記号創発
個体による表現学習と、集団における記号創発
予測符号化によって表現学習というのが実現されている
互いの事後分布に対する予測符号化
社会全体における現実に対する等価計算
互いの内部表現を予測することによって、
自己の内部表現の確率分布の精度を高める
他者とクオリア構造を予測してわかりあうために、人間は言語を獲得した
>システムにおける創発とは、「システム構成要素間の局所的な相互作用を通じ、大域的な秩序がボトムアップ的に発現し、こうしてできる大域的な秩序が境界条件として要素間の局所的相互作用をトップダウン的に支配するという双方向の過程により、新しい機能、形質、行動などの獲得をもたらすこと」をいう。進化および適応は創発性を操作化した概念である。大域的な秩序は局所的相互作用の単純な線形和とならず、局所で観察されなかった新しい機能などが発現している。
創発システム合成では、構成要素の集まりとそれらの間の相互作用およびシステム特性が互いに影響を及ぼしつつ、動的に変化することを利用して、新しい機能を創発することが行われる。適切な評価規範を環境に持たせることにより、双方向のダイナミックスを好ましい方向に誘導できる。
上位
文化進化
系統発生 生来学習
個体発生 学習
下位
北村新三による創発システムの論文
低レベルのシステムのインタラクションが上位に秩序を形成し、
その秩序がシステム全体にトップダウンに制約を与える
環世界 認知的な閉じ
センサーモーダルで閉じている。
↑
創発とも言えるが、能動的推論による表現学習。
動物や生物も記号を用いる。
記号と言語はそんなに違わない。
これはAGIを作りたいとかではない。
記号創発のプロセスを構成論的アプローチで再構成することによって、
人間の認知や社会機能、社会の行う環境計算を明らかにしていく試み。
>ガーゲンは、「人々はお互いの言葉のやり取り(対話/ダイアログ)の中で『意味』を作っていくのであり、『意味』とは話し手と聞き手の相互作用の結果である」と結論づけた。そしてこれを、Words create world(言葉が世界を創る)と表現した。
>近年,アモーダルな記号系を一切用いない深層学習の成功により,
> アモーダルな記号系による現実的な意味での認知の表現の限界がその影という対照によりくっきりと表れている.
> 実世界の接地を捨てた,数理論理学,記号論理学の記号概念を継承したものであり,
> それに後付けで意味を付そうという記号接地問題の考え方は立て付けとしてナイーブだ.
> そもそも,人間にとっての記号系とは記号論理学におけるようなもの記号系ではなく,
> 社会において保持され変化を続ける社会的な存在である.
> 言わば,多くの人間,動的に,適応的にコミュニケーションするマルチエージェントシステムによって支えられた創発的実体である.記号系自体が人間のコミュニケーションを下層に持ち,
> そのシステムにおける下層のエージェント,つまり人間活動のダイナミクスの上で自己組織化した秩序なのである.
> そして,その存在は人間の意味解釈や活動を通して実世界と接続する.
> このような記号を支えるシステム全体を谷口は記号創発システムと呼んでいる[
種類の記号概念の違い
Semiosis: 記号過程 記号論(学)、信号や兆候、 言語獲得・理解、 日常の言葉、記号創発問題の対象にする記号概念
Taniguchi+ 2018 (e.g. 日常の言葉)
記号論理学 (述語論理) 物理記号仮説、 プログラミング言語、記号接地問題の対象にする記号概念
Harnad 1990 (e.g., 離散的トークン)
記号接地問題はその前提を古典的AIの記号観に置いており現在と なっては適切な問題提起ではない。 記号創発問題と言語理解 生成 が問題である [谷口 2020
> ChatGPTは「身体性が無いから,まだこれから」という見方が主流な気がするけど,彼(彼女?)にとっての「身体」はインターネットであり,彼の「脳」はTransformerとメモリ空間であり,感覚信号は人類からのテキスト情報であり,Actuatorはテキスト生成器(+display)である.と考えることもできる.
> そうすると,彼は独特の環世界をもった独自の身体-脳-環境のループを持った主体でもある気がしてきた.そう,彼にとっての「環境」は人類全体であって,「身体性に基づく環境との相互作用による知能」の定義によっては,彼の環世界における「身体性に基づく知能」が成立している可能性もあるかと.
> 記号は離散とか文法を持っているから重要なんじゃない。生成もできて、他者の観測にも出来るから重要なんですよね。そしてその表現によって外部化された記憶として時空を超える。さらにその解釈において恣意性があって自由度があるから社会のレベルでチューニングできる。それが記号創発の意味。
> ようやくただ言語をinternalizeすることの問題意識が乗り越えられて、記号現象の主問題にみんなが向かって行ってくれる気がする。記号創発の着想を得て、創発システムとしての言語について語りだしてから20年近く。構成論がようやく言語の創発的動態をrevealするぞ、。