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確定拠出年金は所得が高いほどNISAより税率が低い
こういう人はこの文章を読むのは時間の無駄。よむな。
事業主掛金のみの企業型DCの会社で、確定拠出年金の枠を使い切っている人

モチベーション
企業型DC/iDeCoかNISAかという議論はそんなに盛んではないように見える。YouTubeにある動画を見てみたが、明瞭に数値を示したものはなかった
「税額控除が大きいので、iDeCoからやった方が良い」というのが共通の見解のようだ。しかしどの程度効くのだろうか?
iDeCo受け取り(企業型DC受け取り)については複雑だし人によって変わってしまうので、YouTubeなどをみてもあまり詳細にされていない

結論:
最大税率が22.5%なので、所得があり、運用する額が多いほどDCが得になる
税率30%以上の人は明らかにDCの方が得
そこに至らない人でもDCの方が得なケースがある
所得がない人は所得控除がないので退職金があると損になる

仕組みの理解が難しい
所得によって嬉しさが変わるし、出口戦略含めて複雑なのである程度長い議論になる
個人が関わる金融の意思決定で難しい部類の論理の長さ
資産が数十億の人でもこの点を理解していないことがある
5:49
金融機関にリサーチで勤めている友人と飲み会で話した時にもあやふやな回答が返ってきたので、結論は覚えているだろうが、しっかり理解している人は少ないのだろう

仮定
寿命を無視する
企業型DCで所得控除すると標準報酬月額が現象し、年金も減少する
年金は長生きするほど得になる仕組み
一時金として受け取ると仮定した
一般に「得」とされている退職所得として退職金と合算して受け取る
本稿での「確定拠出年金」は「iDeCo + 企業型DC + 企業年金」の合算と考えて良い

iDeCoNISAのお得度を比較する時にはこう考えれば明瞭に計算できる
住民税の課税割合は所得によって変わらないので、超過累進課税である所得税だけが問題になる
ただし、以降の計算では両方含めてしまっている
NISAは所得税を取られてから運用することと等しい
確定拠出年金は最初に所得税を取られないかわりに(給与ではなく会社が出すため)、最終的な運用益に所得税をかけられる
このことが、損益の皮算用をたいへん複雑にしている
プロによる素人向け解説記事を見ても、ここは「よく考えて」とぼかされていることがほとんど。「課税所得があれば確定拠出年金から割り当てるべき」と表現しているのはレアケース。
では実際にどれだけ得をするのだろうか?数値的な議論は見つからなかった
「最終的な額面が大きくなる運用終盤に課税される方が所得税は大きくなるから損」と反射的に思うが、退職金の徴税は優遇されている
具体的には、最終的な額面xに対して (x-退職所得控除)/2 を所得として分離課税される
最終的な運用資産x円に対して ((x-退職所得控除)/2)*(←にかかる所得税率) が元の所得税よりも小さいなら得
極端に高くなったことを考えてみよう。Xが10億円の時、所得税率は明らかに上限の45%に近いから
\frac{(x-退職所得控除)}{2}(←にかかる所得税率)\approx \frac{1}{2}x(0.45)
なのだから、xに対する税率の上界は\frac{0.45}{2}=0.225
どんなに所得が増えても税率が23%程度しかいかないので、高所得者ほど得になる
運用益が大きいほど絶対的な利益は大きくなるので、支払う額面は高くなるが、最終的な損益は同じになる
X万円を原資とする
NISA運用の場合まず税率sが課税され(徴税額はXs円)、30年後立つとX(1-s)*1.05^30円になる
確定拠出年金のような仕組みではX万円を30年運用してX*1.05^30円にした後に税率sで課税されるX*1.05^30(1-s)円(徴税額はXs*1.05^30円)
Xs<Xs*1.05^30なので、後に徴税される方が徴税額は高い
一方である程度運用できる場合、損益分岐点がありそうだということが図から察することができる
知りたいことは、確定拠出年金の最後にどれだけの所得税がかかるかだ
(x-退職所得控除)/2 にかかる税率が、積立時点での所得税を超えるのなら、NISAの方が得だ
(「実際には人間の所得は最初低く後から高くなるので所得税率も変わるから」...などと考えるのはややこしい上に適切なシミュレーションもできないだろう。省略。)
計算を困難にする要素が多数ある
退職所得控除のは勤続年数によって異なるので人生により変わる
所得税率は年収によって変わる
年収は上がったり下がったりする(かなり不安定な要素)
不確定要素
将来的に税制が変わる可能性がある
数十年先の将来を見通せる人はいない


仮定
年率5%
運用期間30年
所得税の壁が2回ぐらいある
27000以上を積むとお得さが鈍りはじめ、40000円以降はさらにお得さが鈍る
(40000 * ((1 + (5 / 12 / 100)) ** (30 * 12) - 1)) / (5 / 12 / 100)3329万円ぐらいから、所得にすると(3329-1500)/2万円で、所得税+住民税33%の領域に達しているから、積立時の20%の時よりも損ということ
積立額を増やしても最終的に一定になる
年収600万円 社会保険料92万円も同様

年収400万円、社会保険料62万円の場合
年収300万円、社会保険料46万円の場合も同様
あまり積むと所得税分の目減りがある
支払い時の所得税10%を超えてる

(レアケースの確認)税額控除の恩恵が無意味な人(=基礎控除などで課税所得が0円になる人)の場合は退職所得控除の枠を超えると損になる

税額控除分がないので出発点でNISA同等となり運用益に最終的に課税される分損ということ
図:積立額を変えたときのDCとNISAの最終的な利益の差のプログラムで次のようにすればシミュレーションできる
annual_taxable_income = 0
diff
- nisa_investment_value = calculate_total_value(monthly_ideco_fee * (1 - get_japan_tax_rate(annual_taxable_income)), annual_growth_rate, years_of_service) + nisa_investment_value = calculate_total_value(monthly_ideco_fee, annual_growth_rate, years_of_service)

考察
最終的な運用益が大きくなればなるほど(数千万円に達するなら)確定拠出年金有利になっていく
退職金との兼ね合いを気にする必要はない
勤続年数が30年で退職金が1500万円あったとしてもやった方が得
年収が300万円なのに退職金が1500万円以上もあるような異常なケースを考えない限り、NISAの方が得になる可能性はない
確定拠出年金は所得が高いほどNISAより税率が低い#64f3b34a774b17000016e5a8の右肩下がりからスタートする感じ。ただし所得があがって給与受け取り時の税率が高まると右肩上がりになる

感想
退職所得控除の見直しで /2 がなくなったりすると税制面でNISAに劣る可能性が出てきてとても困る
未来のことはわからない
その時々で自分の運用額を計算して減らした方がいいか確認すると最適になれる
人生の選択においては微差な問題であるから、何も考えずに満額入れても良いだろう



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誤り。
取られる税額で計算していたが、運用益が大きいほど絶対的な利益は大きくなるので、支払う額面は高くなるが、最終的な損益は同じになるのでこの比較は誤りの判定が難しい
最終的に手元に残る額で議論するべき

年率成長:5%/6%
5%だと
26000以上を積むと所得税が上がりはじめ、40000円以降は積立の時より所得税が明らかに高そうなそうなことがわかる
(40000 * ((1 + (5 / 12 / 100)) ** (30 * 12) - 1)) / (5 / 12 / 100)3329万円ぐらいから
所得にすると(3329-1500)/2万円で、所得税+住民税33%の領域に達しているから、積立時の20%の時よりも損ということ
月4.6万円で損益分岐点計算なのにならないのはなぜ?
A. 損益分岐点の計算がそもそも間違えているから
左 5%、右 8%

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以下は計算ミスが発覚した

こんな勘違い考察をしていた
現実的な最大値を考えてみると、税率50%は可能性としてはありうる
30歳から30年運用で年利8%でも8000万円を超える。運用益が8000万円になった場合、所得税は実効税率で49%程度になってしまう
裕福な家庭の子が確定拠出年金の上限5.5万円/月を積立で20歳から65歳まで45年を年利5%で運用すると1.1億円となる
もしあなたが年収500万円ぐらいの会社員だとすると拠出する額の所得税は30%程度だろうから、こうなってしまってはNISAで運用する方がいいだろう。自分のNISA枠を使い果たしていても、家族に贈与してNISAで運用することも可能かもしれない
DCは資金拘束が60歳まであることを考えると人によっては損益分岐点は以下の計算よりも下がるだろう


手動で解くのが面倒なので入力した税率となる所得を返すプログラムを書いた(GPT-4と共同作業)
損益分岐点のサンプルケース
共通条件
確定拠出年金は5%で運用
退職所得控除が1500万円(勤続年数30年)
0円からスタート
知りたいこと
所得税率がn%になるときの最終的な運用額
そして最終的に運用額に到達するための月の積立金額
以下のシミュレーションは計算ミスをしているため結論がおかしい
最終的な額xに対して 課税所得【(x-1500)/2】x(課税所得の税率)/x がNISAの給与受け取り時の所得税率をどれぐらい超えるのかを計算しなければいけなかった
以下の計算では、 課税所得【(x-1500)/2】x(課税所得の税率)/課税所得 を計算してしまっている
課税所得<x なので過小評価している
税率41%(税率30%の人が企業型DCだけをやった場合の損益分岐点)となる所得3106万円
検算:(29.25+27+109.5+67.65+387+(3106-1800)*0.5)/3106
損益分岐点の運用額:(x-1500)/2>3106 \iff x=7712万円
月9.2万円を超えるとNISAより損
税率35.5%(税率30%の人がiDeCo(社会保険料11%分得)+企業型DCを同じ商品で運用した場合)となる所得 1928万円
損益分岐点の運用額:(x-1500)/2>1928 \iff x=5356万円
月6.4万円を超えるとNISAより損
確定拠出年金の上限は5.5万円なのでこんなに入れることはできないから安心
企業型DCの場合、iDeCoの控除に加えてさらに社会保険料が給与の16%ぐらい減額されるので、10%ぐらいその分損益分岐点が上昇する
10%の内訳
社会保険料が給与の16%ぐらい減額される(参考:会社が払う社会保険料は給与の17%ぐらい
社会保険料控除で税率30%の人は実質税率0.16*0.7%程度
ただし、将来的にその分年金が減るので得かどうかは寿命に依存する(そこの計算はしていない)
税率30%(税率30%の人が社会保険料を加味しない場合の損益分岐点)となる所得 1181万円
損益分岐点の運用額:(x-1500)/2>1181 \iff x=3862万円
計算は間違えている。最終的な額xに対して (x-1500)/2*税率 が3割である必要がある
3割になることはあり得ない。なぜなら所得x円の所得税の上限額は55%であり、一時金受け取りで半分になるので上限額が55/2=27.5%になるため
月4.6万円を超えるとNISAより損
x ((1 + (5 / 12 / 100))^{(30 \times 12)} - 1)) / (5 / 12 / 100)=38620000
\therefore x\sim 46404
この場合、NISA枠が余っている家族に贈与税の控除の範囲で渡したほうが得になるだろう
税率20% 529.5万円
損益分岐点の運用額:(x-1500)/2>529.5 \iff x=2559万円




積立額を5000円から550000円にかえたとき、(特定口座での税金-確定拠出年金の税金)変化をシミュレーションしてみよう
条件
年収500万円
社会保険料75万円
基礎控除48万円
運用期間30年
企業型DCの社会保険料の圧縮は無視