第2話 学生全員がScrapboxを活用する成蹊大学塩澤ゼミに迫る
前回のあらすじ 情報がいろんなところに分散してゴチャゴチャに。
①リアルタイム複数人同時編集ができる
②内部リンク&ハッシュタグでドカドカ導線を作れる
③「投稿ボタンを押す」という概念がない!
「他のグループではどんなふうに使われているんだろう?」
気になったわかばちゃんは、Scrapboxを使いこなしているとウワサの成蹊大学 塩澤ゼミに突撃しに行くことに!
「スクスク」という呼び名には「Scrapbox School」によって学生たちの「書考力」がスクスク育ちますようにという想いが込められています。
へぇ〜!由来が面白い! 「Scrapbox School」、そして「スクスク育つ」のダブルミーニングなんですね
4つのゼミをひとつのScrapboxで管理!
私が担当しているゼミは以下の4つ。これら全部をひとつのScrapboxで管理しています。
shioゼミ
対象:2、3、4年生
各自選んだ最高裁判例を研究
各自その評釈を執筆し、学生相互にコメント、添削、校正などののち、
も添削、コメント
それを繰り返し、年度末に「
判例十選 」という冊子を作成
ドラゼミ
対象:2、3、4年生
drafting seminarの略(draftingとは(法律文書を)起案する(書きおろす)こと)
司法試験、司法試験予備試験の論述試験過去問の答案を論述し、学生相互にコメント、添削、校正、
も添削、コメント
それを繰り返し、最終的に過去問研究書を作成
1年ゼミ
対象:1年生
学生たちが選択した著作権法の判決文を分析しながら、判決文の読み方を習得
LE1
対象:1年生
「Legal Expert Course 1」の略。成績優秀者のみが履修可能。
主として司法試験など各種の法律系資格試験の受験志望者、ロースクール進学志望者、国家公務員試験受験志望者、そして純粋に法律に強い興味がある者などが履修
そのため、法律論述の基礎を、司法試験論述問題を使って丁寧に演習
4つのゼミが1つのプロジェクトで管理されているんだ!すごい!
でも…内容がごちゃまぜになったりしないんですか?
その心配はいりませんよ。各ゼミのページには、原則ハッシュタグをつけていますから、こんな風に分けられるんです。
なるほど〜!各ゼミのメインとなるページはホームに固定されているから、所属しているゼミの情報だけ見たいときにも迷わないですね!
各メンバーのページにもハッシュタグを書いてもらっているので、誰がどのゼミに入っているかも一目瞭然です。
学年横断的に、資料をみんなで共有!
すべての資料を1箇所で管理しているので、先輩たちの学習・研究の過程やレポートを書くために必要な資料も見れちゃうんですよ。
えっ!そんなの、見ちゃっていいんですか!?
ええ。たとえば、憲法ゼミのタグをたどればゼミで扱った資料や参考文献がどんどん出てきます。
わぁ〜! 大学生の立場としても、これはありがたいなぁ!
Scrapboxがあるから、議論が効率的
> すべてScrapboxを利用。起案、情報共有、議論、プレゼン、注釈、コメント、などなど。口頭での議論が進行する間もScrapbox上では複数のコメントが各々異なる論点に対して並行して書き込まれ、その論点について機が熟すと口頭の議論に移る。Scrapboxがあるから議論が効率的。
議論? なんだか難しそう。
「議論」とはいっても、堅苦しいものではなく、こんな感じでアイコンで会話したり…
「半学半教」の体現 ── 塩澤ゼミがScrapboxを使う目的とは?
私たちがScrapboxを使う基本的目的は次の通り!
ゼミは半学半教を実践する場
は、「
教えあい」と呼んでいます。ゼミは「教えあい」で成り立ちます。
教室は、相互に教えあう空間。
21世紀の今日、一方的な「講義」にはITを使えばいい。教室で行う必要はありません。
教室では「授業」をします。「授業」とは、教員が学生に対して「業」を「授ける」こと。
「業」を行うのは学生たちであり、教員
はコーチにすぎません。
の授業、そしてゼミでは、学生たちと教員が、口頭の他にScrapbox上でも相互にやりとりをし、シナジーが生まれています。
その結果、ゼミの時間中に私が言葉を発する時間は、極めて少ないんです。
えっ!? なんでですか!?
ほとんどずっと学生同士が自発的に議論しているからです。
は〜! 素晴らしいゼミですね!
私も、大学に戻ったらこの使い方を先輩たちに共有してみよっと!
次回予告
次回は、Scrapboxを使ってポートフォリオサイトを作っちゃうよ! マンガの続きはこちらから読めるよ。