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死んだテキストを置いておく倉庫にしない



6年ぐらい前に、ScrapboxのプロトタイプであるGyazzというWiKiを使っていた時
数人で1つのページに意見を書いて、議論・相談するのが面白い
逸れた話、補足事項は別ページに分かれてリンクになる
チャット(skype)に差分通知が来る
完全に同時に書きあうのではなく、数日かけて議論し、考えが深まっていく
という経験があって、非常に気持ちよかった
脳の性能が引き上げられた感じがした

その経験から、2つの要素を同時に満たしたいと考えた
1. 個人がアイディアを書き、考えを深める為の快適なテキストエディタ
2. 殴り書いたアイディアでも他人が読んで理解でき、議論を積み上げれるようにする機能
この2つをシームレスに行ったり来たりできると脳のリミッターが解除される

1と2が同時に満たせていない時
そのツールとは別の手段で議論された決定事項だけが文書化され
Wiki管理者の承認を経て、保存されるようになる
この状態を「死んだテキストを置いておく倉庫」と呼ぶ



ほぼ全てのグループ向けドキュメントツールWiKi
決定事項を清書してきれいに整理整頓する機能ばかり強化している
書く事で考えを深めるとか、人と相談する為の機能が全く無い
思索や相談は文書管理ツールとは別の場所でやる(下書き)
他人に伝えるたり証拠を残す為だけにグループ向け文書管理ツール向けに清書する

2回同じテキストを書くのは完全に無駄で、この間何も進んでいないのに等しい。
めんどうくさい手順を踏むと、なぜか仕事やってる感や、謎の満足感を得られてしまうので気づきにくいけど、完全に無駄です


最初から、以下の2つが一緒になっているツールがほしい。
1. 考える為に書く場所
2. 人に伝える為に整理整頓する場所

当然1と2を同時に満たすのは難しい
考えを書きなぐったメモは他人にとって意味不明な落書きなので
整理整頓の邪魔になる
整理整頓のために書式をしっかり決めると、思索はできない
何かを考えている時、「自分が何を考えているか」をはっきりと理解しているはずがない
むしろそれを見出す為に書いて考えている
一見関係ない過去のメモや事実との関連を見つける為に書いている
関連が見つかる事でようやく、何について考えていたのかが位置づけられる


人に伝える為に整理整頓する

古典的な方法として階層整理がある
階層化は、ネットワーク構造である事実の関係の塊に対して、自分の視点を与えて論述する段階で使うべき手段
文系の論文では「切り口」というっぽい
事実と推論の塊・ネットワークに対して視点を与えて、論述する

複数人で考え続けるには、階層化は邪魔
グループ内の他人に考えを伝える為に、論述一歩手前の段階まで持っていく事を指して整理整頓と言ってしまうのは思考や発見の妨害でしかない
初期段階で階層化すると、別の「切り口」を見つけられなくなる
つまりメモはネットワーク状態で保持しておきたい

ネットワーク状態でメモを保持する
毎回記憶がリセットされるメディアにも書いたが、リンクで十分に文脈はわかる


考える為に書く

思いついた事を全部書き殴りたい
書き殴った事は素早く並び替えたりしたい
アウトライン編集テクニックとかが使えると良い

今考えてるのだから、周辺情報については今は書きたく無い
何について考えているのか
なぜ考えているのか

しかし周辺情報を書く事で、考えが進んだりする可能性もある
最初に周辺情報を書きたいわけではないが、
考えをある程度書いている途中で周辺情報を書くと、良いことが多い
自分が昔メモした事に関係している事がわかって、2つの問題が一気に片付くきっかけになる
グループ内の他の人が、似た問題について既に思索を深めていたりする
どのタイミングででもリンクを貼ったり切ったりできると良いだろう
考える・整理する・伝えるといったフェーズに分離されると効率が悪い
順序立てたフェーズに分けず、順不同に行う

考えを邪魔する要素
例えば
ページ内に埋め込む画像サイズをピクセル数で指定できる機能があると、思考を邪魔してしまう
色々な人が色々な画面サイズ・デバイスで見ている
最適なサイズが人によって違うので、正解は無い
サイズが指定できないようにする事で争いを避ける
適当なサイズで埋め込む [画像URL] か、横幅100%の [[画像URL]] だけでいい
Keynoteでプレゼン資料を作っていると、本文を書いている時間よりも文字の位置やサイズ調整に時間をかけている気がする
Keynoteの位置調整機能はPowerPointに比べてかなり賢いが、賢いゆえに細かい所をチマチマといじってしまう
少しの手間でコントロール可能な場所が目につくと、コントロールしたくなってしまう
あとで振り返るとものすごい無駄な時間だった
新たな発見が何もない
プレゼン見てる側からも見た目に大差無い


テキストがこの先生きのこるには
相談できる仕組みが必要
人間が音声会話したりチャットに書いたりするのは
何がわからないのかわからない
誰が正解を知っているのかもわからない
自分が何について考えているのかすら、正確には理解していない
そういう状況で、前進する為で
それをなんとかする要素が、会話やチャットとかにはある
ターゲットに対してリアルタイムに割り込み通知できる
往復の中で精度を上げられる
とか色々あるだろうけど