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ドーパミン

またドーパミンは、ノルアドレナリンアドレナリンと共にカテコール基をもつためカテコールアミンとも総称される。医学・医療分野では日本語表記をドパミンとしている。
統合失調症陽性症状幻覚妄想など)は基底核中脳辺縁系ニューロンのドーパミン過剰によって生じるという仮説がある。
この仮説に基づき薬物療法で一定の成果を収めてきているが、一方で陰性症状には効果が無く、根本的病因としては仮説の域を出ていない。
覚醒剤ドーパミン作動性に作用するため、中毒症状は統合失調症に類似する。強迫性障害トゥレット障害注意欠陥多動性障害 (ADHD) においてもドーパミン機能の異常が示唆されている。
一方、パーキンソン病では黒質線条体ドーパミン神経が減少し筋固縮振戦無動などの運動症状が起こる。また抗精神病薬などドーパミン遮断薬の副作用としてパーキンソン症候群が起こることがある。
中脳皮質系ドーパミン神経は、とくに前頭葉に分布するものが報酬系などに関与し、意欲動機学習などに重要な役割を担っていると言われている。新しい知識が長期記憶として貯蔵される際、ドーパミンなどの脳内化学物質が必要になる。陰性症状の強い統合失調症患者や、一部のうつ病では前頭葉を中心としてドーパミンD1の機能が低下しているという仮説がある。
下垂体漏斗系においてドーパミンプロラクチンなどの分泌抑制因子として働く。そのためドーパミン作動薬高プロラクチン血症の治療薬として使用され、逆にドーパミン遮断薬抗精神病薬など)は副作用として高プロラクチン血症を誘発する。
ドーパミン部分作動薬アリピプラゾールエビリファイ)は低プロラクチン血症を誘発することが分かっており、高プロラクチン血症の治療効果もある。その副作用として異常性欲や性的倒錯があり、アメリカ食品医薬品局(FDA)は添付文書で黒枠の警告をしている。