>ニーチェの有名な言葉に、「死に至らぬ経験は、私を強くする」というものがある。これは耐毒化やホルミシスのような意味と勘違いされがちだ。このふたつを表わしていることも十分に考えられるが、「死に至らなかった経験が私を強くしたのではなく、私が他人よりも強いからこそ死なずにすんだのだ。しかし、ほかの人たちが死んだので、弱者はいなくなり、平均的に見れば集団は前よりも強くなっている」という意味にも取れる。つまり、卒業試験に合格したというわけだ。
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> ナシーム・ニコラス・タレブ. 反脆弱性[上]不確実な世界を生き延びる唯一の考え方 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1716-1720). Kindle 版.