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修理する権利

Right to Repair(修理する権利)

── IF YOU CAN'T FIX IT, YOU DON'T OWN IT(修理できないのならば、所有していることにはならない)

定義
kentnkmrは、2022年時点においてはこれが一番妥当な定義、というか現状認識だと思っている。まだ論争中の概念で、実態はさだまっていない。なおこれはEUを対象にした記述であることに注意)
> 「修理する権利」という言葉は、EU の法令上明確に定義された用語ではない。一見、「消費者が、製造者等に対して、製品を(無 償で)修理することを要求できる権利」のような印象を与え得るが、実際の内容は異なり、ひとことでいえば、消費者保護および環 境保護の観点から、エンドユーザーが工業製品を修理しながらより長く使用できるような環境を整備することを目的とした諸々の 法規制を指す言葉であるということができる。(via https://www.nishimura.com/ja/newsletters/europe_210804.html)

kentnkmrが2019年にかいたブログを転載しました。よろしければ。
>先週(2019年当時)wiredでも記事が出ましたが、ついにアップルが(部分的にですが)折れました。最近よく耳にする「修理する権利」の話です。個人的に「修理する権利」に注目しはじめて約一年、その重要性への確信は日ごとに高まっています。今回はこの記念すべき(?)イベントを祝して、なぜいま「修理する権利」が重要なのかを考えてみたいと思います。(書き出し抜粋)

hr


いまkentnkmrが思い始めていること
そもそも「修理する権利」は日本人の国民性に合うのか?
とくに米国型の対企業エクストリーム消費者運動としての修理する権利はちょっと強すぎな気がする
なんか党派的な対立になっていて、双方(企業と消費者)が消耗しあって疲弊する未来が見える...
個人的にはEU型の修理する権利、すなわち企業と消費者がタッグを組める(メリットを共有できる)方向性の模索のほうがベター(日本にあってる)気がしている。
「もったいない」というような言葉もあるし、修理して使い続けるというのはそこまで国民性と相反するもののように思わないinajob

修理する権利の主張するのは、修理で壊れた時それもメーカーが保証せよ、ということなのかな?inajob
「修理できない製品を作るな、修理できないように情報を囲い込むのをやめろ」というのが米国型の修理する権利の主張ですね。「買ったのに自由に修理できない製品は、そもそも所有してることにならんじゃねーか(怒)」です。kentnkmr
これは「消費者」から「所有者」へ──なぜいま「修理する権利」が重要なのかで取り上げたAppleを筆頭に、エレクトロニクス製品では結構ある話になっている。さらにいうと米国でこの議論がホットなのは、ほかに「自動車」と「農業器具(トラクター)」です。両方とも車載コンピュータが載っていて、たとえば部品を交換したとしても、正規品かどうかをソフトウェア的にチェックして、シリアルが合わなければそもそも起動させない、みたいなことが行われて問題になってるという感じです。
ちなみにアメリカの農場主の一部は、自分のトラクターを分解してラップトップを直結し、ウクライナ製のハッキングツールでプロテクトを迂回する、というようなことをやり始めていて、なんかヤバいです。kentnkmr
作る側からしたら結構無茶な要求に聞こえる
修理に必要な情報は提供するし、極力修理しやすくするが、壊れたら保証できないよ、という程度のもの?
なるほど、保証の話は含まれてなさそうなので、それならそこまで無茶な主張じゃなさそうに思いました
🙌kentnkmr

同著者の記事
合法的にハックする方法を模索している
NDAがないと読めない仕様書は読まずに、外から振る舞いを観測してリバースエンジニアリングするなどして回避している
これ賢いですねkentnkmr

小型化、高集積化で実質分解できなくなっているものをどう扱うかとかが難しいところかな?inajob
ネジで止めるよりボンドで固める方が小型化できる
そもそもワンチップICに機能が盛り込まれまくっていて交換で修理とか無理
交換可能なようにソケットをつけたりすると嵩張るし作るためのコストも跳ね上がる
下にも書いたですが、欧州のアプローチが面白くて、彼らは「修理しやすい製品を作るインセンティブ」を、制度的に導入して企業の行動を誘導しようとしています。kentnkmr
欧州といっても一枚岩ではないですが、たとえばフランスでは「リペアラビリティ・スコア(修理可能性スコア)」を家電製品の一部のパッケージに表示することを2021年1月1日から義務付けました。これは要するに、「高いけど直しやすい製品」と「やすいけど直しにくい製品」を消費者が比較できるようにする、という、栄養表示とかに近い考え方のアプローチですね。kentnkmr

kentnkmr
なおオーストラリア(ようするに、米国でもEUでもない立場)の生産性委員会という政府委員会が出したレポートでは、「米国は競争政策(市場競争の健全化 / 寡占の阻止)の側面が強く、欧州は環境政策(修理しやすい製品づくりを企業に促すことによって、捨てなくても良い製品を増やし、環境負荷を下げる)の側面が強い」という整理がなされています。
kentnkmrの関心は、「じゃあ日本はどうする?」です。考え中です。

EUでは2022/03に提案が出され、2024/02/02に暫定合意された模様。EU加盟国は24ヶ月以内に国内法へ反映させる必要があるとのことHiro Aki
アメリカ、オレゴン州でも家電に関する修理について2024/03/11に可決
オレゴン州の法案には次のような内容が含まれている
>消費者や第三者の修理者が「公正かつ妥当な条件」で入手できる部品・工具・修理マニュアルを、家電メーカーが提供するという要件。
>企業がメーカー部品の「機能以外の代替品」となるサードパーティー製部品をブロックすることを禁止する要件。また、メーカーは消費者がサードパーティー製部品を取り付けた際に、性能を阻害したり「誤解を招く警告や通知」を送信したりしてはいけないという要件もあります。
>2027年7月1日以降、違反者には1日あたり最大1000ドル(約14万8000円)の罰金が科せられます。この法案は、2015年7月1日以降に製造された家庭用電子機器、または2021年7月1日以降に製造された携帯電話に適用されます。
類似する法案は他の州、ニューヨーク州、カリフォルニア州、マサチューセッツ州などでも可決されていて、今後も広がりそう
修理マニュアルを用意、というのがどこまでの範囲を指すのかが気になる
表面的な部品交換のマニュアル、基幹部品の交換だとして、ユニット単位の交換ならいいが、基幹部品の中身の修理までマニュアル化しろとなったら色々と問題になりそう