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対立は一つだけではない

エンジニアの知的生産術 P.161「(5.2.5.2) NM法は対立関係に着目する」の最終段落1文目の後で節を区切って、そこに挿入される。
盲点カードにも入れよう

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対立は一つだけではない

白と黒の対立
すべすべとトゲトゲの対立
どちらも対立である
黒丸も、白トゲトゲも、どちらも白丸と対立している。しかしこの2つは同じものではない。似てもいない。

ここには白黒とすべすべ/トゲトゲの2つの属性がある。この図に書かれていない「黒トゲトゲ」を加えると、全体ではこういう構造になる


白丸と黒トゲトゲには何も共通点がなくて、無関係な情報に見える
「対立している」と感じられるものは、それすら感じられないものに比べると「近い」

ここまでの話は、属性が2種類でそれぞれ2通りの値を持つ(白と黒、すべすべとトゲトゲ)世界で話をした。世の中の出来事にはもっとたくさんの属性があり、各属性が多様な値を取りうる。

1つの属性には2通りの値しかないシンプルなケースで、属性の数がどのような影響を及ぼすか観察してみよう。図中の線は、1つの属性の値だけが異なる要素をつないでいる。人間が直感的に理解できるのは、3次元の立方体の辺でイメージできる属性が3つの場合が限界だろう。
属性が1つ、2つ、3つ、4つ
注: 属性4つの図に誤りがある
脚注: 「ブール束」(boolean lattice)と名前がついている

対立という言葉で、属性が1つの「善と悪の二項対立」みたいなものをイメージするとよくない。現実は、属性が無数にある。

(5.2.4.6) 家族的類似性で紹介した花の絵は、4つの属性を持っている
ターゲットの4つの特徴を1111と表現すると、
グループ1
1110, 1010, 1100, 0110
グループ2
0011, 0001, 0101, 1001
これを属性4つのブール束に描いてみると、こうなる

赤がグループ1、青がグループ2
色で識別するのはあまり良くないので描き直す時に修正する

この図を見るとグループ1の方がグループ2よりもターゲットに近いと感じるだろう。
その感覚は、家族的類似性と違う原因で生まれている。
グループ1とグループ2の違いは、グループ1には距離1の1110が含まれていて、グループ2は距離3の0001が含まれているところにある。

我々は対立について考えるときに、1属性の対立をイメージしてしまいがちだ。
そして対立しているペアは遠いものであると考えがちだ。
しかし現実世界には多くの属性がある。
そしてその状況では、対立しているものは、対立すらしないものに比べて、近い位置にあるのだ。

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対立は1種類ではない
白と黒の対立
すべすべとトゲトゲの対立


白丸と黒トゲトゲには何も共通点がなくて、無関係な情報に見える
対立していると感じられるものは、それすら感じられないものに比べると、近い関係

ここまででは、属性が2種類(白と黒、すべすべとトゲトゲ)で話をした。世の中の出来事にはもっとたくさんの属性があり、属性が全部でいくつあるのかすら把握できていない。

1つの属性には2通りの値しかないシンプルなケースで、属性の数がどういう影響を及ぼすか観察してみよう。図中の線は、1つの属性の値だけが異なる要素をつないでいる。人間が直感的に理解できるのは、3次元の立方体の辺でイメージできる属性が3つの場合が限界だろう。
属性が1つ、2つ、3つ、4つ
脚注: 「ブール束」(boolean lattice)と名前がついている

対立という言葉で、属性が1つの「善と悪の二項対立」みたいなものをイメージするとよくない。現実は、属性が無数にある。

4つの属性を持つ類似性の議論: 家族的類似性