自然主義入門
著者: 植原 亮
目次
> 2 ハイトの道徳基盤理論──感情主義的な道徳生得説
第1章
第2章
生得説
道徳文法
第3章
第4章
それ以来、
スペクトラムの間での綱引き・線引きが論争になってる
嬰兒・幼児の生得説
「刺激の貧困」論法
要は経験しようがなかった
生得大学のアナロジー
科学諸科目の起源
疑問、(素朴)数学も生得的?
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5章で扱う
科学は帰納か?
もとからある本質。それによるグループ。
科学を自然種の探索として再定義する。
帰納が使える
科学の基
しかし障碍にもなる
e.g. 移行: 素朴生物学 → 科学的生物学
仮説: 認知機能は生得的なモジュールからなる
適応的な利点があっただろう
比喩: スイスアーミーナイフ、十徳ナイフ
現代生得説の自己理解の姿勢
強力
経験論は不利か?
第5章 経験主義のターン
適応の前提に疑義を差し挟む
環境は安定していたか?
e.g. 気候変動
e.g. 集団の大規模化
領域一般的な学習機構を進化させただろう
抽象概念
数学
論理
e.g. 真理、否定、同一性
vs 推論のスキルという見方
→少なくとも、経験主義の弱点とは言い切れない
汎用学習メカニズムの根拠
e.g. 深層学習
vs 言語生得説
「刺激の貧困」論法
↔ 4年は長すぎる
↔ 臨界期は言語に限られないのでは?
短期記憶の拡大にともなって、かえってルールの学習を阻害するため
言語人工物説
論者
マイケル・トマセロ
注意の操作、意図の共有
反論
第6章
調和の試み
圧勝はないので、中庸で行く
上の候補
比喩: オートモード、マニュアルモード(カメラ)
対応
モジュールなど
ただし経験もある
意識的注意
ワーキングメモリーの必要性
合理論的生得説の根拠によく合う
道具としての言語
会話ツール
思考ツール
思考ツールの進歩、発達
発語で自分に指令する
由来
言語的思考←公共言語
特徴2つ
明示化可能
言語による説明
普遍性
公共言語の公共性
正しい発達順序
公共言語→システム2→理性
例
マインドウェア
外付けデバイスも
協調して機能する
ステレルニーの異論「外部の足場で十分」
人間の独自性
e.g. 理論の専門家も外的足場を使う
科学的探求
システム2の負荷をオフロードできる
メタ思考のためのツールもある
サイボーグへの進化の一歩で十分だった
集団としては?
自己改造の共同事業
しかし集団的で大規模だ
→技術的共生体
第7章
ここまではヒトの記述的な話題
事実について
再確認
道徳
個人の発達
個人から社会、国家へ
e.g. 裁判、司法制度
非個人的なので
疎外とも言える
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思考ツール3種
日常表現
抽象概念
規則と原理
道徳は生物−文化的人工物
自然化された
規範について
いかに高めるか
脱バイアス
モード切り替え
心の理解
つまりシステム2の強化
コスト・ベネフィットは釣り合わない?
候補
批判
スポイルしてるのでは?
規範
問い
道徳の制御と改良
工学的問題の解とみなせる
規範性の自然化
工学
記述→規範
可能は規範の必要条件
アプリオリズムの否定の根拠
ここで再確認
道徳はア・プリオリなのか?
形而上学、あるいは神を根拠にするつもりか?
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事実にもとづく必要性は否定できない
この意味で自然主義
道徳的進歩
歴史的に進歩したのは事実?
論者
制度的な進歩を語る
外的足場の改良
集団的 or 個人的
構造物という観点
進歩の根拠は?基準はあるのか?
自己言及の問題がある
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余地
道徳にも外部はある
観点の例
整合性
正確性
一般性
効用
疑義2つ
感情?
外部でなく内部?
スティッチによる
そもそも道徳とは?
第8章
循環論法に注意
メタな問い
科学を含めた知識への疑義
2種類
ローカル
帰納への疑義、帰納懐疑論
グローバル
あらゆる知識への疑義。ヒトはなにも知り得ない
古典的な議論
→懐疑論がアプリオリズムを要請している
当然アンチ自然主義
応答
クワインの議論
そもそも外部になど出られない。疑問も生じない。(日常)科学の内部から来た疑問にほかならない。ひとえに成功による。
ノイラートの船から降りられない
自然化された認識論
ノイラートの船のコア
科学と哲学は連続したスペクトラムだ
歴史的継承性
自然化された認識論
認識論を科学的にやる
経験論が不可避なため
「なぜヒトは…」
帰納的推論が信頼できる条件を探っていく
課題
価値のズレ: 生物学的、科学的
グローバル懐疑論者からの再批判
前提: 水槽の脳では?
帰結: これに付き合う必要はあるのか?
ア・プリオリの再確認
定義の難しさ。概念の不明瞭さ。
論理の正しさとは?これに還元される。
経験的な根拠は?
そもそもないのでは?↓
徹底した経験主義
ア・プリオリな知識を否定する
主張: 知識の正しさはネットワーク全体としてチェックされる
例
量子力学
cf.
実在概念も怪しい
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相対論
時間的な前後関係、同時性が改められた
つまりア・プリオリに正しくは ない
やはりノイラートの船
水槽の脳への批判
グローバルな懐疑論の前提
様相的直観に依拠してる
その根拠は?
単なる物理や科学への無理解の可能性
e.g. 錬金術
e.g. 永久機関、スワンプマン、不可能現象(1気圧で沸騰する冷水)
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個人の感覚に依存
直観の多様性と擾乱
補記
知性改善
懐疑論の裏返し
工学的にアプローチできる
知識の価値とは?
第9章
自然主義それ自体について
疑問2点
哲学と科学の連続性?
哲学の意義?
世界は自然的世界である
自然とはなにか
物理的自然
アナロジー:
第一原因しか要らない。介在不要。
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因果的閉包性、因果的閉鎖性
根拠: 科学的知識との整合性
哲学の役割
科学の世界観を明示し、全体像を描く
科学には哲学は不可避な前提
つまり無用にならない
cf. クワインの哲学観
def. 科学の極端に理論的で抽象的な一分野。
単なる分野名
実践について
科学と哲学は、目的と方法を共有している
やはりスペクトラム
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哲学とは具体的には?
網目に位置づけられたら存在する
具体例様々
哲学は基礎づくりと方針の概略をしてる
主張: 定義とは理論構築の成果
cf. コーンブリス「知識の定義も理論構築すべき」
古典
e.g. 信念、欲求、素朴心理学
最近
自然種と言えないこと
グリフィス→生得性
マシェリ→概念
cf. 自由意志も消去したい
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理論構築
サブタスク
思考ツールの作成
論理地図の作成
概念の創造と改訂
理論評価
哲学の評価は経験から遠い基準になりがち
これらは科学もやる
やはり溝も分断もない
正当化
なぜ共有する?
目的→同じ物理世界の知識が目的だから
ア・ポステリオリな主張
反論
哲学をすべては自然化できない。
→この主張自体を自然化して研究する。
未来予想
例
グリーンによる
cf. システム1 vs システム2
二分法、二元論
哲学(する人間)とは何か
人間理解にも自然主義が最適だろう
文献案内
『理性の起源』
『…: ホモ・コンビナンスの心』
本編では触れられてない
『ファスト&スロー』
『モラル・トライブズ』
『啓蒙主義2.0』
Minds: Extended or Scaffolded?
『倫理学は科学になれるのか』
戸田山和久『知識の哲学』
プラグマティックな自然主義
セラーズの定義
あとがき
起源はアリストテレスにさかのぼる
原案は積み上げ式
道徳心理学を序盤に