッドの引数として形式的に残っている
Foundation フレームワークには、複数のオブジェクトをバイト列に変換する仕組みもある
この変換を、「アーカイブする」 あるいは 「エンコードする」 という
対象のオブジェクトは NSCoding
プロトコルに適合する必要
復元のために initWithCoder:
というイニシャライザを用意する必要
14 章 ブロックオブジェクト
15 章 メッセージ送信のパターン
実行ループへのアクセスには NSRunLoop
クラスを用いる
NSTimer
による遅延実行あるいは定期実行ができる
NSObject
で定義されている -performSelector:withObject:afterDelay:
メソッドによる遅延実行も可能
Foundation フレームワークには、通知 (notification) と呼ばれるメッセージ送信方式がある
プログラム内の通知センタ (notification center) と呼ばれるオブジェクトが中心 ( NSNotificationCenter
クラス)
メッセージの転送
処理できないメッセージがオブジェクトに送られた場合、ランタイムはオブジェクトに -forwardInvocation:
というメッセージを送る
デフォルトでは -doesNotRecognizeSelector:
が呼ばれるが、オーバーライドすることで任意のメッセージを処理できる
NSUndoManager
によるアンドゥ (undo) 機構
16 章 アプリケーションの構造
いくつかのファイルやディレクトリを特定の形式のディレクトリにまとめた構造を一般に
バンドルという
リソースファイル
言語に依らないリソースファイルの配置場所
Mac OS X の場合は Resources の直下
言語に応じて切り替えたいリソースは 「言語名.lproj」 というディレクトリに格納
アプリケーション実行に不可欠な情報が記入されている
NSBundle
の mainBundle
で取得可能
Mac OS X ではモジュールの動的ロードが可能
17 章 例題 : 簡易画像ビューア
18 章 例外とエラー
NSAssert
でアサーション可能
エラーメッセージ表示用の NSError
クラスがある
19 章 並列プログラミング
20 章 キー値コーディング
付録