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07248 shioシフト for iPad が完成して脱親指シフト
No. 07248, by shio / 塩澤一洋


13年越しの念願成就!!
iPadでshioシフト親指シフト配列をを改良したかな入力配列)、実現しました!!

2010年5月に発売された初代iPadを使い始め、2011年4月1日にMacでローマ字入力から親指シフトに転向して以来の願いが叶いました。いままで、shioシフトできることがiPadよりMacを使う大きな要因の一つでしたが、これからはiPadでshioシフトできます。iPadで実現できたことがうれしい。もちろんMacでしかできないことは依然として多いのでMacも使い続けます。

今日の午後は研究室でこの設定作業に没頭しました。帰宅中も歩きながらiPadを操作して作業を継続。自宅前に到着してもドアの手前で続けて、完成。感動しながら家に入りました。

これを実現できたのはazooKeyのおかげ。
azooKey の開発者さまに感謝🙏 どうもありがとうございます!!


期末試験が終わり、採点の祭典も終わり、3日間のオープンキャンパスが終わって翌日。
研究室でほっとしている時、ふと、いつもMacBook Airに繋いでいるThunderbolt 4ケーブルをiPad Proに差し込んでみました。そこには「デュアルキーボード」として左右の手で使っている2台のHHKB Studioやマイクなどがハブを介して繋がっています。

そのHHKB Studioでいつものようにでタイピングを始めて、はたと気づく。iPad は親指シフト非対応。HHKB Studio自体をor2レイアウトに変更してあるので右手が右に2列ずれた位置で快適に入力できるものの、日本語入力方式がローマ字入力。

仕方なく久しぶりにローマ字入力でタイピングしてみるも、もどかしい。もどかしすぎる。
2011年3月まで23年間、ローマ字入力。2011年4月1日、親指シフトとの出会いはこちら。


ローマ字入力のもどかしさは、幼児のごとく階段を一段ごとに両足を揃えて昇るのと同じ感覚。一段に一歩ずつ昇れるようになった大人が一段ごとに二歩ずつ昇るのはもどかしい。

ローマ字入力は1文字2押鍵。
shioシフト(親指シフト)は1文字1押鍵。これに慣れたらもうローマ字入力をする気にならない(もちろん今でもローマ字入力できます。必要な時にはいたします。でも無駄すぎて、もどかしすぎて、できるだけローマ字入力は回避したい)。

日本中の人々がローマ字入力で日本語を書き続けている現状こそ、日本人の労働生産性が低い(OECD38カ国中30位)要因の一つだと思います。それも完全タッチタイピングではなく、キーボードを目視して、ホームポジションに固定することもないフリースタイル。書くのが遅いということは、考えるのか遅い、仕事が遅いに直結していますからね。

今すぐにでもローマ字入力から脱却した方がいい。
その際、かながキーボードの四段すべてに配列されているJISかな入力でもいいけど、三段のみですべてのかなを入力できるshioシフト(親指シフト)の方が楽でしょう。


Macで2011年4月1日に親指シフトに転向した後、iPadでも親指シフトしたいと願ってきました。各種の変換アダプタを介して有線で外付けキーボードを繋げば可能ではあるものの、iPadに外付けキーボードをつけてしまったらiPadの価値半減。それもワイヤレス接続ならまだしも、有線接続は避けたい。一方、iPadのソフトキーボードで親指シフトを実現する試みもいくつかありました。shio の知る限りすべてを購入してきましたが、どれも不完全で実用には程遠い。

しばらくiPadで親指シフトすることを諦めていました。
今日、久しぶりにiPad周辺の親指シフト環境をリサーチしてみようとググってみたところ、魅力的な記事を発見。
> azooKeyの「拡張>カスタムタブの管理>URLから読み込む」で下記ファイルをインストールしてください。

おおお。
2023-10-25に書かれている記事なので、もっと早く気づくべきでした。
iPad上のソフトウェアキーボードを自在に設計できるazooKeyというアプリで実現されている。
早速導入。


試してみると大変素晴らしい。
確かに親指シフトできる!!
同側親指シフトは上フリックで実現されている。親指シフトキーが不要。良い!! しばらく練習すればすぐ慣れます。
数字の入力は上段の下フリック
濁音は設定されておらず、清音のまま入力してiPadOSの判断に任せようという考え方。なるほど。
Macでは2015年から標準装備のライブ変換、スペースキーを押す変換操作が不要で自動的にかな漢字変換、確定される機能。iPadでは本来、外付けキーボードを接続した場合にのみライブ変換が機能する。なのに、このazooKeyではソフトキーボードでありながらiPhone/iPadでライブ変換をonにできる。感動!! ということは本当に変換キー不要。素晴らしい🩷素晴らしい🩷素晴らしい🩷

これをshioシフト配列に変更したい。さらにshio的にいくつか改変したい。

当初、azooKeyアプリに導入した親指シフトキー配列を編集することができるはずなのだけれど、どうやっても編集ボタンが表示されませんでした。他の業務と並行して3時間くらい研究した結果、ようやく編集ボタンが表示されました。

ありがたく色々改変したり、新たに設定したり。


shioシフトとして設定した要点は以下のとおり。

文字キー単独押しの配列は、shioシフトと共通。物理キーボードではなくiPadのソフトキーボードゆえ、「押下」せず「タップ」します。ただし、上段左手小指のみ、句点 から音引き に割り当てを変更しました。後述。
親指シフト配列で押下するキーと同側の親指シフトの同時押しによって入力する文字は、すべて上フリックに設定済み。指を単独で動かして上フリックしても良いし、親指シフトで同時押しするのと同じ要領で手首から先全体を一体として斜め前方に下降させることでキーを撫でる形で上フリックするのでも良し。親指シフトの同時押しとほぼ同じ動作で入力できます。しばらく練習すれば慣れます。
濁音(親指シフト配列では反対側の親指シフト同時押し)が設定されていなかったので、キーボード内側方向へのフリック(左手は右フリック、右手は左フリック)に設定しました。でも、フリックせずに清音のまま入力しても、OS側で適切な濁音として解釈してくれることが多いので、必ずしも横フリックしなくてもOKなのはiPadの素晴らしいところ。
半濁音を設定(親指シフト準拠、shioシフトでは標準)。すべて右手側の左フリック
読点と句点を下段右手中指と薬指に設定し、そこにあった を上段右手小指に、 を下段左手小指に設定(こうして句読点を欧文のピリオド、カンマと共通のキーに配置したのが元々shioシフトの要点)
親指シフトでは上段左手小指に が設定されている。句読点の位置を欧文と共通化したshioシフトでも、親指シフト配列に準拠するためにこの句点を残していましたが、このキーをまったく使っていなくて勿体無い。そこでそのキーに (音引き)を割り当て
その の右フリックに を割り当て
それによって、下段左手薬指 の上フリックに元来割り当てられていた が不要になるので、下段右手小指の同側親指シフト同時押しに元来割り当てられている を割り当て。
これで29キーのタップと上フリックですべてのかなと小文字、句読点、音引きの割り当てが完了。濁音、半濁音も左右フリックに割り当て完了。
10列を11列にして右端に1列足し、上から 削除 キー、 改行 キー、 地球儀 キーをそれぞれ割り当て
下段右手小指に 空白 キーを設定。タップで半角スペース、上フリックで全角スペース、長押しするとカーソル移動ができます
最下段(上から4段目)を丸ごと削除。に関して、もう親指シフトキーは不要だし、ライブ変換だから変換キーも不要。その他のキーも必要ない。キーボードの高さを狭くし、キーボードによって隠されるアプリ自体の画面を表示する領域を少しでも広く確保するため。これ革命的。
右手側の右フリックに各種記号を割り当て

(その下フリックに半角 [ を割り当て)
(その下フリックに半角 ] を割り当て)
(その下フリックに半角 ( を割り当て)
(その下フリックに半角 ) を割り当て)

(下段右手薬指。親指シフトではその右隣に が割り当てられているけれども、or2レイアウトにする際にそのキーには文字を割り当てられなくなりました。その代わりとして を薬指の右フリックに割り当てれば、小指方向にフリックすることになり、親指シフトの配置に近くなります)

だいたい以上です。



これはもはや「親指シフト」ではない。親指シフトキーは不要だから存在しない。同時押しからの脱却。
これぞ「shioシフト」。本当の意味で「親指シフト」からshioシフトへと進化しました。さらば親指シフト。めでたい。

親指は、ホームポジションを固定するために使います。 の手前、iPadのヘリに両手の親指を置くことによって、両手の位置を固定するのです。親指を押鍵、というかタップに用いる機会はありません。

shioシフトazooKey設定ファイル。どうぞお使いくださいませ。


当初、一つだけ問題がありました。肝心のCosenseで正常に作動しない。ひゃー。
しかし、azooKeyの「設定」を詳細に見ていくと、「入力中のテキストを保護(試験版)」という項目がある。説明には「入力中のテキストを保護し、Webアプリなどでの入力において挙動を安定させます。試験的機能のため、仕様の変更、不具合などが発生する可能性があります」とある。これだ!!

この項目をonにすると、Cosenseでちゃんと入力できるようになりました。ありがたい〜✨

これでshioシフト for iPad、完成です。めでたし💕

下フリックによる数字、半角記号などを含めた配列表を作成しました。


〈写真はRICOH GR IIIx