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GPTsの開発プロセスは、SECIモデルと同じである

GPTsの開発と、GPTsの価値を考える上で悩んだことを考えていたら、SECIモデルの4つのプロセスと同じであると気づいたため、ここに考察する。


■ 1. 共同化
ここは、適切な場のもとで、相手への共感をもと(SECIモデルは、共感から始まる)に、暗黙知を共有し、知的に忖度なく意見交換をして(知的コンバット)、これしかないよね、とお互いの暗黙知を共有するフェーズ。

AIだと、人間がAIにこれってどういうこと?と数ターン対話することになる。
もちろん、AIが相手なので場はすでに整っているため、気になったことなどを全力でぶつけて、ブラッシュアップすることができる。

■ 2. 表出化
共同化を経て氷山の下にあったものを、氷山の上へあげるフェーズ。
一般的には、マニュアルを作ったりレシピを作ったりして、暗黙知を言語化するフェーズ。

AIを使えば、これを言語化してくださいと指示することもできるし、もし人間の方が詳しければ、そのまま暗黙知をマニュアルとして落とし込めばいい。裏技として、記事や書籍などの世に出回る一般知を使うこともできる。

■ 3. 連結化
2の表出化したものを組み合わせるフェーズ。たとえば、ベンチャーが大きくなってきたら、部署マニュアル、勤怠マニュアル、経費申請マニュアルなどを揃えて、組織運営を効率化することに似ている。言語化された形式知を組み合わせて、形式知の体系を作る。GPTsにおいては、Knowledgeファイルという形式知を与えたり、Webブラウジングさせて世に出回る形式知を集めたり、外部APIを叩かせて自社DBから形式知を集めたりする。また、適切に動作するように、Instructionsに文脈や役割、制約条件などの情報を与えプロンプトを細かく制御するのも、ここにあたる。こうしてGPTsが出来上がる。

■ 4. 内面化
3で作られた形式知の体系がセットされたGPTsを実際に使い、ノウハウ(=暗黙知)を各人がためる。マニュアルにはない現場からの新たな気づきを得られる。GPTsでいえば、3で作成したGPTsを実際の業務で使い、ノウハウや改善点などを集めて改善するプロセスがここにあたる。


こうしてSECIモデルが一回りする。すると、今度はあの業務もGPTsに落とし込んでみようとか、あのベテランのすごい人のやり方をなんとかGPTsに落とし込めないか?のような、もう一回、ベテランと膝を突き合わせて場を設定する1の共同化に戻る。

これを繰り返せば、知識創造が螺旋状に連なり、手元にはGPTs、つまり氷山の上に一生固定さて浮き出た体系された形式知が積み重なっていく。