極めてなにか生命に対する侮辱を感じます
ドワンゴの
川上量生氏が人工知能で作り上げた動きをプレゼンしていた
>基本は痛覚とかないし 頭が大事という概念がないんで 頭を足のように使って移動している
>この動きが気持ち悪いんで ゾンビゲームの動きに使えるんじゃないかっていう
それに対して
宮崎駿氏が「極めてなにか生命に対する
侮辱を感じます」と返した
「あのう、うーんとね」
「身体障害の友人を思い出す」
「僕は面白いと思って見ることができない」
「これを作る人たちは痛みとか何も考えないでやっているでしょう」
ドワンゴの社員清水亮氏が「人間が描くのと同じように絵を描く機械」と返した
これ見ててめっちゃシュン…てなっちゃった
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その動きに対して「
気持ち悪い」と発言したのに引っかかったのかな?
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これだけ見ると
言葉狩りにも感じるけれど、そういう人間だと見られたから言われたというような気もする
「身体障害の友人」を思い出させるレベルに達したのは成果といえるかも
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なぜか知らないが宮崎駿を打ち負かしたくなるこれはただの嗜好(有名人を負かしたい)なのでナシ
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あるいは議論でも喧嘩でもいいのでもっとヒートアップさせてもっと言語化を引き出したい
(真意は本人に聞かないとわからないですが)僕は「身体障がいを持っても
頑張って生きようとしている人に対する侮辱」と解釈しました
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生きようとしてもがくことこそ生命みたいなアレ
こういう「地面を這いつくばるような動き」は
もがきを連想するのに、それを無視して純粋な移動手段として使っているから許せない?という感じでしょうか
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宮崎駿がこれを見て身体障害者に繋げてきたことがよくわからないんですよね……
「純粋に痛覚をなくした人体型の生物」がAIで効率的な動き方を身につけていく、というデモなのに、なぜ身体障害者(の友人) → 生命、と結びつけているのか
思考回路というか過程が全くわからない(ので知りたい)
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動き(または這いつくばっている状況)が似ていたからでしょうかね…?
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それ以外には思いつかない
「頭も使えばこんな風に上手く動けるんです。痛覚をなくせば頭は使えます。話逸れるんですが、実は私達、身体障害者の人達も痛覚なくしてこの動き方真似すればいいと思ってるんですよ」とか言えばキレるのは理解できますが
映像を見て身体障害者を連想していたときに、面白がって「気持ち悪い」と言っていたのを聞いて不快に感じたのかなーと
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とあるので少なくとも他の人が面白がっているというのは感じていたのかな
なるほどです
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僕は宮崎駿という人間を理解できるいい情報源だなあと思った
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あとで書く
これを連想した
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これに対してニコニコのブロマガを使わないところを誰かに突っ込まれてた(ひろゆき?)
このマンガでたしか哺乳類や生物の前提(必ず当てはまる性質)について少し言及がある
宮崎駿もその辺で気持ち悪さを感じた?
人間というこの世(地球内の生物の範囲)のものをベースにしてるんなら、この世にありえないもんつくってんじゃねーよ、みたいな
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の解釈
前提
会議でのあるやり取りで漏れた言葉なので解釈が必要
解釈材料は足りないが宮崎はクリエイターとして作品を多数発表しているので解釈の手助けになる
宮崎が一流のクリエイターで
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がある程度彼の思想に触れていなければ
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もよくあるテクノロジー嫌悪の老人だと思って気にもとめなかっただろう
解釈には宮崎アニメの文脈が必要
あの場に
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がいたら川上の発表に「おもしれえ!」となった後に怒られてしょんぼりするものの、アニオタとして宮崎の態度に熱狂しそう
宮崎が強い不快感を表しているのは川上が「痛み」を感じていないことに対して
>これを作る人たちは痛みとか(そういうものについて)何も考えないでやってるでしょう
川上はゾンビに対して「気持ち悪い」と評している
ゾンビの動きの気持ち悪さはおそらく宮崎も感じている
宮崎は同時に痛みを感じている
ゾンビに対しても痛みを感じているだろう
そしてそれを作り出した川上自体は痛みを感じていないと宮崎は思っている
その痛みは宮崎の中で身体障害の友人という形で現れた
身体障害は痛みの例示であり、障害者に配慮せよとかそういうわけではない
友人に対して感じる痛みをゾンビに対しても感じた
「痛覚がないゾンビ」に対して「本当に痛覚がないのはあなたのほうでしょ」という返しになっていてなかなかよくできている
根拠は薄いが作成されたものの質の低さも「面白いと思って見ることができない」ことにつながっているかもしれない
川上はおそらく人工知能技術の将来のことも含めて「にんげんが想像できない気持ち悪い動きができる」と言っている
発表時点の成果物は十分想像可能の範囲ではないか
早い移動を学習させたにも関わらず、痛覚制限のある人間の方がおそらく速そう(に見える)
アニメーターは動物の体の使い方に対して非常に深い観察を行っている
馬の段階的な走法の違い
ここの観察の鋭さが「彼の筋肉がこわばってる手と僕の手でハイタッチするの」という友人の観察にも現れている
>人間というこの世(地球内の生物の範囲)のものをベースにしてるんなら、この世にありえないもんつくってんじゃねーよ、みたいな
この点でこれはミスリードに思える
宮崎は地球内の生物の範囲のものをベースにしたこの世にありえないものを作品内で多数生み出している
>この動きが気持ち悪いんで ゾンビゲームの動きに使えるんじゃないか
「にんげんが想像できない」ものが作れると言っているが、仮にそうだとしてもそれを使う側が人間の想像力を超えられないのではないか?
兵器として開発されたロボット兵や巨神兵は自然を愛したり真の調停者になった。これは人間の想像を超えている
宮崎がテクノロジーが痛みを獲得することこそが、愚かな人類が想像しえなかったことだと捉えていたら胸が熱い
テクノロジーは人間の想像を超えうるが使う側に大きく規定される
脱線: 人工知能は突き詰めても人間の想像の範囲を超えないんじゃないかという議論もあって興味深い
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思っているよりだいぶ深かったです
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駿は以下2つを抱いていると解釈しました(解釈に対する解釈ですが 苦笑)
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1: 深い観察など経験値から来る「これで本当ににんげんが想像できないレベルに行けんの?」猜疑心
2: テクノロジーの脅威を恐れている
後日談から
>人工知能というものを色々もてはやすと やっぱり馬鹿げたことが起こるんだなって
> その時に川上さんみたいにアナーキーな人は 歯止めを持ってないなと思ったですね
川上がテクノロジーに歯止めを効かせられないのではと危機感を持っている
> (やっぱり)ごく普通の地べたで暮らしている人間にとっては 不快なものは不快ですよ
ここアニオタにはめっちゃ熱い
宮崎アニメの文脈で人間は地から離れられない
テクノロジーと人間の関係でここが象徴的なライン
宮崎は単純なテクノフォビアではない
宮崎はむしろ重度の戦闘機マニアである
人を殺す兵器である戦闘機を常に頭の中でぐるぐる飛ばしているような人物
紅の豚はまさにザ・宮崎駿
しかし人類があるラインを超えたときにテクノロジーが人間を破滅させるものを繰り返し描いている
コナンのギガント、巨神兵、ラピュタ…
それが「痛み」なのだろう
テクノロジーを愛している宮崎がテクノロジーの歯止めが効かないことを恐れている
>あのウケ狙いが無かったら変なものだなってなるけど あの(クソ)真面目な顔した(その...)オヤジ顔がくっついてたんですよ(あそこに)
ここにもある通り、あの気持ち悪い動きを機械学習で作り出すこと自体に宮崎は反応しているわけではない
宮崎の視点では「ウケ狙い」があった
顔がくっついてたことを言っている
編集でカットされたが顔に関する下りがあったのか?
むしろ宮崎はテクノロジー自体を愛している
世界を破滅させた巨神兵はナウシカの元で真の調停者になった
「生命に対する侮辱」
なぜこの表現に至ったのか
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解釈では宮崎からみた川上とゾンビの関係は以下と同じではないか
インダストリアとギガント
ラピュタ人とロボット兵(飛行石・インドラの矢)
旧世界人類と巨神兵
タタラバと石火矢か?
(タタリ神を作り出す、シシ神の首を切断する)
なんか違うな
人と鉄か
石火矢は石火矢衆がもたらした
エボシはシシ神の首に興味がない
既存の人間社会からあぶれた人たちの居場所を作るには森が邪魔だった
石火矢衆こそがシシ神の首を求めた
石火矢衆がもたらしたテクノロジーはついに獣神の首を切断するが、それは世界の破滅(シシ神が森も人も関係なく命を吸い取り続ける)をもたらすところだった
アシタカとサンが首を返上し破滅は免れたが、その後命を吸い取りすぎたシシ神は命を放出して消失、森の神達は姿を消し、人間社会は人間が殺し合う戦国時代に突入する
永遠の命を求めた結果、たくさんの命が奪われる?
つまるところ人間とテクノロジー
テクノロジーは生命を奪うものであったり、あるいは生命そのもの(厳密には生命ではないが生命のような振る舞いをする)
世界を破滅させた人類もそれを再び利用しようとするレプカやムスカはまさしく「歯止め」が効いていない存在
痛みを持たないので生命を簡単に奪うし、自分たちの生み出した存在自体は無垢な機械達を生命を奪う道具にしてしまう
これが「生命に対する侮辱」?
被造物に対する痛みがない
痛みを持つナウシカと巨神兵、シータとロボット兵の関係性は全く違う
兵器そのものに対して痛みや愛を持っているが、川上はゾンビにそれを持っていない
宮崎からすると歯止めの効かない人類
エボシ御前は痛みを持っている
タタラバでは社会から見捨てられたハンセン病患者をエボシが保護し構成員としている
症状が大きいものは世話もしている
武士・農民の社会において社会から取りこぼされた人々
この点ではクシャナも痛みを持っている
ゾンビの動きは障害を喚起させる
ゾンビは人の姿をしているが痛覚を持たない
人の形を得るに至った動物としての体の使い方も知らない
いわばこれを生み出した造物主がゾンビに対して痛みを感じていない
いわばではなくクリエイターか
「人間が描くのと同じように絵を描く機械」を作ろうとして、それをジブリを初めクリエイターの世界に持ち込もうとしている
宮崎の中で、痛みを感じない人がテクノロジーを推し進めた先に待つのは破壊であり、彼らがクリエイターになることは決してない
なので「僕はこれを自分たちの仕事とつなげたいとは全然思いません」となるのは当然
そもそもつながらないと思っていると考える
宮崎自身の中でもはっきりとまとまっているわけではない
だからいまいち掴みきれない
「川上が何かを侮辱している」と宮崎は感じた
宮崎が抱いていたのは生命に対する痛み
あのプレゼンは自分たちの仕事を置き換えるかもしれない技術に関するもの
意図せずあのゾンビの先に自分たちの仕事があるというメッセージになった
これはクリエイターに対する侮辱と感じるかもしれない
痛みについてだったり取りこぼされた人々を描いている宮崎駿を置き換えるかもしれないものを作っている人が、目の前の痛みを取りこぼしてしまっている
その先に私達はいませんよと
余談 shi3z氏はこれがジブリとの初顔合わせの場だったらしく、大変な経験となったようだ
これは大変すぎる……
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駿がちゃんと言語化してくれたらいいけど、してくれなかったら詰んでしまう
言語化に対する期待が大きすぎるかもしれない
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言語化する際に切り捨てられるものはある
ある情報は言語化が困難だが、別のメディアならうまく伝わることがある
例えば、手続き記憶は言語化が困難である
例えば、言語それ自体が言語化が困難である
例えば、痛みは言語化ができるだろうか…わからん
言語によらない部分でそれらを受信するセンサーの精度を上げる必要もありそう
宮崎駿は作品を通じて彼の考え方について世に発表(表現)している人物
いわば豊富なドキュメントがあらかじめ用意されている状態
宮崎アニメを見よう(ニチャァ)
といいつつ
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も映像作品をうまく読めない
(shi3zさんらと比べるのもおこがましいですが)
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はここまでとても汲み取れない