> 『春と修羅』(はるとしゅら)は、宮沢賢治の制作した口語詩。また、同作品を収録した詩集のタイトルでもある。賢治の生前に唯一刊行された詩集として知られる。賢治はそれに続いて制作した作品にも同じタイトルを付けて詩集として続刊することを企図していた。(それぞれ『春と修羅 第二集』『春と修羅 第三集』)ここではそれらも含めて記載する。
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>わたくしといふ現象は
>仮定された有機交流電燈の
>ひとつの青い照明です
> 心象のはひいろはがねから
> あけびのつるはくもにからまり
> のばらのやぶや腐植の湿地
> いちめんのいちめんの諂曲模様
> (正午の管楽よりもしげく
> 琥珀のかけらがそそぐとき)
> いかりのにがさまた青さ
> 四月の気層のひかりの底を
> 唾し はぎしりゆききする
> おれはひとりの修羅なのだ