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多対一還元
Many-one reduction
Karp還元とも言う
チューリング還元よりも、強い主張
厳しい、範囲が狭い主張mrsekut
Emil Leon Postが1944年に導入


定義
自然数の集合\alpha,\betaに対して以下の条件が成り立つとき\alpha\le_m\betaと書く
計算可能1変数全域関数fが存在して、任意の自然数xに対して以下が成り立つ
x\in\alpha \iff f(x)\in\beta
このfのことを帰着関数と言う
fは逆写像も、単射、全射であるかどうかも定義されていないことに注意mrsekut
なので下図のようになることもありうる
\alpha\equiv_m\betaのことを多対一同値と言う


\alpha\le_m\betaの「\betaの方が優位」なことのイメージ
上の定義より、x\in\alpha\iff f(x)\in\betaなので、
\betaの内容が全て明らかな場合は、
fを使うことで\alphaを復元できる
e.g. 「10」は\alphaに入っていますか?のような問題にyes/noで答えられる
仮に、f(x)=x*0のような帰着関数の場合は、自明に、\alphaのほうが単純であることがわかる
逆は成り立たない
x\in\alphaに対して、f(x)を集めたものが\betaとイコールになるとは限らない


定理
\alpha\le_m\betaならば\alpha\le_T\betaである
従って、\alpha\equiv_m\betaならば\alpha\equiv_T\betaである
\alpha\equiv_T\betaかつ \alpha\not \equiv_m\betaであるような\alpha,\betaが存在する
e.g. \alpha=\mathrm{HaltPair}, \beta=\overline{\mathrm{HaltPair}}
補足
\equiv_m多対一同値
チューリング次数多対一次数のきめ細やさのイメージ
下図はイメージであって厳密な何かではないmrsekut
同じ集合をチューリング同値同士と多対一同値同士で分けたとき、後者の方が細かく分類される


定理
\beta\Sigma_n集合で\alpha\le_m\betaならば、\alpha\Sigma_n集合である
従って、\beta\Sigma_n集合で\alpha\equiv_m\betaならば、\alpha\Sigma_n集合である
\le_mよりも\equiv_mの方が厳しいので、前者で成り立つなら後者でも成り立つmrsekut
\Sigma_n\Pi_nに換えても成り立つmrsekut
多対一同値算術的階層の各領域に閉じている
一方でチューリング同値は閉じているとは限らない
e.g. haltPairは②に属し、その補集合は③に属し、これらはチューリング同値
同じ色のはそれぞれの同値
これはあくまでもイメージ図mrsekut
じゃあ\equiv_mの方で、同じ領域内は全て多対一同値か?
答えは No



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参考