正解するカド
感想
注意:ネタバレがあります
見たきっかけ:脚本の
野崎まどは天才と誰かが言っていたのを聞いて興味を持っていた。
配信されていたのをたまたまみかけて視聴。2話まで見て面白そうだったので視聴を継続した
シン・ゴジラで名も無き化学メーカーや映像に写っていない人間たちが、自分の仕事を適切にこなすことによって全体として大きな問題に立ち向かう、というシーンが
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とても好き。それを思い出した。
1-2話は主人公(?)の外務省官僚の手腕と、交渉するとはどういうものかを説明する
一時的で一方的な得ではなく長期的なWin-Winにすることで結果的に利益を生み出すためにあらゆる手段を尽くして交渉するという姿勢が描かれる
1話の後半と2話の前半が5分ぐらいかぶっていて飛ばした。どういう都合だろうか?
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4話ぐらいから、「無尽蔵のエネルギー」を与えられたら人間社会はどうなるか?という思考実験になっていく
最終話までにこのテーマは薄れていく
最終話のヤハクニ・ザシュシニナの悲喜入り混じった表情がツボ
最終話まで見た疑問
完全に情報が同じ個体が同じでなくなる特異点は、なぜ人類固有のものなの?
これは、そういうものだということにしてしまってもいいかもしれないが
それでも、同じなのに同じじゃないとはどういうことだろう?
複製した真道を連れて行くのは意味がないとして、オリジナルを無理やり連れて行くのではだめなのか?
最終話で多くの人が変換器の中に入っているように、このままつれていくのではだめなんだっけ?
最後、真道が死ぬ前に助けにこれなかったのはなぜ?
16年後もiPhoneのフォームファクタがあんまりかわっていない…?
人と異方生命の子どもはなぜ異方より高次元の存在になれる?
このあたりの説明が丁寧に描かれていればオチも納得しやすかった
しかし、物語上のギミックが損なわれてしまうので本作のような形になったのだろう
小説版とかで補ってほしい
最後のスーツはなぜヤハクニ・ザシュニナに止められた?
作中で説明があったが理解できなった。整理して考えれば納得できる可能性がある
娘が会話していた「あちら」にはいったい何がある?
折り鶴は?
16年分時間の針が進んでいた場所はどこ?
16年も友人を信じ続けて子育てをした育ての親、菩薩だ
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ヤハクニ・ザシュニナは最後満足したようだが消えてしまうのが切ない
死んだわけではなく、消えてもどこかでよろしくやっているのだろうか?
殺してしまっては、命をかけた真道の解答らしくない
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最終話までみた全体の雑感(自分の好みの話)
正解は語られた。そこに行き着いた道筋が語られていない
「正解」までのプロセスがもっと見たかった
完全に推測だが、おそらく製作者の打ち合わせでは筋が通っているはず
丁寧に正解を描けば「正解」だと納得できたのでは?
よくわからないので、行間を好意的に読みながらみた
補完する同人誌は描けそう
真道が異方に行かなかった理由があまり納得できない
なぜそう思うに至ったのかが描かれていない
最終的に恋愛要素がキーになっていたが、もう少しどのように惹かれあったのか描いてほしかった
辻褄はあっているのでそこに文句はない
人間世界の進歩の描写がほぼ語られないのが残念
まあ、時間がいくらあっても足りないだろう
リソースの限られているTVシリーズで制作上重要なのは、何を語って何を語らないのかということを考えると超重要なテーマではなかったとして、重要なテーマはなんだったのか