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Glyphs 自動勉強会 Vol. 4

2021.11.7 Sun 20:00–
Glyphsの自動勉強会です。Glyphsのみならず、文字に関することならなんでもOK。勉強会といっても堅苦しいものではなく、気軽に色々話せたらと思います。

自動勉強会について
hashrockさんが開催されている神システム
雑談とセミナーの間みたいな感じ
ネタを集めておいて、参加者が三人以上でやったら開催
Glyphs自動勉強会は、月1–2回くらいの頻度でやっていきます
毎回アーカイブを取り、Youtubeに限定公開でアップロード予定

参加資格
文字に興味がある方なら誰でもOKです!
むしろ、色々質問してくれると嬉しいです

参加方法、ルール
GlyphsユーザーDiscord “Spur into Glyphs Club” に入ってください
#auto-studyroom で日程決めなどをしています。通話は🔈自動勉強会で行います。
進行はwolphtypeが行いますが、好きに喋ってもらってOKです。逐次質問も🙆‍♂️
聞き専が良い方はマイクをミュートにしてください。
Scrapboxも好きにいじってください!
スライドとかは用意せず、下の項目に従って話しながら進めていきます。適宜Webサイトを参照したりGlyphsを画面共有したり。
目次に加筆した方は、自分のアイコンをつけてもらえると助かります。

目次(自由に追加してください)
次回から司会を他の方にお願いしていこうかと思っています
それなりに負担になってしまっており…wolphtype
やることとしては、
目次作り(軽くでOK)
サムネ作り
同日の司会
もちろんwolphtypeも可能な限り手伝います!日程の調整などはこちらでやります
よろしくお願いいたします
作ってる・作ったものアピールコーナー
TypeCooker JP正式公開しましたwolphtype
パラメータなどの調整・追加していきたいので意見いただけると。
#typecooker_jp で呟かれた画像を表示するギャラリー機能などを考え中
UPMチャレンジ
アイスブレイクがわりに、低いUPMで1単語作ってみるチャレンジ
UPMがいまいちよくわからないです。OTFは1000メッシュ、TTFは1024メッシュが最適と教えられたのでそれ以外の数値にしたらアプリの互換性が低くなるのではと思っています。私は同人ユーザー向けに本文用フォントも作っています。Wordや一太郎で互換性が高いTTFを作りたいと思っています。(これらのアプリは変な制限がいっぱいあってTTFじゃないとPDFに埋め込めなかったり文字がずれたりします。)Glyphsで1000メッシュで作ったものをTTF用に一括で1024に変更する方法はあるのでしょうか。以前何度か試みたのですがうまくいきませんでした。(Glyphsの前に使っていたfontforgeでしたらできたのですが。)fontdasu
できる人がやって、全員で見てみて、意見とか話せたら嬉しい 
単語はなんでもOK
軸があってバリアブルしてるとなお良い
テーマはTypeCookerにランダムで決めてもらう
日本語版TypeCooker JPはこちら
作った方はこの先に画像置いてもらえると嬉しいです!
Procreateで作られてるとのこと

マルチプルマスター
マルチプルマスターとは
もともとは1990年後半にあったマルチプルマスターフォント(MM)という形式
フォント名の最後にMMがつく、AdobeのType 1 Poststcriptフォント
現在のバリアブルフォントのように、ユーザーが軸の中で自在にスタイルを補完できた
しかし、複雑すぎたこと、Adobeのサポート不足から一般に浸透するまでには至らなかった
FontLabとFontForgeはいじれるらしい
技術はマルチプルマスター、バリアブルフォントに引き継がれており、現代の書体デザインにおいても重要な役割を担っている
現在のマルチプルマスター
いくつかの「マスター」からその間を補完する「インスタンス」を生成する技術
デザイナーは「補完軸」を定義し、その軸のマスターおよびインスタンスを定義する
この状態を「マルチプルマスター環境」という
補完軸を組み合わせた補完範囲を「デザインスペース」という
今日においては大抵の書体は1ウェイト、1スタイルずつデザインされているのではなくマルチプルマスターが使われている(と思う)
マスター/Masters
デザイナーが線を引く、形作るもの。補完(Interpolation)の入力にあたる
異なるレイヤーにそれぞれ作る
だいたい、補完する軸の端と端を作ることが多い
例えば、Ultra Light, Light, Regular, Medium, Semibold, Bold, Blackのフォントを作りたいならUltra LightとBlackを作る
それぞれの軸ごとの数字を定義する
Ultra Light: Weight-100, Black: Weight-900 など
マスターはそれぞれパスの互換性が取れている必要がある
ポイントの数
ポイントの開始点
パスの方向
ポイントがオンカーブポイントか、オフカーブポイントか(ハンドルの有無)
パスの順番
互換性が取られることで、それぞれのマスターのポイントおよびハンドルが繋がる
インスタンス/Instances
スタイル(Styles)とも。コンピューターが出力するもの。補完の出力にあたる
Glyphsにおいては出力タブで設定できる
定義されている軸の数値を指定すると、それに応じて生成される
例えば、Medium: Weight-500を定義すると、Ultra LightとBlackのそれぞれ繋がったパスの中間にポイントおよびハンドルが生成される仕組み
デザインスペースの外にインスタンスを定義する補外もできるが、形が破壊されやすいのでやりすぎはあまり良くない
マルチプルマスターで気をつけるところ
マスター互換性
互換性が取れてない場合は、Glyphsから互換性が取れてない表示(文字の上の赤いマーカー)が出る
パス > Correct Path Direction for all Masters
フィルター > Shape Order
などで修正も可能
マスター互換性を表示/非表示は表示メニューで切り替え可能
アンカーがない場合も互換性が取れてない表示が出る
互換性が取れていても、正しく繋がっていないとシェイプシフターという現象が起きることも
同じく、開始点がズレている場合はノードトラベラーが起こる
マルチプルマスターのテクニックなど
特定のグリフだけにマスターを定義できる
例えば、小文字のeなどは細いウェイトでは全体の太さが一定だが、太いウェイトでは真ん中のバーが細い
すると、普通に補完するとRegularあたりで真ん中のバーだけ細く違和感が出てしまう
なので、Light–Mediumあたりでブレースレイヤーを作ってそこを直すと、違和感のない補完ができる
ブレースレイヤーはレイヤーを複製し、右クリックして「Intermediate」を選ぶとブレースレイヤーになる
特定のグリフのデザインを軸の途中で切り替える
例えば棒が突き抜けてる$などは、Boldあたりからちょっとキツくなってくる
そのため、Mediumあたりから突き抜けず上下についているだけのタイプに差し変えることができる
レイヤーを複製し、右クリックして「Alternate」
オルタネートグリフ
オルタネートレイヤーは1つのグリフの中でデザインを切り替えているのに対し、別のデザインのグリフを作って紐付ける
デザインスペースが複雑になった場合はこちらの方が管理しやすい
斜め線は互換が取れていても壊れるケースがある(角度が維持されるわけではない)
バリアブルフォント 詳しい記事(英語)
バリアブルフォントとは、利点
OpenType ver.1.8で採用された規格
Apple, Google, Microsoft, Adobeという未曾有のコラボレーションで共同開発した 他書体ファウンダリ、デベロッパも参加
正式名称はOpenType Font Variations
2016年9月のATypIワルシャワで発表された(確か)
1990年半ばのAppleの開発したフォーマット、TrueType GXをもとにしている
マルチプルマスターフォントのように、マスター間をユーザーが自由に補完できる
ブレースレイヤー、ブラケットレイヤーも使えるため途中で字形の切り替えもできる
フォントファイルは1つですむ
よって、容量も軽く済む(単ウェイトのotfなら流石にスタティックなフォントファイルの方が軽いが、2ウェイト以上使うならバリアブルの方が良い)
OpenType機能などは共通化できるので軽くなる
レスポンシブなタイポグラフィ、細かい調整、ダイナミックなコンテンツに最適
個人的には、バリアブルフォントはモーションやWebで使ってこそだと思いますwolphtype
例えばウェイトと幅の軸を持つ書体を作るとき、マルチプルマスターフォントは/細くて狭い/細くて広い/太くて狭い/太くて広いの「角」をマスターとしてくる必要があったが、バリアブルフォントは/細い/太い/狭い/広い/のマスターを作れば角もデルタとして補完できる(もちろん、角のマスターを作る方法でも良い)
作り方はフォントによりけり
また、デザインスペース内のパラメータをインスタンスとして定義できる
通常のフォントのようにウェイトを定義したりできるので、使用感があまり変わらない
この前やったスマートコンポーネントは部分的なバリアブルフォント的なものと言える
バリアブルフォントの軸について
0–1000で定義されることが多いが、軸によってはその軸特有の幅で数値を当てることも
それぞれの軸は正式名称と4文字の略称で表される
Weight→whgtなど
もともと定義されている軸と新たに自分で定義できる軸があり、自分で定義する場合は4文字を大文字にする
ウェイト
CSSなどで指定する数値が慣例的に用いられることが多い、400がRegular
イタリック
傾く角度をそのまま反映
幅 Width
幅の%を反映
100がデフォルト、50=50%幅、120=120%幅的な
オプティカルサイズ
「使用されるフォントサイズ」で数値をつける
アプリケーションがちゃんとしていれば、使用したサイズのバリエーションが自動で適用される
x-heightとスペーシングの軸を設定し、Optical Size軸(マスターとしては存在しない)を変更するとその2軸が変更される(マスターのいれご)も可能
特定のグリフにしか変更する要素がない軸を作る場合、新たに1マスター作るのではなくレイヤーだけで完結できる
ブラケットレイヤーのようにレイヤーを複製→Intermediate
だいぶ浸透してきて、ファミリーと一緒にバリアブルバージョンを販売することも増えてきた
すごいバリアブルフォントたち
Underware
全体的にやばすぎる(バリアブルフォントを超えて何か)
18軸とかとんでもない軸数の世界線
和文バリアブルフォント
最近少しずつ出てきている
IBM Plex Sansって日本語はバリアブルないんだっけ…
絵文字・アイコン系
RGB, 白黒をバリアブルフォントで動かして動画のように
回転は結構面倒
バリアブルフォントの値段はどうやってつけるべきか?どう販売すべきか?
その1フォントファイルだけで1つのファミリー全体以上のスタイルを再現できてしまう
見た目の割に高く感じそう
ファミリーのコンプリート版を買ったときについてくるのが丸い?
Dalton Maagは促進のためにバリアブルフォントだけ安く販売している
1フォントファイルで10万円とかの世界線
タイプテスターに新たな機能をつけなきゃいけないので、そこら辺が大きなプラットフォームは難しいように思う
過渡期感
対応アプリケーション
現在、ブラウザはほとんど対応している
容量の節約、動きなどWebにマッチした特性
DTP関連のアプリケーションも対応していることが多い
合成フォントには使えない
一般的なテキスト編集のアプリケーションはまだ?(Word, Pagesとか)
そもそも必要なさそう 調整はできず、インスタンスだけ指定とかできたら良さそう
動画編集、モーション系はほぼ全滅
Adobe、AfterEffectsで使えない…
一応Cavalryで使えます
ゲームエンジン系も未対応
Unity, Unreal
テストできるサイトとか
Variable Font Test HTML(スクリプト)
Variable Font Preview
今後どのように使われていくか?
和文組版における和欧混植
残念ながらまだDTPアプリケーションでは使えない
Webなら可能(でも、和欧どっちのフォントもバリアブルだったらどう合わせればいい?)
Web, モーションでの動き系
動くこと、視覚情報のインパクトの強さ
Widthの調整で幅を合わせる系
ウェイトの細かい調節はあまりしないかもしれない
もともと用意されている、制限されたインスタンスで十分という人も
Dalton Maagなど
昔はフォントのサイズも固定されていた→利点として考えたい


FAQ
他に資料はないの?
このScrapboxとそこにリンクしている内容が全てです
回の途中に画面共有でGlyphsを見せたりはするかもしれません
自動勉強会ってなんですか?
hashrockさん考案のシステムを真似させていただいています
詳しくは自動勉強会
どうやって参加すればいいですか?
GlyphsユーザーDiscord、“Spur into Glyphs Club” に入ってください
#auto-studyroom で日程などを決め、ボイスチャンネルの🔈自動勉強会でやっています
Spur into Glyphs Clubって何?
wolphtypeが作ったGlyphsユーザーのためのサーバーです
Glyphsは便利なツールですが、まだまだユーザーが少なく、また簡単なことは聞きづらいな…という風潮があると(勝手に)思っているため、気軽に聴ける場所を作りたいと思って作りました
気軽に聞いてくれ〜〜
怖くないです
Glyphs持ってないんですが…
文字に興味があれば誰でも参加はOKです!
GlyphsはMacでしか使えませんが、1ヶ月お試しで使えるのでぜひ使ってみてください
Glyphsってそもそも何?
主に書体を作るためのMac用ソフトウェアです
現在はVer. 3で、現在は書体制作界の覇権を取ってるといっても過言ではないソフトウェアです
開発者のゲオルグさんとライナーさんの対応が素早く、バグフィックスが速かったりバージョンアップデートもこまめにあります
プラグインやスクリプトが充実しており、自分で作ることもできます(Python)
他のベジェ曲線を扱うソフトウェアに比べて圧倒的にベジェを扱いやすいので、レタリングやロゴデザインにもどうぞ