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生きていること
from 2022/03
Being Alive: Essays on Movement, Knowledge and Description
生きていること ー 動く、知る、記述する

翻訳版が刊行されたのは2021年だけど、原著は2011年に発行された
そういう意味では ラインズ:線の文化史 (2007) の次に読むべきものと言えるのでは?
両方の序章を読むと、ほとんど同時期だったように見える



序文より
> いろいろな意味で、本書は二〇〇〇年に公刊された私の小論集『環境の知覚』の続編となっている。二十世紀最後の十年間に私が書いたものから選んだ小論を集めた『環境の知覚』と同じく、本書は二十一世紀の最初の十年間の小論を集めたものである。
> 生きることは線に沿うものあるいは散歩だという考え、運動の優位性、地面の性質となりたち、住まう地面と遠い惑星というこの大地に対する分裂した視点、大地と天空の交錯、風と気象の交錯、素材の流動性と摩擦、光や音、感触の経験、つくることの意味、線で描くこと、字を書くことと物語ること。
> 動くこと、知ること、そして記すことは直列につながれる別々の操作ではなくて、むしろおなじプロセスの並列した複数の側面であり、生そのものに他ならない、
動くこと、知ること、そして記すこと
Movement, Knowledge and Description
> 動くこと、知ること、記すことは世界の内に浸され、存在する以上のことを要求する。動くこと、知ること、記すことは観察することを要求するのである。
> 動き、知り、記す存在は注意深い目をもたなければならない。注意深い目をもつということは、世界に向かって生きていることを意味する。
> 本書は、生きていることについての研究を集めたものである。


目次
序文、および謝辞
プロローグ1 生に還る人類学
第一部 地面を切り拓く
2 素材対物質
3 地面の文化 足を通して知覚される世界
4 板を歩く 技術に熟練する過程を考える
5 動くものを再考すること、思考を再び動かすこと
6 点・線・対位法 環境から流動空間へ
7 アントがスパイダーと会うとき 節足動物のための社会理論
第三部 大地と天空
8 大地のかたち
9 大地、天空、風、そして気象
10 ランドスケープか気象世界か
11 サウンドスケープ概念に対する四つの反論
第四部 物語られた世界
12 空間に逆らって 場所、動き、知識
13 分類に逆らう物語 輸送・散歩・知識の統合
14 物語ることとしての名づけ アラスカのコユコン族が動物について話すこと
第五部 線描すること、つくること、書くこと
15 Aという文字の七つのヴァリエーション
16 精神の歩き方 読むこと、書くこと、描くこと
17 つくることのテクスティリティ
18 線を束ねる 行なうこと、観察すること、記述すること
エピローグ19 人類学エスノグラフィーではない

解題|生きている世界へのまなざし(野中哲士)
謝辞
索引/文献一覧