>旧暦7月7日に行われる乞巧奠は、蹴鞠(けまり)から始まり、雅楽の演奏、和歌に節をつけ歌う披講(ひこう)と続く。最後は「流れの座」といい、天の川に見立てた白い布をはさんで向かい合った男女が、恋の歌をとりかわす。小林一彦・京都産業大学教授(日本文学)によれば、「貴族たちにとって七夕は、恋人同士でともに過ごす特別な夜だった」。中国から伝わった七夕は、奈良時代から宮中で年中行事となった。芸事の上達を願う祭りでもある。