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ホモ・サピエンス

ホモ・サピエンスHomo sapiens、ラテン語で「賢い人間」の意味)は、現生人類が属する種の学名である。ヒト属で現存する唯一の種で、ネアンデルタール人などすでに絶滅した多くの旧人類も含む。
種の下位の亜種の分類では現生人類ホモ・サピエンス・サピエンスとすることで、彼らの祖先だと主張されてきたホモ・サピエンス・イダルトゥと区別している。創意工夫に長けて適応性の高いホモ・サピエンスは、これまで地球上で最も支配的な種として繁栄してきた。国際自然保護連合が作成する絶滅危惧種のレッドリストは、「軽度懸念」としている。
ホモ・サピエンスの亜種は、ホモ・サピエンス・イダルトゥと唯一現存するホモ・サピエンス・サピエンスである。ネアンデルタール人も一亜種としてホモ・サピエンス・ネアンデルターレンシスに分類する学説もあり、また種の標本が発見されたホモ・ローデシエンシスも、亜種としてホモ・サピエンス・ローデシエンシスに分類する学説もある。アルタイで発見されたデニソワ人も亜種とする学説があり、ホモ・サピエンス・アルタイと名付けられている。ちなみにネアンデルタール人デニソワ人の遺伝子は現代人に混入している。
ヒト属チンパンジーの共通祖先が分岐したのはおよそ200万-1,000万年前、ホモ・サピエンスホモ・エレクトスの共通祖先が分岐したのはおよそ20万-180万年前と見られている。
現生人類はホモ・サピエンス種である。そして、そのうち唯一現存する亜種はホモ・サピエンス・サピエンスとして知られる。他の既知の亜種であるホモ・サピエンス・イダルトゥはすでに絶滅している。一時期、ホモ・サピエンス・ネアンデルターレンシスと呼ばれて亜種に分類されていたネアンデルタール人は3万年前に絶滅している。遺伝学研究は現生人類とネアンデルタール人の共通祖先がおよそ50万年前に分岐したことを示唆する
現生人類の最も古い化石は、エチオピアのオモ遺跡(英語版)から発見されたおよそ19万5,000年前のものとされて来たが、2004年にモロッコのJebel Irhoudの地層で発見された、頭蓋骨及びその同年代のもの思われる複数の石器がおよそ30万年前のものであると結論づけられ、2017年6月のNatureに発表された。分子生物学の研究結果からすべての現生人類がおよそ20万年前のアフリカ人祖先集団に由来するとした証拠が示されているが、それより10万年ほども古い化石が発見されたことで、今後のさらなる研究が待たれる。アフリカ人の遺伝的多様性に関する広範な研究から、14の「祖先集団クラスター」に由来するサンプリングされた113の様々な集団のうち、サン人の遺伝的多様性が最も高いことが判明している。また、この研究報告は南西アフリカのナミビアとアンゴラの沿岸境界近くが現生人類の移動の起点だとしている。
直近1万5000年のゲノムを解析した結果、ヒト個体群の自然淘汰が現在も作用を続けていることが判明している

分類
下綱: Placentalia
下目: Simiiformes
亜種: 以下の†はすでに絶滅