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『CONFLICTED(コンフリクテッド) 衝突を成果に変える方法』
出版社 :光文社(2022/2/22) ISBN:433496253X
>英国タイムズ紙2021年ベスト哲学&アイデアブック16に選出!
>「論破」より大切なこと。
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>職場、家庭、SNS……人生や社会において不可避な「衝突/対立」状態を解消し、そこから大きく前進するための秘訣を明かす!
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>――46年連続黒字の航空会社は、社員間の軋轢を見逃さない
>――ネット上に(現実よりも)不毛な衝突が多いわけ
>――けんかするカップルのほうが問題解決能力が高い
>――哲学者ソクラテスと投資家バフェットの共通点とは?
>――「不快にさせたなら申し訳ない」という謝罪がダメな理由 etc…
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>CONFLICTED(コンフリクテッド)=衝突・対立・葛藤をかかえた緊張状態
>職場で、家庭で、SNSで、他人と意見がぶつかってしまったら、どういう態度で臨み、実際にどう対応すればいいのだろう? 相手を説き伏せれば最悪の結果を招きうるし、波風たてずにやりすごすのも得策ではない。むしろ、あえて逃げずに意見の対立に向き合うほうが、驚くほどの成果を生むことがあるのだ。
>敵意むきだしの犯罪者との対話、ライト兄弟の激しい口論、南ア・マンデラ大統領の政敵攻略術、パレスチナ問題とオスロ合意の内幕……数多くの面白い実例と研究をもとに、他人とのわだかまりを解消し、意見の対立から具体的な成果を生みだすための「コンフリクト・マネジメント」の原則・秘訣を明かす!
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>本書への賛辞
>◎私のお気に入りの作家だ。これぞ見事な議論。いま切実に必要とされている書
>――マルコム・グラッドウェル(『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ』『第1感』著者)
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>◎本書で自分と合わない考え方に出会い、落ち着かない気分になったときには思い出してほしい、それこそがまさに本書の意義なのだ。
>――デイビッド・エプスタイン(『RANGE』著者)
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>◎ためになる洞察とエピソード、そして実践しやすいアドバイスに満ちている。
>――マーガレット・ヘファーナン(TEDスピーカー、『見て見ぬふりをする社会』著者)
>
>◎仲良くやっていくなんて絶対に無理でしょと思ったときにもなんとかやっていくためのガイドブック。
>――パブリッシャーズ・ウィークリー誌
4/19収録予定

仲良くやるための方法ではない。

日本文化では徹底的にスルーされている技術(リテラシー)
心理的安全性ということの意味。

>“異なる意見への好奇心を閉ざせば、私たちの知性や人間性は低下し、やがては面白みのない人間になってしまうのだ”

目次
はじめに どうすればうまく対立できるか
第1部 なぜ新しい議論の方法が必要なのか

>人は対立が起きるたび、何が正しいかよりも、どうやって相手から離れるかを考える。
>お互いに歩み寄るのではなく、牙を剥き出してしまうのだ。
ミシェル・ド・モンテーニュ

意見の対立の難しさ
意見の異なる人どうしが生産的な議論をするのが難しくなっている
辛辣な態度をとるか、当たり障りのない中立的な立場に甘んじるかになる
知的な議論の原則
哲学者や思想家が磨き上げてきた技術
たしかに正しいが、実践は難しい
>私はそれ以来生産的な意見対立のやり方を、哲学としてではなく、訓練や技術が必要なものと考えるようになった。
人間は感情がある
議論に臨むとき、頭と心と度胸が発揮される
頭だけを考えていても足りない
逆に言えば、それらを視野に入れることで展望が開かれるのでは?
人間は生まれながらの議論家ではない
建設的に意見を戦わせるのは至難の業
人間の進化の過程で身につくものではない
普段から訓練も受けていない
>行き詰まりや険悪さではなく、前進や理解につながるような対立をする方法がわかれば、私たち一人ひとりにとって有益となるだろう。

インターネットは仲間意識の拡大だけでなく、不和と分裂も生み出し続けている。
ハイコンテキストとローコンテキスト
エドワード・T・ホール
ローコンテキストのカルチャーは醸成されているか?
社会の多様化
>意思決定の指針となる文脈が少なくなるにつれて、「全員が同意する」ケースは急速にその数を減らしていく。
私たちはバルカン星人ではない
動物は「戦うか、逃げるか」
インターネットはエコーチャンバー
かつて存在した社会規範「賛否の分かる問題を見知らぬ人と議論しない」

衝突する意見の価値
>意見の対立を暗に禁じる文化のもとでは、組織はつまらない社内抗争や判断ミス、権力の乱用に陥りやすくなる。
意見対立のコストは非対称的
対立を避けることは即座に利益をもたらすが、対立がもたらす利益はその場でわかるとはかぎらない。
>長い時間をかけて累積し、最終的な莫大なものになる傾向がある。
人の特性(ビッグファイブ)にも「協調性」がある。

細胞と毒素(あるいは免疫)、そして意見の衝突。

衝突の量と成功の逆U字曲線
衝突が多ければ多いほどよい、とは言えない。

敵意のない対立を表す言葉
ディベートでもないし、論争でもないし、弁証でもない。
議論をダンスと捉える(ジョージ・レイコフとマーク・ジョンソン『レトリックと人生』)
>議論は共同作業であり、目的はお互いが満足しつつ、優雅に論じ合うことだと。

第2章 衝突は私たちを近づける
夫婦もチームも活発に意見を戦わせることで幸福度が高くなる。
難しい会話を交わすカップルのコミュニケーションスタイル
直接的な協力
一緒に問題解決
間接的な協力
雰囲気を和らげる試み
直接的な対抗
けんか腰の口論
間接的な対抗
受動的攻撃
相手に罪悪感を抱かせるような行為
対抗と協力
直接と間接
組織化されていない二者間の相互作用(unstructured dyadic interaction) ウィリアム・イックス
人は相手の心を読むのがとても下手
友達ならば結構得意。
友人と知らない人とでは、お互いに関する新しい情報を処理する方法が異なる。
親しい人はメンタルモデルが構築され、効率的に会話が進む
一方で、その最適化は新しい情報を遮断する
"とことん話し合う"という解決策は、常にうまくいくとは限らない
>厄介な問題を解決するには、ある程度"ネガティブなことを率直に"伝えることも大切である。
人は会話の内容と、お互いの関係について表すシグナルに注意を向けている。
タスクの衝突と人間関係の衝突
第3章 衝突は私たちを賢くする
アテネにおける「議論」は説得術だった
ソクラテスの異端さ
>協働的な意見の対立においては、だれかが間違った側にいなければならない。

>しかし、私たちは"頭のなか"だけで考えているわけではない。お互いに向き合うことで思考している。私たちは個人に注目するあまり、他者と意見を戦わせることによって洞察やアイデア、適切な判断へと至る可能性を過小評価している。
集団思考の弊害
集団思考 by アーヴィング・ジャニス
悪魔の代理人(弁護人)
確証バイアスの進化における適応
ユーゴー・メルシエ、ダン・スペルベル
>いわく、理性という力が真実を見つけ出せないとしたら、それは真実の追究が本来の目的ではないからだ。理性は、人が議論するのを助けるために進化したのだ。
主知主義者(インテレクチュアリスト)と相互作用論者(インタラクショニスト)
>一方、相互作用論者の見解では、理性が進化したのは、個人が真実に到達するのを助けるためではなく、コミュニケーションと共同作業を促進するためだ。言い換えれば、理性を働かせるとは本質的に社会的な行為であり、議論の過程でほかの人々と実践して初めて、私たちは賢くなれる。ソクラテスはそのことに気づいていたのだ。
理性は、自分が信じたいことを確立するために使われることが多い。
おそらく自分で自分を説得するのだろう。
第4章 衝突は私たちを触発する
議論して聞く力
お互いの信頼
ブレストのルール
間違ってもいい、という文化の方が強い
心理的安全性
第2部 生産的な議論のための10の原則
第5章 原則1 つながりを築く
まず、相手の感情を認める
共通点を信頼関係の足がかりにする
第6章 原則2 感情の綱引きから手を放す
聞き返す
人間の心はアンビバレントである
「正したい反射」を抑える
>私たちは、間違っていると思う人と対峙すると、どうしてもその人の考えを正したくなる。
相手の信念を変えようとすると、強い反発を受ける
第7章 原則3 相手の"顔"を立てる
第8章 原則4 自分の"変わっている"ところに気づく
文化の異なりに注意を払う
WIREDな人々は世界の15%
Western,Educated,Industrialized,Rich,Democratic
第9章 原則5 好奇心を持つ
>頭のいい人は、たとえ自分の信念が間違っていたとしても、正しいと裏づける理由を探すのが得意だ。
学びたいという気持ち
第10章 原則6 間違いを利用する
第11章 原則7 台本なんていらない
ステートフルとステートレス
>同様に、人と人との会話を機械的でなく、より人間らしくするためには、事前に用意した台本では答えられないような質問をしなければならない。
第12章 原則8 制約を共有する
>CMVでは質問を投稿する際、意見をありのままに述べるだけでなく、なぜそのように考えるのかを要約しなければならない。それは論証するためでもあるが、ターンブルによるともっとも大事な情報は、いかにしてそうした考えを持つに至ったかだという。

>口調は内容よりも重要であり、言葉よりも複雑だ。
適切なルールの共有は活発な議論を生み出す
>ルールが重要なのは、人が許可されていることと禁止されていることについて教えてもらわなければならないからではない。守るべき枠組みのなかで、意見を表明するほうが、安心感が得られるからだ。
第13章 原則9 怒るときはわざと
怒りにも種類がある。
自分がどんな要素を怒りを感じるのかを把握しておくと対処しやすくなる
第14章 原則10(鉄則)本音で語る
第3部 同じ部屋にとどまるために