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9785_注文の多い料理店・序(3)日光
「白」の表情って、本当は豊かなのですね。雪の戦場ヶ原を歩きました。一面の雪景色を眺めながていると、いろいろな想いが浮かんでは消え、浮かんでは消え... 。走っているときには感じない日々の重さは、ゆっくり歩くことが許される休日には、ずしりと感じるものですね。

アインシュタインの「自然は単純だから美しい」は、共感する言葉です。自然から離れた生活をしていると、単純な生活から離れてしまい、体が重くなるようですね。今日はその重さを、ここに置いていこうと思って...( 2018.01.21
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>わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、
>きれいにすきとおった風をたべ、
>桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。

>またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、
>いちばんすばらしいびろうどや羅紗(らしゃ)や、
>宝石いりのきものに、かわっているのをたびたび見ました。
>わたくしは、そういうきれいなたべものやきものをすきです。
>これらのわたくしのおはなしは、
>みんな林や野はらや鉄道線路やらで、
>虹や月あかりからもらってきたのです。
>ほんとうに、かしわばやしの青い夕方を、ひとりで通りかかったり、
>十一月の山の風のなかに、ふるえながら立ったりしますと、
>もうどうしてもこんな気がしてしかたないのです。
>ほんとうにもう、
>どうしてもこんなことがあるようでしかたないということを、
>わたくしはそのとおり書いたまでです。
>ですから、これらのなかには、
>あなたのためになるところもあるでしょうし、
>ただそれっきりのところもあるでしょうが、
>わたくしには、そのみわけがよくつきません。
>なんのことだか、わけのわからないところもあるでしょうが、
>そんなところは、わたくしにもまた、わけがわからないのです。
>けれども、わたくしは、
>これらのちいさなものがたりの幾(いく)きれかが、
>おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、
>どんなにねがうかわかりません。

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