> 私が考えるに,インターネット・ユーザに要求される唯一のルールは「インターネットに参加する」ことであり,そこに付随するコストとリスクと責任を(手の届く範囲で)引き受けることである。 インターネットは(コンビニとかでw)買うものではなく,作る(make)ものだ。
> 本来インターネットに接続するマシンは,網または網間を繋ぐ「ノード」として機能する。 しかしノードを構築・維持するには相応のコストがかかる。 回線だって安くないし,そもそもカセットテープやフロッピー・ディスクで運用しているマイコンやパソコンなんか全くお呼びではなかった。 でも,この「参入障壁」こそが初期インターネットを守っていたのである。
> これが崩れたのが1990年代のインターネット商用化で,多くのユーザは ISP にぶら下がる「奴隷端末」になることと引き換えに「インターネットに参加する」ことなくインターネットに接続してデータや情報を得ることが可能になった。
> この状況を更に後押しするのがクラウドと SNS を含む XaaS である。 ゼロ年代以降に台頭した各種 XaaS は「独占的なマスター・ノードとそれにぶら下がる数多の奴隷端末」という構造を強化したわけだ。
> 市場原理に基づいて駆動するインターネットは「情報力」を背景とした新たな階級を生み出し「支配なき統制」とも言うべき構造を構築した。 たとえば Bitcoin/Blockchain は最初こそ脱中央集権的な通貨システムとして期待されたが,結局は新たな階級社会を駆動するシステムとなった。
> 私を含む多くのユーザはクラウドや XaaS を通じてインターネットに「参加」しているつもりかも知れないが,本当はそれをただ「使用」しているに過ぎないかも知れない。 テレビ・リモコンの4色ボタンを押すだけではテレビというシステムに参加しているとは言わない。
> 「ネットワークのオペレーションに関わっていると、Jonのことを思い出します。インターネットアドレスやドメイン名の割り当てといった部分で、Jonは大きな役割を果たしていました。インターネットが24時間365日、休みなくきちんと動くためには、“運用”という要素が重要です。運用の技術と技術者があってこそのインターネット。それを、どれだけシンプルな技術で実現し、世界中の技術者が分担して受け持てるようにするかということについて、彼は常に気を配っていました」 https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1404/03/news033_2.html