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自然変換の各成分が同型射のとき、その自然変換は同型


この自然変換\alphaについて、
以下の2つは同値である
\alphaは自然同型である
\alpha_A: F(A)\to G(A)が各A\in\mathscr{A}について、(\mathscr{B}における)同型射である



①→②
こっちは割と自然に示せるmrsekut
①より、\alphaが自然同型であると仮定する
つまり以下のことが言える
\alpha:F\to Gに対し、逆射として自然変換\beta:G\to Fが存在する
\beta\circ\alpha=\mathrm{Id}_F
\alpha\circ\beta = \mathrm{Id}_G
\alpha\circ\beta = \mathrm{Id}_Fが成り立つので、任意の対象Aに対して、
\beta_A\circ \alpha_A=\mathrm{id}_{F(A)}が成り立つ
同様にして、\beta\circ\alpha=\mathrm{Id}_Gが成り立つので、任意の対象Aに対して、
\alpha_A\circ\beta_A=\mathrm{id}_{G(A)}が成り立つ
以上より、任意のAに対して、\alpha_A\mathscr{B}における同型射であることがわかる
=②


②→①
任意の対象Aに対して\alpha_A:F(A)\to G(A)が同型射であると仮定する
つまり以下のことが前提される
\beta_A: G(A)\to F(A)で、
\beta_A\circ\alpha_A=\mathrm{id}_{G(A)}かつ
\alpha_A\circ\beta_A=\mathrm{id}_{F(A)}
を満たすようなものがただ1つ存在する
更に、\alphaが自然変換であることも前提されているmrsekut
何を示せばいいのか?
この射\beta_Aの族\beta:G\to Fが自然変換になっていること
\alpha\circ\beta = \mathrm{Id}_Fかつ\beta\circ\alpha=\mathrm{Id}_Gであること
\betaについて着目すると、以下のような図式が書ける
この時点では、「この四角形は可換である」とは言えない(わからない)ことに注意mrsekut
この四角形が可換であることが言えれば1つ目の目的がクリアになるmrsekut
ここで、\alphaについて着目し、上図に射を書き込む
\alphaは自然変換なので、内側の四角形は可換である
つまり、Gf\circ\alpha_{A_1}=\alpha_{A_2}\circ Ff
これを良い感じに式変形すればいいmrsekut
右から\beta_{A_1}、左から\beta_{A_2}を合成し、
恒等射になるある逆射どうしの合成をキャンセルする
これで目的の式が得られたので、上図の外側の四角形も可換であることがわかった
故に、\beta: G\to Fは自然変換である
関手圏として見れば、射\alpha,\betaの合成が
\beta_A\circ\alpha_A=\mathrm{id}_{G(A)}かつ
\alpha_A\circ\beta_A=\mathrm{id}_{F(A)}
を満たすことも自動的に定まる



参考
ベシ圏 pp.218-219
p.37 補題1.3.11