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組織はツリーではない

kawaguti さんが Jim Coplien さんのお話をまとめてくれている記事、メモしておきたいことがいくつもあったのでここにメモしておく。

>人々は組織ツリー構造で考えがちで、実際に公式な組織アサインはそのように運営されがちだが、末端のノード間やたすき掛けのようなつながりは自然に起きていて、それによって情報流通の効率性が維持されている。

>もっと自然に、必要な人と必要な人が話したり、そういうパス(経路)の発見を手助けするハブになる人というのがいるものなのだ。

>インターネットなどのスケールフリーネットワークは、ローカルの密なつながりと、ハブを経由したネットワーク間のつながりで構成されていて、しかも冗長性を確保する。一本の線が切れても、ほかの線でつながることで、パフォーマンスは落ちるが全体が不通になることを避けるようになっている。組織も同じで、ツリーにこだわらないノード間のつながりが重要。それは自然に起きていて、効率的な組織ではそれが観察される。

ボトムアップに生じる「自然発生的」な構造が結果として効率的なものになる、というのはおもしろい。自然の力。人工と自然、扱いやすさと本当の強さに見た「自然の強さ」と同じことを思う。

>上司を通さずに、隣の部署の上司やチームメンバーと会話をするのが、スケールフリーネットワークの重要なところ。そのつながりを多数持つのがハブだ。一方で、チーム同士が密結合してしまうと効率が悪い。あくまで仕事はローカルなチームで独立してできるようにして、かつ、ハブになる人がチーム間をつなげていく。チームで解決できない問題があったら、ハブに相談すれば、適切な人たちをきっと紹介してくれる。

高凝集疎結合の話だ。ハブの話は「弱い紐帯の強み」である。

>ハブスケールフリーネットワークは新しいことではなく、自然に発生している「パターン」だ。ハブを任命して作る、というものでもないだろう。どうやったらハブになれる人を育成できるか?というより、それは自然にあるもので、むしろ阻害する要因が既存の組織のマネジメント階層にある。頭越しに情報をやり取りすることを阻害する上司がそれだ。

生み出すというより、発見する。これは「パターン」や「アーキテクチャ」と同じ性質だね。自然発生するものに大きな力が宿るのだとしたら、それを人工的に阻害してしまうのはとても皮肉だなぁと思う。