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気分一致効果
特定の気分が生じると、その気分の感情価(ポジティブ・ネガティブ)に一致する情報処理が促進される現象のこと
気分一致効果はポジティブな気分での効果は頑健だが、ネガティブな気分の効果は安定しないという非対称性が見られる

記憶における気分一致効果
記銘の段階: 気分(ポジティブ/ネガティブ)に対応した事柄に注意が向く(Bower, Gillgan& Monteiro, 1981)
実験設定
催眠によって実験参加者をポジティブ/ネガティブな気分に誘導した上で、幸運な人物と不幸な人物が登場する物語を読ませた
翌日、物語の内容を再生するよう求めた
結果
ポジティブな気分で物語を読んだ参加者は、幸運な人物のエピソードを多く再生
ネガティブな気分で物語を読んだ参加者は、不幸な人物のエピソードを多く再生
全体の再生量はどちらの気分の場合でも違いがなかった
想起の段階
その状態で子供の頃の記憶を想起させたところ、導入された気分と一致したエピソードを再生しやすい(Bower, 1981)

気分一致効果は社会判断においても生じる
ポジティブな気分の人は、人や事物に対し肯定的な判断をするのに対し、ネガティブな気分の人は否定的な判断をする傾向がある
映画を見終わったばかりの人に政治に関する判断や将来への期待を答えてもらったところ、楽しい気分を喚起する映画を見た人は、攻撃的な映画や悲しい映画を見た人に比べ、よりポジティブで寛容で、楽観的な判断をしやすかった(Forgas & Moylan, 1987)