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『群論への第一歩』「第4章 巡回群」ノート
「巡回群」という概念に入る
rashitaまずここで「巡回群」とはなんだろうな、という予想みたいなものが生まれる
本をある程度読み進めると、そういう予測が起こるようになる
点では方向が見えないが、点が線になると、そこからさらに伸びる線もイメージされる、というような
「群」については前章で定義されたので、「巡回群」はそうした群のうちの特殊なものなのだろうな、と予想。
さらに何かが「巡回」している群なのだろうなと、(語感から)予想
そういう予想があった上で、読み進める

虚数単位iの話
iは冪乗していくと、i、-1、1、-i、を繰り返す
すでにここで巡回の感じがあるな、とわかるrashita
nが整数のときのi^n全体の集合をX_4とする
X_4 = \{i^n| n \in \mathbb{Z}\}
rashitaなぜ4なのかと疑問発生
実際に値を見て行くと
X_4 = \{1,i,-1,-i\}
となる。
要素が四つだけなので、たしかに4だ。
でもってここで『群論への第一歩』「第1章 集合」ノートで個数に疑問を持った部分が役立った。
重複する要素はカウントされない(区別がつかない)
だからくり返し同じ数字が出てきても関係がない
X_4のすべての元は、元iの冪乗で作られている
そんな感じで、たった一つの元から冪乗によってすべての元が作り出される群を巡回群と呼ぶ。

群の元の冪乗の定義
gを群(G,*)の元とし、nを整数としたとき、g^nを次のように定義します。
p.103(Scrapboxの数式表現では限界があったので、本文より引用)

巡回群の定義
>gを群Gの元とし、g^n全体からなる集合を \langle g \rangleと表記します。すなわち、
> \langle g \rangle = \{g^n| n \in \mathbb{Z}\}
>\langle g \rangleはGの部分集合であり、Gの部分群でもある
>特に
> G = \langle g \rangle
>となるgを持つ群を巡回群と呼ぶ

rashita理解が不十分という感じがするので、ゆっくり読んでいく
まず虚数単位の冪乗で、巡回群の一例を確認した。
それを一般化しようというのが次のステップ
次にgの冪乗が確認された
ある群の元gがあるとして、g^nを見ていく。
上の定義を再確認すること
nがいろいろ変わっていくので、g^nの個々の結果を集めたものは集合にになる
それが\langle g \rangle
今考えているのは、群Gから一つgを取り出し、そのgの冪乗を見ていくということをしていた
そのようにして作られた\langle g \rangleは、元のGの部分集合であり部分群でもある
で、もしその\langle g \rangleが、Gと同じだったら、つまり、Gの元がすべてg^nで作られている(と見なせる)なら、それが巡回群ということ。
そのとき、gは群Gの生成元であるという。
群Gが生成元を持つならば、Gは巡回群であると言う。
「ちょっと一言」より
>巡回群とは、任意の元がg^nという形で表せるような元gを持つ群

以降は巡回群の具体例が続く
X_4の場合
X_2の場合(1と-1)
-1を掛け続けると、1と-1が循環する
rashitaとなると、1を掛け続けても1が続くなと予想できる
X_1の場合
rashita予想通りの展開。こういうのがあるとちょっと嬉しい。
整数全体の集合に、加算を群演算とする群
1に+1が繰り返されることで、各元が生成される(ようするに整数ってそういうこと)
無限群であり、巡回群である。無限巡回群と呼ぶ
rashitaこの例から、必ずしも同じ値をぐるぐる回っている必要はないということがわかる
単に、漸化式的に個々の元が算出されていればよい

剰余(mod)
あまりのこと(プログラミングではあまり求める演算がこう呼ばれる)
1以上の整数nに対して、0以上、n未満の整数全体からなるZ_nを考えてみる
この集合Z_nに「たし算」に相当する二項演算を定義して群を作りたいが、普通のたし算の場合、2+3=5で、5はn=4を超えてしまう。
これはこの二項演算がZ_nで閉じていないことになり、閉じていないことは群ではないことを意味してしまう
そこで剰余が出てくる
なぜ剰余なのかと考えると混乱するrashita
「たし算」のようなものでありながら、必ず閉じた結果になる操作の一つとして選ばれている、と捉える
4で割ったあまりを求める操作は、4よりも大きい整数が出てくることがない
0より小さい整数が出てくることもない
範囲に収まる
4をnにしても同じ。
+_nという群演算が定義された
二つの数字を足してnで割ったあまりを求めるという操作
(Z_n,+_n)は巡回群になる

可換群の定義
(G,*)が次の交換律を満たすとき、Gを可換群といいます。
Gの任意の元、x,yに対して、
x*y = y *x
が成り立つ。
交換律は交換法則、交換則、可換律とも呼ばれる
可換群はアーベル群とも呼ばれる

Gが巡回群ならば、Gは可換群
わざわざ確認されるのは、群は一般的には交換律が成り立たないから

巡回群は本質的に二つしかない
位数がnの有限巡回群は、巡回群(Z_n,+_n)に同型
無限巡回群は、巡回群(\mathbb{Z},+)に同型

巡回群の部分群は巡回群になる