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テクノロジーからシンプリシティへ
テクノロジーからシンプリシティへ


鈴なりのサーファーがパドリングでテイクオフしてジョーズの波にのっている様子(現在)
トップガン(レイアード・ハミルトン)がジェットスキーに引っ張ってもらってジョーズの波に乗っていた様子(過去)

2014/08
> シンプリシティだ。人生はつねに複雑な方向ではなく、よりシンプルな方向へと向かうべきだ
「複雑な方向ではなく、よりシンプルな方向へと向かう」
> 私が真に信じていることのひとつはシンプリシティだ。
> 人生はつねに複雑な方向ではなく、よりシンプルな方向へと向かうべきだ
> 誰かがフィンのないサーフボードで99%のサーファーよりも上手に波に乗っているのを見たりすると、「素晴らしい。まさにこれだ」と思う
>トゥーイン・サーフィンからはじまり、いまは同じ波へパドリングするようになった。それこそ私たちが向かうべき方向だ。テクノロジーにではなく
トゥーイン・サーフィンからはじまり、いまは同じ波へパドリングするようになった」
「それこそ私たちが向かうべき方向だ。テクノロジーにではなく」
> すべてのギアを知識と経験で置き換える
> エル・キャピタンとヨセミテでは6本くらいのルートをやったが、そのうちいくつかは10日もかけてやった。いまはジム・ショーツを履いた男がフリーソロで登り、昼飯前に下山したりする。最高に素晴らしいことだと思う
> それこそが私たちが向かうべき方向だ。
アレックス・オノルドのエル・キャピタン、フリー・ソロ
> 私たちは皆、ズルをしたい。
「私たちは皆、ズルをしたい」
> クライミングでズルをする方法はたくさんある。50回も登られたルートをやるのだったら、チョークマークをたどり、手足をどこに置けばいいかが分かる。私はそんなルートは耐えられない。人に指図されるのが我慢できないから。自分で判断して行きたい。
> エベレストを登る人を見るとき、オーストラリアから毎日天気を報告して、ゴーかどうかを指図し、何百もの梯子と何千フィートもの固定ロープを使って、シェルパが前でロープを引き、背後ではもう1人のシェルパが押してくれ
> サーフィンではズルをする方法は少ない。トゥーインはそのひとつだが、いまは時代遅れになっている。だからそれは最も純粋なスポーツだと思う。サーフィンよりもむずかしいスポーツを私は知らない。
「サーフィンではズルをする方法は少ない」
トゥーインはそのひとつだが、いまは時代遅れになっている」
2007/09/10
> ハワイのジョーズで世界一速いスーパービッグウェーブを乗りこなすために、ジェットスキーとストラップで足を固定するイカレたシェイプのサーフボードの組み合わせが発明されたのと、アラスカのチュガッチのディープパウダーを滑るために、ヘリとスーパードゥーパーファットスキーやビッグガンスノーボードの組み合わせが発明されたのと、Tumblrのすげぇークールなdashboardを乗りこなすために、FirefoxとAutoPagerizeとLDRiseとminibufferと未だ見ぬ何かの組み合わせが発明された話をいつか書く.
2013/12月
> 1992年、ハワイ、JAWS と呼ばれるそれはそれは巨大な波が立ち上がるポイントで、何人かの男達が頑丈なゴムボートとそれに引っ張られるサーフボードに乗って波をまさにテイクアウトしようとしていました。そのサーフボードにはストラップが取り付けられ足が固定されるようになっていて、その形は異様に細くシェイプされていました。人力で波に乗るには初速が全然足りないくらいの速い大きな波です。それを彼らはボートで牽引することで克服しようとしていました。サーフボードはその波のスピードの速さに負けないくらい抵抗の少ない高速なシェイプが施されていたのです。後にトゥーイン・サーフィンと呼ばれるスタイルの誕生です。
> その同じ頃、アメリカの雪山ではパウダージャンキーなスキーヤー達は、その浮力の大きさに利するスノーボードの後塵に拝していました。その当時スキー界のロックスター達は細長い2m以上という競技用の板に乗っていました。そんな中、何人かの男達が見るからにずんぐりむっくりな幅が太く長さの短い板を握っていました。その板はファットスキーと呼ばれていました。当時、そのファットスキーはお金持ちのお爺さんお婆さんがアルプスあたりで手軽にパウダーを滑るための道具とみなされていました。彼らはその醜いファットスキーで、世界一スティープでディープなパウダーに挑みます。それはアラスカ、バルディーズのチュガッチと呼ばれる山々でした。ハイクアップ不可能なその切り立った山頂にヘリで一気に横付けして、何本も何本もラインを刻んでいきました。
> このような事例については、枚挙に暇がありません。
> 19世紀終りに南北戦争が終って使われなくなった軍楽隊の楽器を手に入れた、黒人達が作りだした新しい音楽、ジャズの誕生。1960年代の終り、ジャマイカで発見された、ボーカル抜きのトラックにエコーやリバーブを掛けまくるとなぜか気持ち良くなってしまう、というダブ。1970年代、アメリカで発見された、2台のターンテーブルと2枚のレコードから、延々と繰り返されるブレイクビーツ。それとスクラッチ、そしてヒップホップ。
> 13世紀、地中海を席巻した商人達が開発した複式簿記。そして16世紀から17世紀にかけて世界を股にかけて大活躍するオランダ商人。大航海時代を支える大型帆船と航海術。新しい大陸の発見とアフリカ大陸の制覇。森林の枯渇から始まる石炭利用。そして産業革命。イギリスによる世界電信網の構築。大量殺戮兵器の発明と世界大戦。アメリカが握る世界覇権。世界を繋ぐ電話網。ベルの躍進。
> そのベルの倉庫に余っていた PDP-7 から動き出した UNIX 。 スプートニック・ショックに始まった ARPA の設立。ハワイの ALOHAnet 、 ARPANET そして、インターネット。weblog の誕生。ソーシャルブックマークフォークソノミー。XML と RSS とフィードリーダー。tumblelog 、 tumblr 、そして Reblog の登場。
「そして reblog の登場」
思ったこと
2007年、reblog を介してインターネットを再発見したときに思い浮かべたのは1990年代にサーフィンやスキー(スノーボード)の世界起きたパラダイムシフトのことだった。それは端的に言うと、テクノロジーが新しい価値観を生み出した瞬間だった
その象徴に一つだったビッグウェーブにおけるトゥーイン・サーフィン(towing surfing)は2010年代始めには時代遅れになっていた
どういう意味かというと、テクノロジー(動力、ジェットスキーやエンジン付きゴムボートとストラップ付きの特殊なシェイプのサーフボード)は、生身の人間(パドリングとドルフィンスルーで大波をくぐり抜けて、動力に頼らずに自力で波にテイクオフすること)に置き換えられていた、ということ
これは単純に、テクノロジーが人間の能力を置き換えるということではなくて、テクノロジーが切り開いたスペースを人間の能力が埋めていくということ
パタゴニアの中の人は、シンプリシティ原理主義側だから、この出来事についてはある一方からの視点にすぎない。注意
これはとてもおもしろい視点で、
AI についてとか、Web についてとか、このあたりの視点で見直してみたい