generated at
KJ法勉強会@ロフトワーク 事前マップコメント
KJ法勉強会@ロフトワーク 当日朝コメント
2022-12-02 開催当日
当日朝見たら意外と過半数の人がネット作りに着手していた
先延ばしにするメリットはないので朝の時点での状態にコメントをつけて回った

nishio
先に始めてる人がちらほらいて楽しく眺めています。人それぞれやり方が違うのが面白いですね
(追記: 事前に作っていた人のマップに対するコメントがこのスライドにまとめてあります)

事例1
こういう「離れた小さい塊」の中の個別のラベルXに注目して、他の「大きな塊」の中のラベルの中に線を引くと良さそうなものがないか考えると良い
そうすると「Xに繋がりやすいものとそうでないものがある」のが見えてくる
それによって「大きな漠然としたグループ」の中に位置どりが発生してくる
補足:
この時点では線がまったく引かれておらず、大きな塊に分けられていた
関係がありそうなものに線を引き、それを近くによせる
漠然としてた塊に、個別の要素の間の「近い/遠い」によって「位置」ができていく
個体識別と座標軸的知識川喜田二郎は言ったけど、この表現がわかりやすいかは疑問

事例2
長く伸びている線をなるべく短くするといいですよ

事例3
早まってグループにしたが、このグループは孤立している
このグループの中のラベルのそれぞれについて、グループの外のラベルと繋がるとしたらどこに繋がるのかを考えるといいかも

事例4
この「大きな丸」で表現されているものは「元から持っていたグループ境界」
一旦外して、その境界に邪魔されて見えにくくなっている「既存のグループを跨ぐ関係性」を見つけることに注力すると良さそう
消すことに恐れがあるならコピーしたらいい
補足:
家族、娘、長女、といった「既存の」「当たり前な」「階層構造」が強く表現されている
その構造の制約が新しい構造の発見を妨げている
新しい構造が発見されるタイミングではそれは弱々しいので、強い既存構造があると負けてしまう
既存構造を弱めていくことが必要

事例5
線を、なるべく短く、なるべく交差しないように、ラベルの側を動かしてみましょう
今のバージョンを壊すことに抵抗があるならコピーすれば良い
(同様のものがもう一件あった)

事例6
中央の問いに対する直接的な答えになっているラベルはどれですか?
それを中央のラベルと線で結びましょう
ないならラベルを追加しましょう
これは問いに対する「正解」である必要はないです
「現時点ではこうかなと思ってる」でOK
補足:
ラベル同士は線によって全体的に一つにつながっていて良い状態
しかし真ん中の「テーマのラベル」に繋がってない
テーマのラベルに繋がることで「テーマに近い/遠い」「テーマを複数の視点から描写できてるか」がわかるようになっていく

事例7
この「5個のラベルが入ってるグループ」の中のラベルそれぞれについて、他のラベルと繋がるものがないか考えると良さそう
補足:
青の部分に事例3に似た「孤立したグループ」もある
どっちを先にケアすべきかに関しては一概に言えることではない
この時の僕は「後で『2〜3個、多くて5個程度』を目処に囲っていくのに、最初から5個囲われてる状態じゃん」というところが先に目についた

事例8
一単語のラベルに関しては「〜とは具体的にはどのようなものか」「例えば何か?」などと自問して、もっと情報を増やし、ラベルに加筆するか新しいラベルを追加するとネットにしやすくなりますよ
補足:
ラベルが「掘り下げ」られてない、地に足のついていない浮き草のような状態になっている
川喜田二郎の言葉だと「できるだけもとの資料の土の香りを残せ
>最少必要限度の「概念化過程」が大切なのであって、不必要に「概念」にまで仕上げてはならないのである。
発想法 P.141 see 抽象化しすぎるな
「花」「夕日」などの末端のラベルが、現状では「抽象度の高すぎる概念」になっている
だからそれらの間の関連を見出すことができない
それぞれが十分に具体的イメージになるとチャンスができる
例えば「散っていく桜」と「夕日の差す寒々とした草原」なら「物悲しさ」で繋がりうる

事例9
この「気づいたこと」をラベルにしてネットの中に置いて、何とつながるかを考えていくと、現状のモヤっとした大きな塊が線に引っ張られて分離してよいかも
補足:
線は引かれていないが大まかにツリー状の構造ができている
この状態で「気づき」とされてるものは、おそらく書き出している過程か並べている過程で「連想」されたもの
その「連想」をラベルにして、連想元のラベルと線で結んで欲しかった
いくつものものとつながることによって包括性の獲得が起きる

事例10
中央のテーマと繋がるラベルは何か?を考えると良いかも
中央のラベルの周囲に発展できるスペースがない
先に空間を広げて新しいものが生まれる余地を作った方が良さそう
壊れることに恐れがあるならコピーして取っておけば良い
補足:
しっかり「ネット状」になってとても良い(明示的にほめればよかった、忘れてた)
中央のテーマと結びついてない
中央のテーマの周りに空間がないので今から接続した場合に新しいものが生まれたら空間が足りなくなりそう
既に囲み線まで描き始めていたので(現状のMiroの機能では)壊さずに広げることには頭を使う
新しいものが生まれてからやろうとすると「新しいものが生まれた高揚」が「置き場所を作るための面倒なパズル」で押しつぶされてしまう

事例11
テーマから枝が伸びている感じ、とても良い
他の枝との間に「つながるところがあるのでは?」と考えて、それを発見して、つないで、とやっていくと網目を使っていけると思います

事例12
いいですね、この感じでバッチリ
あえていうなら、この「隙間」を埋める線やラベルがないかな?と考えるといいかも

事例13
狭くて窮屈で身動き取りにくそう
周囲に紙面の余裕があるのでもっとのびのび使って大丈夫ですよ

事例14
この大きなグループの中のそれぞれのラベルと、外のラベルの間に線が引けないか考えてみると網目状になってよいですよ
補足:
上にも要素数の多いグループはあるが、こちらは外とたくさん繋がってるのでさほど問題ではない
下のグループは孤立してしまっている
大学の新入生交流パーティーで、同じ高校の出身者ばかりのグループを作ってしゃべってるみたいなもの
もっとグループの外の人と話さないと過去の人間関係が延長されるだけで新しい人間関係が生まれない


事例15
これは「漠然と空間配置されてる状態」でモヤモヤした雲のようなもの前にして悩んでしまってるかもしれませんね
もしそうなら「テーマのラベルから線を繋ぐことができるはラベルはあるか?」を考えてみるといいかも

ツッコミどころのない人向け(2件)
時間に余裕があるだろうから、このネットをやり切った後、それを眺めて、気づきを踏まえて新しいネットを作ってみるのがいいかも
できたマップの使い方としては「発表する」だけではなく「この後すぐ実行するアクションを決める」や「新たに発見された課題について新しいマップで掘り下げる」などがあります

見て回って複数のところで発生してた事例についての補足説明
真ん中のテーマラベルがほったらかしになってるケースがいくつかあった
これは先にラベルを作ってもらったことの副作用だろう。
オリジナルの「考える花火」ではまず最初にテーマのラベルだけが真ん中にあり、そこから連想したラベルを追加して線で繋ぐことを繰り返していく
なので、必然的に「マップに置かれてるすべてのラベルは中央の付箋から直接又は間接的に線で繋がってる」という形になる
もう一点、5枚以上の大きなグループがあらかじめ作られているケースが3件くらいあった
それはその「あらかじめ考えたグループ」の境界線が、中と外のラベルの間のつながりを見つけることの邪魔をする
なので、それを意識して積極的に中と外のつながりを探しにいくか、いっそ取り除くか、をすると良さそう
Slackの投稿をこのページにまとめ直してて気づいたこと追記:
これは川喜田二郎の本には書かれてなかったと思う
それはコンピュータ普及以前には、作業の途中状態を保存しておくことのコストが高かったから
現代のPCを用いた知的生産術においては低コストなのだからやればいい、これが「状況が変われば最適な方法も変わる」の事例の一つ
これも何度か出てきた概念
グループ編成で悩む人はたくさんのラベルがただ一箇所に集まっただけのモヤっとした大きな塊を作りがち
そういう塊は下記のどちらかになりやすい
表札がやたら抽象的になる
元々持っていた抽象概念を無意識に使って、その概念に当てはまるものを集めた塊だから
表札がつけられない
中身がマチマチだから
その塊の中のラベルXに線がつながれば、その線を縮めていくことで、大きな塊が分解される
Xだけをちぎるのでいいのか?Xについていきたいラベルはいるのか?
ちぎられそうになった時に抵抗するペアは、間に線があることがわかる