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Godot 日本語翻訳に参加してみた for Godot Engine Advent Calender 2022 6日目記事

概要
Godot の翻訳プロジェクトについての紹介
kidooomが実際に翻訳をしてみて学んだこと、感じたこと


Godot の翻訳プロジェクトについての紹介
Godot は OSSであるため、各言語への翻訳も有志によって行われています。

翻訳プロジェクト
Godot の翻訳は、WeblateというWebサービス上で運用されています。
英語文字列をベースとして、各言語に翻訳していきます。

公式ドキュメント
翻訳の流れやマークアップシンタックスなどの詳細は公式ドキュメントで説明されているのでそちらも参照ください
(このページがそもそもまだ日本語に翻訳されてませんね...)

翻訳優先度
Godotに関する全てのドキュメントを翻訳するのは物量的にとても大変なので、以下の優先度がつけられています
実際にGodot Engineを起動して表示される Editor の Interface になります。まずはここから翻訳していきましょう。
Webで公開されている公式のドキュメントです。こちらも、Godot を日本人に普及していくには積極的に翻訳していきたい箇所です。
クラスリファレンスです。ここは英語のままの方が扱いやすい事もあるので、無理して翻訳しなくてもいいかなと思っています。


私が実際に翻訳をしてみて学んだこと、感じたこと

翻訳に参加
kidooomが翻訳に参加したキッカケは、DiscordGodot Engine Japan Community (https://disboard.org/ja/server/687968853082374218) という 「Godot Engine」の日本コミュニティサーバーで翻訳者を募集している書き込みを見たからです。
Godot コミュニティに何か貢献したいなぁと思っていたところでした
英語版しか提供されていないインディーゲームを遊ぶこともよくあり、もっと英語を学習したいモチベーションもありました。
私は今まで翻訳プロジェクトなどに参加したことはなく、翻訳をするのは初めてとなります。


Weblateアカウントの登録
Weblateのアカウントを作成せずに匿名でも翻訳はできますが、「提案」までしか行なえません。
「提案」は、翻訳案を送信するのみで、他に誰かアカウント持ちのユーザが採用しないと翻訳が有効になりません。
アカウントを作るのは簡単なので、私もとりあえず新規アカウントを登録しました。


最初は「提案」をしていたが、徐々に「保存」するようになった
初めての翻訳活動なので、最初は慎重な姿勢で翻訳が簡単そうな言葉を選び、「提案」を行っていました。
しかし、直近2週間で提案を採用するアクティブな日本ユーザーが不在だったため、進展しない空気を感じました。
このまま停滞してもモチベーションが落ちてしまいそうなので、何度も推敲して問題無いと感じた翻訳は「提案」をせずに「保存」をするようにしました。
問題があったら後で訂正をすればいいので、許可を求めるな、謝罪せよの精神でやっていくようにしました。
本当に自信がない訳だけは「提案」で残しています。
少しずつ作業がノッてくるようになりました。


実際にGodot Editorを開いて、該当箇所を調べながら翻訳をする
Weblate上では翻訳対象の英文だけしか表示されず、英文だけではどこの何の機能か分からないため、翻訳するには情報が少々不足していると感じました。
特に、説明が省略されている端的な英文も多く、機械的に翻訳をすると誤解を生みそうなケースがいくつもありました。
そこで、以下のようにして翻訳に必要な情報を収集しました。
実際にGodot Editor を開いて、対象の英文が表示される箇所を探します。
マウスフォーカスを当てると表示される詳細説明を読むと、具体的に何の機能なのか分かることが多いです。
例:
Editor Setttings にある Show Bookmark Gutter 機能にマウスフォーカスを当てて表示される詳細説明。
この詳細説明を読んで、ここの設定は 「Script Editor の左側のガター(溝)部分にブックマークアイコンを表示するための設定」なのだと理解できました。
設定値をON/OFFしたり、値を変更することで、どんな挙動をする機能なのか分かることもあります。
例:
Editor Setttings にある Line Length Guideline Soft Column の設定値を 80 から 40 に変更してみてScript Editor を開くと、1行の文字数カウントのガイドライン線が左に移動していることが分かりました。
例えば以下の機能は、上記のようにEditorを開いて理解をしてから翻訳をしました。
この作業を行うことで、今まで自分が知らなかったGodotの機能を知れるようになったのが、一番の収穫だと感じています。
翻訳作業に参加することで、Godot の機能について本気で理解をする必然性が生まれました。


他言語の翻訳例を参考にする
Weblateの翻訳画面下のタブに「その他の言語」というタブがあります。
その他の言語で、対象文字列がどのように翻訳されているかが表示されます。
これが個人的にはとても参考になっています。
自動翻訳サービスを使えば英語以外の言語も日本語に翻訳可能なので、既に翻訳済みの別言語(例えばドイツ語や中国語)を日本語に訳してみて、自分の翻訳案と大きな相違がないか、ヒントになるような表現が無いかを確認しています。
英語では省略されている説明が、他言語では分かりやすい補足説明を足しているケースもあり、それを真似した方が良いこともあります。


まとめ
私のような翻訳作業初心者でも、すぐに貢献できるような仕組みが整っています。
Weblateという翻訳支援Webサービスが整備されている
まだ日本語訳されてない箇所はたくさん残っています。
2022/12/5 時点で、日本語に翻訳済みの割合は 51% でした
Godot の機能を理解するキッカケになります。
kidooomは、この副産物がモチベーションにもなりました。
ぜひ以下のリンクから、Godot の翻訳に参加してみてください!


参考記事
2019年のGodot Engine Advent Calender 6日目の記事