99%のためのフェミニズム宣言
シンジア アルッザ 著
マルクス主義フェミニズムの研究
最近はAmazon労働者のストライキを論じている
ティティ バタチャーリャ 著
パデュー大学
専門 社会的再生産論
ナンシー フレイザー 著
政治哲学者
90年代後半 再分配/承認論争で有名
>私たちはまだ連帯できる──ほんとうの敵は資本主義だ
> 1%の富裕層ではなく、「99%の私たち」のために、性差別・人種主義・環境破壊のない社会を。いまや世界中に拡がる女性たちの運動とも共鳴しながら、研究の第一線でも活躍するジェンダー学者たちが、性の抑圧をもたらす現代資本主義の終焉を呼びかける。分断を正確に認識することで、私たちはまだ連帯できる。
> 「99%のためのフェミニズムは反資本主義をうたう不断のFeminismである──平等を勝ち取らないかぎり同等では満足せず、公正を勝ち取らないかぎり空虚な法的権利には満足せず、個人の自由がすべての人々の自由と共にあることが確証されないかぎり、私たちは決して既存の民主主義には満足しない」(本文より)。
もくじ
マニフェスト──分岐点
1 新たなフェミニズムの波がストライキを再構成する
2 リベラル・フェミニズムは崩壊した
──私たちは前に進まなければならない
3 私たちには反資本主義のフェミニズムが必要だ
──99%のためのフェミニズム
4 私たちは社会全体の危機のさなかを生きている
──そしてその根源は資本主義にある
5 資本主義社会におけるジェンダー的抑圧は、
社会的再生産が利益目的の生産に従属していることに根ざしている
──私たちはその順番を正しくひっくり返したい
6 ジェンダーに基づく暴力には多くのかたちがあり、そのすべては資本主義と複雑に絡みあっている
──私たちはそれらすべてと闘うことを誓う
7 資本主義はセクシュアリティを規制しようとする
──私たちはそれを解放したい
8 資本主義は人種主義的・植民地主義的暴力から生まれた
──99%のためのフェミニズムは反人種主義かつ反帝国主義である
9 資本による地球の破壊から脱するために闘う
──99%のためのフェミニズムはエコ社会主義である
10 資本主義は本物の民主主義や平和と両立しない
──私たちの答えはフェミニスト的な国際主義である
11 99%のためのフェミニズムはすべてのラディカルな運動に反資本主義の反乱を呼びかける
あとがき
国際的ウィメンズ・ストライキへのよびかけ。その理屈の本
抵抗の2010年代
もううんざりという感覚
ネオリベは想像力を奪う
今以上のものはない
そしてぼろぼろになっていく
じゃあ何が良いと言うんだろう?
このような悪循環は資本主義によるものだと本書は敵を定義
本書はフェミニズム批判から始まる(フレイザー)
フェミニズムはネオリベラリズムに利用されたと批判
ネオリベはフェミニズムの要望を、違った形で実現
リーンイン・フェミニズム
女性の地位を上げることで差別解消
能力主義なので非エリートのマイノリティの差別は解消されない
フレイザーはリーンイン・フェミニズムを批判
シスターフッドは政治の中から生まれる
どういう意味?
>シスターフッドとは女性同士の連帯や絆を表している単語で、1960~1980年代のウーマンリブ運動(女性解放運動)の中でよく使われていた言葉のことです。
この本の主張
資本主義の危機
ケアとは生命や人間の活動
家事育児介護教育など
このあたりの切り分けがいまいちよくわからず、全体がなにがあってそのうちどこを差してるというマップを頭に描いているのかわからない
話が壮大過ぎて個別の活動がどうなるのかイメージが全く持てない
ネオリベはケア領域予算を減らしている
危機の認識が共有されない
1. 資本信奉論
世の中は上に任せておけば自然に良くなるという考え方
2. 右派ポピュリズム
悪くなったのはグローバル化だ
レイシズム
3. 進歩的ネオリベラリズム
批判が難しい
一見リベラルだが、実はネオリベラル
バイデン政権がわかりやすい
共闘した左派を排除
NATO復帰
トランプが壊した機能の修復
これがなんでネオリベラルなのかわからない
共和党 v.s. 民主党では救えない構造的問題がある
貧困・排除
〜では救えないのはどうして?
選択肢がないので若者中心にオキュパイ運動が起きた
とは何?
ウォール街優先だと現状肌はできない
見えなくしているのはカマラ・ハリス副大統領 のリーンイン・フェミニズム
マイノリティも頑張れば上に行けると思わせるのも進歩的ネオリベの重要な特徴
行けなかった状態よりはマシになっているというのは事実
ネオリベや資本主義は自然や生命を破壊すると主張する
資本主義は使えるだけ使おうとする
ケアは女性任せで、労働は軽視される
ケアは民営化し、利潤を絞ろうとして女性は最大化する
資本主義はジェンダー的な抑圧の源泉
ジェンダーに限定するのはなぜ?
1960sのマルクス主義フェミニズムで理論化
二元論 資本制と家父長制を別とみなし、一元論を批判
二元論はフェミニズムの独自性を強調するためのもの
日本で最も有名なフェミニストである
上野千鶴子が90年の「家父長制と資本制」は二元論の立場
二元論は性差別と資本主義の結びつきを軽く見るものであると著者のひとりアルッザは一元論者で二元論を批判
二元論は「家父長制のない資本主義もありうる」という見方ができる
これはリーンイン・フェミニズムの考え方
資本主義は、女性の社会的再生産労働と家族制度を、性別二元論や異性愛規範、ナショナリズムの維持のために利用していると分析
ここ結論だけ出てくると論理が飛躍していて納得はできない
その後、マイノリティの活動があった。これらの多数の運動を連携しようというのが99%
このあたりは抽象的で納得感が全然ない
何と比較してそうなのか、そしてそのエビデンスはなにか
そうだとしてどうするのか、これより明らかに優れたものがあるのか
例示もない
ボトムアップに話をすすめるほうが納得できそう
セクシャリティ
女性とセクシャルマイノリティは翻弄されている
伝統的な復古主義
女性手帳の配布
性のリベラル派
結婚も出産も自由だし、安全と思われているが
それは特権層
特権になるには頑張れ
頑張れないリスクは自己責任
婚活・妊活は普通になっている
ネオリベに反する国では
トランプのミソジニー
ロシアのLGBT弾圧
著者は助成と性的マイノリティの見せかけの対立だとする
この2つがどう対立してるの?
資本主義と人種差別、植民地主義
レイシズムは経済的根拠を持って生まれた
資本主義はレイシズムや植民地主義なしには生まれ得ない
フェミニズムの主流はこの構造を批判せず、人種差別に加担した
例:グローバル・ケア・チェイン
リーンイン・フェミニズムで女性が活躍
女性が家事ができないので貧困層や有色人種のメイドを雇う
メイドは自分たちの子供を親族にやってもらう
国際的にケアが移動している
マイノリティの女性にしわ寄せがいく
これは経済合理性に則った結果に過ぎないので、じゃあこれをなくした場合どうなるの?
これは主流なの?(BLMをそうまとめていいの?)
フェミニズムの主流は警察や私法に処罰を求めるのでコンフリクトする
著者はこのような「投獄フェミニズム」では解決できないという立場
フェミニズムと戦争
2001年の対テロ戦争はイスラムからの女性解放のレトリックで正当化
しかし犠牲になったのは女性と子供である
女性兵士をどう扱うかフェミニストでは議論があった
どういう議論?
女性の軍隊参加は進んだ
2015 米軍女性の戦闘任務解禁
軍隊や戦争の本質についての議論はなかたことになった。フェミニズムが戦争に利用されている
論理飛躍していてなぜそういう主張になるのかわからない。どのような議論がどう潰されたのか例がないので