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クオリアさんの生物学的背景の考察

考察はネタバレではないので切り出しましたnishio

クオリアさんの生物学的背景の考察
考察nishio
クオリアさんはなんらかの形で「経験した情報を記録して次世代に受け継ぐことができる体の仕組み」を持っている
ホモサピエンスもわずかに持っているのだがそれがもっと大々的になったもの
>遺伝子の発現部位を調整するエピゲノムに後天的な修飾が起こることで生じると考えられています。そしてこの後天的に生じたエピゲノム変化の一部は世代を超えて伝搬しうる
>特定の条件下で、獲得形質はRNAを介して遺伝しうる
そういう仕組みがあるなら「新しい経験をして、それを部族に共有すること」が善になる
そういう個体ほど、経験と抱き合わせで自分の遺伝子を残しやすくなる
経験が共有されないと適応度が下がるmtane0412
経験の有無が適応度に影響する
仲間から経験を受信しつつ、他者に与えない、それを悟らせない権謀術数を繰り出せる個体が最強に見える
経験共有集団中に経験独占の変異が現れた場合、地球上の生物と同じく一挙に遺伝子頻度が入れ替わりそうにみえる
「他者からtakeしつつ、giveはしない、そしてそのことを悟らせない個体」(以下テイクオンリー個体)が発生したなら「最強」というのはわかるnishio
「テイクオンリー個体が必ず発生する」という根拠はないので「たまたま発生しなかった」ということかもしれない
もしくは、初期にそういう個体が現れたすったもんだあった結果、テイクオンリー個体を見分ける能力がとても強いのかもしれない
血縁度の高い個体にのみ経験を共有するように進化するようにみえる
しかし、クオリアさんがホモ・サピエンスの情報共有方法に全然ピンときていないのが不可解
血縁と経験共有を切り離して考えてるのがホモサピエンス的nishio
クオリアさん的には経験共有が繰り返されて種族全体に伝わったなら種族全体が血縁のようなもの
クオリアさんの行動的にクオリアさんの種が血縁度の非常に高い集団であるというのが自然な気がしますねmtane0412
そもそも個という概念があるのか
「個の概念はあるけど境界は曖昧」なのだと思うnishio
>>私たちの文明では、情報を共有することがとても重要視されています。そのため、「私の考え」はすぐに「私たちの考え」になってしまうのです。
>単数か複数か、というのは誤った二分法である。それはあなたの観測範囲による。指に着目して「5つ」と考えるのも、手に着目して「1つ」と考えるのも、同じ本質的な存在を異なる視点から解釈しているに過ぎない。
>適応度をある個体の子孫だけでなくその親族、あるいは同じ対立遺伝子を持つ可能性のある他個体にまで広げたものを包括適応度と言う。社会性行動の進化を扱うさいには包括適応度を用いなければならない。 https://ja.wikipedia.org/wiki/適応度
この辺の話ではなかろうか
https://ja.wikipedia.org/wiki/遺伝子の水平伝播 遺伝子の水平伝播的な方法で子孫に限らず社会全体に「同じ遺伝情報を持つ可能性のある他個体」が広がってると、社会全体での情報共有が包括適応度を高めることになるのでは
この状態に至るのが難しそうに見えるmtane0412
特に自然淘汰では。
「同じ遺伝情報を持つ可能性のある他個体」が預かり知らないところで広がっていても、個体はそれを検知できない
生物は血縁度を認知しているわけではない(クオリアさんは知能があるのでまた別かも)
そういう状況下で情報共有を激しくしまくる個体がいて、たまたま社会全体での情報共有が適応的なふるまいになっているというケース
このケースでも裏切り行動の変異に脆弱なので進化的タイムスケールでは進化しないように見える
うーん、どうだろう > 裏切り行動の変異に脆弱nishio
エージェント間での情報共有が強い場合、ある個体の裏切り行為は速やかに他の多くの個体に伝搬される
いいですね〜、情報共有のレベルがそもそも地球の生物と桁違いというのがありそうmtane0412
そうすると裏切りによる搾取が機能しなくなるし、大勢からの報復を受ける
なので「裏切り個体の有利さ」は情報共有によって下がっていく
これの「しかし互恵的コミュニティには弱点がある〜観察者の存在が互恵性の維持に重用である〜正義のゲーム理論的基礎」あたりの話
そういうボトルネック効果が生じるようなイベントがあった?
これが一番スッキリしそう
しかしやはり変異に弱い
情報共有が圧倒的に善みたいな状態に至らない
ん、水平伝播か!mtane0412
あるレトロウイルスによって異常なほど情報共有行動が引き起こされたグループが優占した
「同じ遺伝情報」というのがそもそも無条件の情報共有行動を引き起こすもの?
包括適応度は利他行動を説明するために導入された概念ですねmtane0412
遺伝子は利己的にふるまうのになぜか利他的な行動をとる種がいる
同じ遺伝情報を持つものに寄与するのならば利他行動は説明できる
であるならば、遺伝子の共有度=血縁度が重要
共有行動が適応的ということは血縁度が高いという部分は認識していますmtane0412
そのシナリオがわからない
>そういう個体ほど、経験と抱き合わせで自分の遺伝子を残しやすくなる
という状況下で
>経験共有が繰り返されて種族全体に伝わったなら種族全体が血縁のようなもの
に至るということが、そんな簡単に行くものなのかという感覚があります
mtane0412の生物の知識が足りない
どこかで平衡状態になりそうな条件に見える
性比あたりの現象からこういう感覚を得ている
裏切り行動をとるものが適応度最大化できるのでこれを阻止する機構が必要
それを阻止する機構が「情報共有」なのではnishio
そこまでしないと完全に遺伝子頻度を置き換える→情報共有絶対善のグループが優占する状況に至らないのでは
仮に至ったあとも突然変異によって裏切り行動をとる個体のほうが適応度が高くなるならやはりこの状態は崩れてしまう
変異が生じない複製機構だったりするのかもしれない
「裏切り行動をとる個体のほうが適応度が高くなるなら」の部分が仮定であって、つまり「何らかのメカニズム(情報共有など)によって裏切り個体の適応度が高くならないなら」という仮定なら結論も逆になる
しかしクオリアさんがホモ・サピエンスの情報共有方法に疑問を持っているのが興味深い
裏切り行動なんか存在し得ないという態度
対照的に霊長類の脳が規格外にデカいのは騙し合いがあるからという説
このロジックがクオリアさんにとって全く理解できないというのが面白い
根本的に何かが違う
複製の仕組みがなんか根本的に違いそう
サルの情報共有は「相手を騙せる」という前提
クオリアさんの環境では不可能?
嘘を見抜く能力がとても高いなら「相手を騙すことはできない」と考えてもおかしくないnishio
ちなみに「赤ん坊の手を捻るよりも、愚かなホモ・サピエンスにをついて騙す方が簡単だ。」って言ってた /qualia-san/嘘は高コスト
「騙せない」と思ってるのはあくまで同族と一部の賢いホモサピエンスだけであって、愚かなホモサピエンスは幼児だから簡単に騙せると思ってそう

一旦整理(という名のさらに取っ散らかし)mtane0412
クオリアさんは「経験した情報を記録して次世代に受け継ぐことができる体の仕組み」を持っている
文字取り読むと人間も持っているmtane0412
言語によって次世代に情報を継承できる
基盤は脳
なので、より完全な形で残せるという意味に見える
複製した段階で情報も複製されている
バイアスも引き継がれそう
可塑性が失われそうで良い面ばかりでないようにみえる
ここが情報共有が善につながりそう
「新しい経験をして、それを部族に共有すること」が善になる
経験(情報)の有無が生存と繁殖に強く影響する
人間も同じmtane0412
情報を巡る権謀術数によって霊長類の脳は巨大化していった
霊長類の脳はそうかもしれないがクオリアさんもそうとは限らないなnishio
たくさん情報を蓄え、相手のニーズに合わせて提供できる個体がモテるなら脳を大きくする淘汰圧にはなる
そのような性選択が有効になるのは、そのような特徴が実際に生存や繁殖につながるということですねmtane0412
オスのガゼルが肉食獣相手を挑発するようにわざとスピードを落としたりする
そのような余裕がある個体であるということをメスに対してセックスアピールしている
やはり「情報があるといい」のではなく、「情報がないと生存・繁殖が非常に不利」という環境がありそう
情報を次世代に受け継ぐ仕組みというのはDNAもそう
この場合、情報を共有するというのはバクテリアの遺伝子の水平伝播と似ている
この遺伝情報を交換する仕組みというのは有性生殖の起源として有力視されている
性欲レベルで情報共有しているのと何かつながりそう
有性生殖は有害変異を検知する仕組みにもなっている
そのセーフティ機構
妄想)「経験した情報を記録して次世代に受け継ぐことができる」のではなく「経験した情報が次世代に受け継がれてしまう」のだったら
強制的に引き継がれてしまう記憶が環境への適応に邪魔になってしまう
クオリアさんの母星が環境が激変し続けるようなケース
絶えず情報を交換して有害情報を検証しないと生存と繁殖にかかわる
ちょい強引だろうか

議論を踏まえて今の僕の想像nishio
クオリアさんの世界は環境がしばしば激変するので、変化の情報を素早く共有することが適応度を高めることに寄与する
ボトルネック効果によりしばしば均質性の高い群れができた、その中には「情報を共有することを快と感じる個体だけ」の群れもあった
このイベント考えるのすごい楽しそうmtane0412
そういう群れいくつも生まれて、「他者から情報を取るだけで、情報を与えることはしない個体」に群れが滅ぼされることも何度もあった
そのうち「情報を与えない個体を見分ける能力」の高い個体が生まれた、群れの中に1体いれば、それが「これは『与えない個体』だ!」とアラート情報を発生させるので、その群れは滅ぼされにくくなる
こうして「情報共有は快」「与えない個体を見分けられる」の両方を持った群れが存続し、どんどん大きくなっていった
この結果、クオリアさん文明は「情報を他者に与えない個体は悪」という価値観を持つようになった

関連しそうnishio
ホモサピエンスは情報共有手段が貧弱だから「やってる手順を見てそのまま真似をする」が有益だった
意図を言語化して伝えることができないから
もし行為の意図や結果を見ての反省を「そのまま」伝達する手段があったらどうか?
「行為をしてうまくいかなかった、だからやらなくなった」という時に、行為を見て模倣するスタイルだと情報伝達されない
ここがホモサピエンスの情報伝達の問題では
「この方法をやるとこういう時に、こういう悪い結果になった、だからもうやらない」という情報が伝達されれば、よくない概念も自然とアンインストールされる
論理削除みたいな感じ
完全に消すのではなく、不要とか有害とかのマークをつけて使わなくする
ネガティブな手順が伝達されないホモサピエンスにおいては、ポジティブな手順から勝手に逸脱されるとネガティブなことをして失敗しやすくなる
なので教わった手順通りにやる個体の適応度が高まる