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リスクと脆弱性
反脆弱性勉強会
書籍反脆弱性が話題になった
「反脆弱性の定義は?」
議論の前提になる知識を整理する

リスクの大きさをどう定量化するか
\sqrt{\mathbb{E}[(X-\mu)^2]}
\sqrt{\sum (x - \mu)^2 P(X=x)}
変化しない ゼロ
1万が、0万か2万か
標準偏差 1万円
宝くじ
例: 1/2000万の確率で7億円
計算が面倒なので他の細々した賞は無視する
期待値35円
1/2000万の確率で7億-35円プラス、残りの確率で-265円
sqrt(2.45e9 + 70225)
標準偏差は5万円ぐらい
5万が0万か10万かになる賭けと同じ
一般的には期待値150円、標準偏差16万円くらいになるらしい
逆宝くじ
300円もらえるけど、1/2000万の確率で7億円取られる博打
これももちろんリスクの程度は同じ
\sqrt { \mathbb{E}[(X-\mu)^{2}]1_{\{X\leq\mu\}} }
\sqrt{\sum (X - \mu) ^2 1_{\{X\leq\mu\}}}
誤: \mathbb{E}_{\{X\leq\mu\}}[(X-\mu)^{2}]
勘違いしていた
一般に\muだけではなく、注目する点kを定めた時のダウンサイドリスクを議論したりする
宝くじのダウンサイドリスクは...
5万が0万か10万かになる賭けのダウンサイドリスクは...
逆宝くじのダウンサイドリスクは...
下に行くほど大きくなる

betaの概念
ある確率変数Xと確率変数Y
Y = \alpha + \beta X + \epsilon
この時
\beta = \frac{Cov(X, Y)}{Var(Y)}
ベースアセットXが株式だとする
借金して10倍の量の株式を買うとbetaは約10倍になる
いわゆる「レバレッジ
その計算で本当に良いのか?と疑問視されるようになった
高い運用成績を出していたが、それはレバレッジによるもの
このVarianceに関してもdownsideについて考えた方が良いのではないかという議論が行われるようになった
→downside betaの概念の登場

volatilityの概念
time horizonを固定した上での標準偏差
宝くじのリスクの話で「当選番号発表後」の標準偏差を考えた
文脈としてオプション価格の変動が想定されてることが多い
日々連続的に価格変動するので「一定の日数後の価格の分布」を考える
しばしば \sigmaと書く

vegaの概念
\frac{\partial V}{\partial \sigma}
オプション価格をvolatilityで微分したもの
例えば「1ヶ月後の価格が今の価格のプラマイ10%に収まっていれば1万円あげるけど、収まってなければ1万円取る」というオプション取引を考えた時に、ベースになるアセットのvolatilityが高いほどこのオプションの価格は下がる
→負のvega
ストックオプション
「将来X株得る権利」を今の現金給与100万円と交換するオプション
株が紙くずになると-100万円
X株の株価が200万になると+100万
volatilityが高いほど期待値も上がる(0以下にならないため)
ストックオプションの価値は高まる
→正のvega
サイボウズの持株会
現時点での現金X円と引き換えに現時点での2X円分の株を得るオプション
株価が変動しなければ+X円
株価が上がればまあ嬉しい
株価が半額以下に下がると損
現時点価格から0円になる確率を無視すると期待値は変わらない
オプション価格は?
volatilityが高いほどリスクプレミアム分だけ下がる
→負のvega

脆弱性(fragility)とは何か
left-side vegaである
つまり「リスク→ダウンサイドリスク」、「beta→downside beta」と同じ構図をvegaに対して使ったもの
逆宝くじの例
downsideでないリスクは「だいたい得をするがごく稀に大損が発生する」と「だいたい損をするがごく稀に大儲けする」を区別できなかった
同様にdownsideでないvegaはごく稀に発生する「volatilityがとても高い状態」(ベースアセットの暴騰・暴落 )をうまく扱えない?
left-sideとはX軸に対象の値をとって確率分布を描いた場合ダウンサイドが左であることを指す

robustとは
fragilityが少ないこと?
分布形状の安定性の話をしている

antifragilityとは
>Antifragility is not the simple opposite of fragility, as we saw in Table 1. Measuring antifragility, on the one hand, consists of the flipside of fragility on the right-hand side, but on the other hand requires a control on the robustness of the probability distribution on the left-hand side. From that aspect, unlike fragility, antifragility cannot be summarized in one single figure but necessitates at least two of them.
Fragility(downside vega)を右側に折り返したものと、Robustnessを組み合わせた概念