>陰謀の理論家
>たとえば、2008年、隠れた非対称のリスクがシステム内に累積した結果、銀行が吹っ飛んだ。リスク転嫁がお得意な銀行家たちは、特定の種類の爆発的リスクを隠して安定した儲けをあげ、教科書のなかでしか成り立たないような学術的なリスク・モデルを使い(学者はリスクについて無知も同然なので)、いざ銀行が吹っ飛ぶと急に不確実性(目に見えない予測不能なブラック・スワンと、例のものすごく頑固な作家)の話を持ち出してきて、過去の収入はちゃっかりそのまま懐に収める。これこそが、私のいうロバート・ルービン取引だ。
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> ナシーム・ニコラス・タレブ. 身銭を切れ「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.350-353). Kindle 版.