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複雑性科学

第 3 期システム理論とされる
小さなスケールで相互作用する多数の構成要素の集まりが、自己組織化して不思議な構造や振る舞いを大きなスケールで生み出すことがあることについて、その仕組みを研究する学問分野
複雑性科学は、自己組織化理論に加えて、内部観察者 (internal observer) とカオス理論が合流したところに生まれた一つの総合科学
カオス理論は複雑性科学の牽引役を担ったが、カオス理論と複雑性科学を同一視する捉え方は妥当ではない
カオス理論には 2 つあるが、複雑性科学の発展を促したものはヨーロッパ的なカオス観
アメリカ的なカオス観 (決定論的カオス) : カオスに隠された秩序 (hidden order) を求める
ヨーロッパ的なカオス観 : カオスから創発する秩序 (emerging order) に焦点をあてる
現在の複雑性科学の研究者たちは 「複雑 (complex) な対象と複合的 (complicated) な対象を混同してはならない」 と強調
組織化された複雑性の問題 : 完全に決定論的な対象を扱うのでもなく、逆に完全にランダムな対象を扱うのでもなく、要素が有機的に、相互に関係づけられた全体を扱うもの (Warren Weaver による定義)
複雑性科学は、この組織化された複雑性の問題を、コンピュータシミュレーションと認知科学の知見を取り入れることで解こうとしている理論体系
特に、認知科学やそれに関連する認識論の取り込みで、「観察者問題」 がシステム理論の重要なテーマとなってきたことは重要

参考文献