generated at
メモの詳細を忘れる恐怖
文脈から切り離された断片的メモだと、詳しい内容を忘れるのではないか、という不安を持つ人が多い。
そういう人が長文のメモを取ろうとする。


p.118
>点メモを、たんに一列縦隊の時系列でなく、バラバラに切断し、空間的に再配置して、意味のうえでわかりやすい図解にしてしまう。つまり構造化してしまう。こうすると、驚くなかれ、一週間どころか、一年間以上たっても、ありありと記憶がよみがえるのである。しかも、書かれていない関連した細部まである程度肉づけされて。

つまり、詳細を忘れる不安によって、時系列に従って一次元の文章でメモを取ってしまうより、一旦バラバラにして空間的に再構築した方が川喜田 二郎の主観的には記憶の想起が改善されたというわけ。
これはおそらくCraik&Tulving 1975の、認知的に高度なことをした方が記憶が定着する効果だろう。入ってきた情報をその場でなるべくたくさん書きとめようとする行為は認知的には高度ではない。それをバラバラにして構造化する作業は意味について考えるわけだから認知的に高度。