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シンギュラリティ・ソヴィエト
伴名練 作
早川書房・単行本『なめらかな世界と、その敵』収録 https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014286/
カモガワ文庫SF・同人誌『改変歴史SFアンソロジー』収録

概要
シンギュラリティ(技術特異点)に到達したソヴィエトが宇宙開発競争、そして冷戦に勝利した世界を描く歴史改変SF。

おすすめポイント
共産主義とAIの奇跡的調和、そして百合。
「人民はソヴィエトの所有物である」ことから、人民の脳の半分をAIの計算資源として共産党に提供する、というとんでもない状況が、見事にそれらしく語られているのがものすごく面白かったです。「党員現実」「書記長現実」といったパワーワードが、作中ではもはやパワーワードになりえないのです。
途中まではいつ百合になるのか心配でしたが、きっちり百合になったので安心でした。
百合だけでなく、シンギュラリティや機械と人間の関係性の考察など、SFとしても一線級の作品です。

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