差別はたいてい悪意のない人がする: 見えない排除に気づくための10章
> 解説 韓国における差別禁止の制度化とそのダイナミズム(金美珍)
本書の内容も基本的に韓国文化が背景にある
差別をした側は、差別をしたことに気づかない、差別をしたとは思っていない
差別をされた側は、些細な表現や違いに敏感になる
基本的に、差別をされた側が声を上げる
差別をした側が、「今、自分は差別をしました!」とは言わない
全ての言葉は受け取り方次第であり、全ての言葉を「差別された!」と非難することは可能といえば可能
差別の種類
男女差別
セクシャルマイノリティへの差別
国籍の差別
人種の差別
障害者への差別
宗教の差別
学歴の差別
立ち位置が変われば、景色も変わる
誰もがいつ事故にあって車椅子生活になるか分からない
男性は、男性社会で過ごしている男性の特権に気づかない
就職の有利、夜道を歩ける有利など
2018年に
イエメンの難民を受け入れを拒否することになった韓国世論
人をバカにしたり優越感を得るために差別をして笑いをとるのをユーモアと呼んではいけない
差別を用いた冗談だと感じ取ったのであれば、笑わないこと
本書では、「反応しないという反応」と表現している
待遇に差があるのは、努力の違いがあるから
正社員と非正社員とで待遇を変える
学歴の違いによる差別を正当なものとする
少数の恵まれた例外が存在するだけで、差別がないように見せるための名ばかりの差別是正措置のこと
例えば数人の女性幹部がいるだけで、男女平等の組織であることをアピールする
その属性の所属する一部の人が迷惑をかけたからといって、その属性の集団全体を拒否するのはやり過ぎではないか?
強く同意
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アメリカの人種差別の歴史について解説
裁判の判決が、白人優遇の結果になってきていた
アメリカの裁判官が、白人と有色人種の結婚を禁止する法律を擁護した
1960年代は、白人用と黒人用でトイレも分けられていた
「多文化」という言葉が多文化ではない環境を尊重している
p142
>韓国社会では「多文化」という言葉そのものが、特定の人を指す単語になってしまった。「本物」の韓国人ではない人を区別する用語として使われているのだ。
嫌いの自由は、権力に依存している
権力があるから、嫌いと言える、表現の自由を保てる
権力がないものは、嫌いと言うと迫害される、外される、攻撃される
外国人労働者の多くは、外国人労働者雇用許可制のことを「現代の奴隷制」と言う
韓国では20数年前まで、「同姓同本」の結婚を禁止する法律があった
同性は同じ名字、同本は始祖の発祥をあらわす「本貫」が同じであること
公正世界仮説に思想を染められた人は、差別された被害者側を批判する方向にものごとを理解する。
しかし差別行為を法律で規定するのは難しい
本書で一番印象に残る文。