ぼくが生きてる、ふたつの世界
新宿ピカデリーで観た。あまりにも良かった。
コーダ あいのうたととても似ている(それはそう)が、もうちょっと渋いし、コーダの主人公をそんなにヒーローっぽく描かない感じがコーダ あいのうたよりもなんかよかった、ちゃんとクズというか、ひねくれまくって現実にありそうって思えるような成長を遂げているところなど、あいのうたよりは抑制されていて渋くて良い。
少年期、小学生ぐらいまでの美術?ファミコンとかゲームボーイはもちろんなんだけど、衣装とかが見事と思った。授業参観のお母さんたち、ああだよね、みたいな。花がらのワンピース着て参観行く母親、今もいるのかな。子どもの服とかもなんか、絶妙に当時の感じが出ている、と思わせられて説得力があった。でんでんが「あの野郎、俺がツモるところだったのに喰いタンなんかでアガリやがって」と叫びながら血まみれで帰宅するところ良かった。途中の、受験に落ちて「こんなとこに生まれてきたくなかったよ」って言うところと、最後の無音のところで、2回泣いた。
トータルで「なんか最高じゃん」。パンフレットが売り切れてたことだけが残念。
> 宮城県の小さな港町。耳のきこえない両親のもとで愛情を受けて育った五十嵐大にとって、幼い頃は母の“通訳”をすることもふつうの日常だった。しかし成長するとともに、周囲から特別視されることに戸惑いやいら立ちを感じるようになり、母の明るさすら疎ましくなっていく。複雑な心情を持て余したまま20歳になった大は逃げるように上京し、誰も自分の生い立ちを知らない大都会でアルバイト生活を始めるが……。
> 母役の忍足亜希子や父役の今井彰人をはじめ、ろう者の登場人物にはすべてろう者の俳優を起用。「正欲」の港岳彦が脚本を手がけた。