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LLMとPluralityの関係
2023-05-19
LLMとPluralityの関係
ここ1ヶ月(Plurality Tokyo真鶴2023-05-13)Plurality関連のことに注力してたのでLLMとPluralityの関係の話をします

Pluralityとは
台湾デジタル庁の大臣であるAudrey Tangらが提唱している概念
AIと政府が結びつくことにより、政府の力が強くなる懸念がある
AIを使って民衆の力を強くすることを考えなければバランスがとれない
この方向性のことを、AIによってもたらされるとされている「シンギュラリティ」の「Singular(単数)」の対義語「Plural(複数)」を使って「Plurality」と呼ぶ

Pluralityの技術的構成要素
いくつかあるのだが全部説明するのはLTでは無理なので一つだけ
>何百万人もの人々が仲間の意見の分布から抽出されたエッセンスを聞くことができる「ブロードリスニング」を可能にし、大規模で民主的な熟議を強化することができます。
例えばTwitter上で100人でまともな議論をする場合、あなたが1ツイート自分の意見を書いたなら、当然99ツイートを読むべき
これをやっているか?やってないよね
なぜやっていないか?生身の人間にとって負担が大きいから
ならばそこをデジタル技術で支援しよう!

具体的実装
部品としてよく使われているPolis
「似た意見の人」をクラスタリングすることによって「たくさんの人の意見を聞くこと」の負担を下げる
このPolisはLLMを使っていない
自然言語処理はこれから
今後LLMを活用して面白い発展がありそうな分野!

日本特有の事情
Erin Meyerの研究によれば日本の文化は「組織のボスがトップダウンで意思決定するより、みんなでコンセンサスを作る方がいい」
「自分が意思決定のプロセスに関与したい」と思っている人が多い
しかし自分の意見を言わない人が多い
自分の意見を言わないのに、自分の意見を汲み取って欲しいと思ってる
Why Japanese People! おかしいだろ!
この日本の文化的背景をケアするシステム設計が必要
各人の発言をまずLLMがヒアリングする
それを匿名化・要約して全員にフィードバックする
(時間があればこれを実際に作ってデモするところまでやりたかったんだけど間に合わなかった)