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『豊饒の海』
三島由紀夫の大長編小説遺作
全四巻。日本語。

画像は著者生前から刊行されていた単行本版

>『豊饒の海』(ほうじょうのうみ)は、三島由紀夫の最後の長編小説『浜松中納言物語』を典拠とした夢と転生の物語で、『春の雪』『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』の全4巻から成る。最後に三島が目指した「世界解釈の小説」「究極の小説」である。最終巻の入稿日に三島は、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺した三島事件)。
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> 第一巻は貴族の世界を舞台にした恋愛、第二巻は右翼的青年の行動、第三巻は唯識論を突き詰めようとする初老の男性とタイ王室の官能的美女との係わり、第四巻は認識に憑かれた少年と老人の対立が描かれている。構成は、20歳で死ぬ若者が、次の巻の主人公に輪廻転生してゆくという流れとなり、仏教唯識思想、神道一霊四魂説、の「シテ」「ワキ」、春夏秋冬などの東洋の伝統を踏まえた作品世界となっている。また様々な「仄めかし」が散見され、読み方によって多様な解釈可能な、に満ちた作品でもある。
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>豊饒の海〉とは、月の海の一つである「Mare Foecunditatis」(ラテン語名)の和訳で、〈月修寺〉のモデルとなった寺院は奈良市の「圓照寺」である。なお、最終巻の末尾と、三島の初刊行小説「花ざかりの森」の終り方との類似性がよく指摘されている。

しゅき

各巻は独立した作品としても読める
輪廻転生を扱っている
唯識思想が反映されている
原稿用紙で約3500枚(平野啓一郎公式サイト

『豊饒の海』の各巻(好きな巻にアイコンをつけるなど)
第二巻『奔馬』

人物相関図

関連書籍、論文、文章、言及
井上隆史による研究



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