>法人税率引き下げ競争は、米国Ronald Reagan、英国サッチャー両首脳の法人税率引き下げに始まり、東西冷戦が終結した90年代に欧州諸国で激化した。ポーランドやハンガリーなど旧東欧諸国が、法人税率を引き下げて国境の開放されたドイツやフランスから企業を自国に呼び込み、雇用の拡大や経済の活性化をはかった。これに対抗してドイツ、フランス、英国などが、国内企業の移転を引き留めるため自国法人税率を引き下げた。すると旧東欧圏はさらに法人税率を引き下げた。このような動きが全世界に広がり、結果として先進諸国や新興国の多くは税収を失う結果となった。これが、「Race to the bottom」と呼ばれた「法人税率の引き下げ競争」である。