generated at
Notaのプロダクトビジョンと事業成長 2022

rakusai
洛西一周
CEO


Notaのビジョン

プロダクトラインアップ
Gyazo
Scrapbox
Helpfeel

Gyazo
スクリーンショット、動画、写真をキャプチャーして検索できる
85%のユーザーが海外
10年以上続いていて、億単位のサブスクリプション売上をもたらしている
昨年から「画像の瞬間発見」をコンセプトにしてまだまだ成長中
(少し前のデータです)

Scrapbox
チームや個人での、思考のための創作ツール
総ページ数は1,000万突破
これらがWiki的に構造化されているというのがすごい
さらにBtoBビジネスを展開しており顧客数も増え続けている
凄いbalar


Helpfeel
検索SaaSツール
特に、FAQ検索において、現在シェアを拡大中。カスタマーサポート、ウェブ接客(CX)などで効果を発揮
マニュアルや商品検索、メニュー(カテゴリ)検索などにも使えます
2年間でNotaの主軸事業に

3つの製品のつながりは?
Gyazo: 発掘
Scrapbox: 精製
Helpfeel: 発見
発掘 → 精製 → 発見

Helpfeel → Scrapbox クローリングしている。ScrapboxはHelpfeelに対してコンテンツ創作の場を提供
Scrapbox → Gyazo 画像/動画を埋め込みできる。GyazoはScrapboxに画像/動画のキャプチャを提供

検索と創造の会社」
ナレッジが生まれてから成長して誰かに出会うまで、一生を見守る
それぞれの切り口が異なるが「探す」「作る」という共通点がある
すべての製品がサブスクリプションビジネス

検索と創作」の切り離せない関係性
昨年のTech Confでは、Notaの製品の特長として「ユーザーに選択の過程を露出して担わせる」があるという話をしました
この象徴的な存在として、POBoxの発明過程において、検索システムを作っていたら、入力システムができたという話をしました
つまり、入力と検索は、相互に繋がっている
入力に興味を持つ人は、検索に興味を持つし、その反対も同じである
僕も紙copiというツールを作っていましたが、最初はメモをとるところから作り始めた。その後、取り出し方に興味を持つようになっていった

検索は面白い
ナレッジの検索、一足飛びに、これが正解といった真理を探求できない
「これが正解だ」という答えがない
答えは、コンテンツの中にあるはずだが、コンテンツが変われば答えが変わる
ゴールポストが毎回ずれる、のに結果を出すシステムが求められる

本文拡張」という新発想
というような体験が作れれば、機械と人間を繋ぐことができます
それが、これらの3つ。本文に少し手を加えることで、たくさんのものが適確に見つかる

怠惰が美徳?
多くのエンジニアは、サボるために面倒を厭わないことを美徳としている
コンテンツに索引をつける作業は、エンジニアとして負けだと思っている人が多い?
しかし、これでは、ゴールポストが動き続ける検索システムでは、なかなか相手にしずらい
データクレンジングなどで消耗することになる
発想を完全に逆転させます
「ゴール」に辿るためのインデックス作りをユーザーと協働してやればいいという発想になる
元々、増井は、索引作りが趣味ということで、こういうことが苦労とも思っていない!

で、それは楽しいこと
役にも立つ
また、Scrapboxの発想に慣れている我々は、「探されるために」何かを創作していくという思考が身についています
つながるためというのは「探されるため」と同じです
自分で探してもいいし、チームでもいい
これを顧客にも開放したのがHelpfeelであるということができます

最強の検索エンジンを作るには最高の構造化エディタ(思考のためのツール)がいる
ようやく最初に戻ってきました

SEOの死と、Notaの"First Party Data SEO"
さらに踏み込んで考えると、この「コンテンツを創作して、最適化して、ユーザーに選んでもらえるようにする」というプロセスは、SEOと似ています
SEOというのは、グーグルなどの検索エンジンで「検索される」ように、自社コンテンツを最適化していくことです
SEOの努力によって、コンテンツの検索性は高まった一方で、検索エンジンとコンテンツ制作者との間には利害の不一致があって、スパム化もすすんでいる
Third Party SEOの限界がある
一方First Partyでは探すと作るが同じ主体になる
ですから、いまこそ、検索、すなわち「見つけられるもの」を作る力をFirst Partyに取り戻しましょう

ヒット製品をたくさん出しているのはなぜか?

発明力 x 改善力

発明力: 着目している課題がユニーク
エンジニア中心で製品企画をしないと出てこない
というかエンジニア中心でも出てこない
しかし誰もが普遍的に不便だと思っている課題に挑戦する
これによって新規性があってかつマーケットの大きいブルーオーシャンを目指す
これまでも「世界初」の試みに挑戦し、そういった製品が成功している
Gyazo: スクショを即クラウドにあげるツールとして世界初
Scrapbox: 2 Hop Linkを持つナレッジツールとして世界初
Helpfeel: 意図予測検索が世界初

非常にスジのよい発明や着想があったとしてもなかなか使ってもらえない
UI改善には「ユーザーの壁」があって、これを超えれば、一気に、堤防から水が流れるように理解が進んでユーザーが使ってくれる
しかしその手前ならば、見向きもされない
すべては作り手次第
たとえば、スマートフォンのようなタッチ型のデバイス/OSはiPhone以前にたくさんあった
ビジョンへの入れ込みと狂気じみた突破力がいる
UIだけでなく、リリース後は、スケールのためのアーキテクチャの改善が必要になる
マーケットのサイズは、この作り込みで狭くもなるし広くもなる
Scrapboxの前身のGyazzも、もともとは研究室だけで使われていた
これを誰でも説明なしで使えるようにしたから普及した

営業力
さらに最近のNotaは上記のようなPMFできる開発力に加えて、営業力が加わっている
マーケティングチームとセールスチームが強力になった
これによって、Helpfeelのサブスク売上は1年で3倍になり、全社のサブスク売上も3年間で約7倍に

Notaのサブスクリプション年間経常収益(ARR)

売上をしっかり上げることが証明でき、攻めの経営ができるようになった
これまでも黒字化を達成して、健全な経営(スタートアップ業界では筋肉質な経営という)をしていた
これに加えて上場SaaS企業の公開している指標(Unit Economics等)や営業パイプライン指標(The Modelと基礎とした指標)を示すことで事業の安定した成長性を示すことができるようになった

Notaの働き方
自律
フルリモート(どこ) & フルフレックス(いつ)
どこにいても、いつでもコミットできます
場所と時間に縛られない

これを支えているのがScrapbox & Gyazo
レビューやマージはGithubによって分散化し、非同期化された
開発ワークフローは、ほとんどがリモートでできるようになった
テストして、レビューして、マージして、デプロイされるというような一方方向なプロセス

残っているのは、議論と意思決定です
「なぜ」に答えていかなければならない
「なぜ」に答えていくためには、「なぜ」を分解する必要がある
前提となる知識の説明がリンクされているといい
全員がこれをつないでいく作業をしていく
こびとさんこそ、残された聖域のCIです

エンジニアから見たNotaの面白さ
世界初の製品の開発に関われる
エンジニア中心の製品企画
グローバルなマーケットに向けての製品開発
心強いビジネスチーム
自社のツールで自分たちの働き方を作っていける