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再び写経を必要とするとき
あちこちで言及されてるのでもっとアクセスしやすいところに置いたnishio
エンジニアの知的生産術 p.28 第1章 新しいことを学ぶには
3節 情報収集の3つの方法 / 4項 片っ端から / 5目 再び写経を必要とするとき
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再び写経を必要とするとき
あなたの中の理解が進むにつれて、写経の必要性を感じにくくなります。
たとえばいくつものプログラミング言語を学んでいくと、新しいプログラミング言語を使うときに、写経しなくてもでも理解できるようになります。
てもでもになってる基素
ほんとだnishio
この状況になると、写経は自分にもう必要ないと感じるようになります。
写経なしでどんな言語でも習得できると感じるようになります。
写経はプログラマーとしてのキャリアの初期フェーズにだけ必要なもので、自分はもうそのフェーズを過ぎたのだから写経は必要ないと感じるようになります。
プログラミングの得意な読者の中には、今まさにそう感じている人もいることでしょう。
私もそう感じていた時期がありました。

しかし、それは勘違いです。
写経なしでどんな言語でも習得できるのではありません。
今までに学んだ言語と共通部分の多い言語が習得できるだけです。
あなたが写経の必要がないと感じるのは、あなたが新しい分野にチャレンジしていないからなのです。
あなたが苦労せずに使える「新しい言語」を学んでいるとき、それは大部分すでに学んだことで構成されており、あなたは新しい概念をほとんど学んでいません。
効率良くたくさん学んだつもりになって、実際はあまり新しいことを学んでいないのです。
これは良くない精神状態にはまっており、気付いて抜け出す必要があります。
>何かが分からないという感覚、一度分かるようになると分からなくなってしまうけど再び味わいたいと思うことがたまにある 2022/03/25#623d4c654bb2e200004eaef1

私がそれに気付いたのは、Alloyというプログラミング言語に出会ったときでした。
Alloyは、一般的なプログラミング言語のように命令を並べるものではありません。
プログラムの基本的な構成要素が「関係」であって、関係の演算をしたり、事実の宣言をしたりして、モデルを記述していく言語です 。
この言語を学ぼうとしたとき、私は本の説明を読むだけでは全然頭に入りませんでした。
プログラミング言語の習得力に自信を持っていた時期だったので、理解できないということに当惑を感じました。
>個人的にはVerilogAlloyが概念違いすぎてヤバかったnishio 2022/03/25#623d98c6aff09e0000e403b7
Alloyパラダイム違いすぎる基素
何かのきっかけで写経のことを思い出し、初心に戻って写経をして、ようやくわかるようになりました。
自分が写経のことを忘れていたことに気付き、なぜ忘れていたのか考えることで、自分が新しい分野に挑戦していなかったのだということに気付きました。
今では、写経しなければわからないぐらいの新しい分野に、定期的にチャレンジしていくことが大事だと考えています。

このへんの背景にはどういう価値観があるんだろうyosider
>これは良くない精神状態にはまっており、気付いて抜け出す必要があります。
これ=「写経なしでどんな言語でも習得できる, 自分はもう初期フェーズを過ぎたのだから写経は必要ない」などと思うことと読んだcFQ2f7LRuLYP
>今では、写経しなければわからないぐらいの新しい分野に、定期的にチャレンジしていくことが大事だと考えています。
エンジニアにとって世界が緩やかに縮まっていくのは良くないという価値観?
たしかに、それはありそうnishio
脳内イメージとしては成長の呪いにかかっていて、本人は強く「成長しなきゃ!」と思ってるけど、本当に成長につながるような学びの対象は時間がかかるし理解に苦しみを感じるので無意識に避けて「簡単に進捗する対象」を選んで虚栄の指標を積み上げることに一生懸命になってる人を想像してた
わ、わかるなぁ…yosider
行動し始める最初のステップとしてはありではあるが……takker
得体の知れない怪物に見えて手が全然動かない状態よりずっといい
「毎年1つ新しいプログラミング言語を学ぶとよい」って言い出したストイックにしちゃう人たちがいたnishio
元々の発想は「新しい言語を学ぶことによって新しいのものの見え方を獲得するのが有益」だった
しかしそこをスルーしてキャッチーな「毎年一つ」がフォーカスされた
その結果、ものの見え方が変わる必要のないような、表層的なところしか違いのないようなプログラミング言語をたくさん学んで数を誇るような人が発生してた