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The かぼちゃワイン
三浦みつるマンガ。アニメ化もされた。
週刊少年マガジンにて1981年より連載。
ラブコメ路線の走りか。

「男だぞ」「男がそんなことしてられっか」のように性別規範を振り回す、チビで硬派な主人公青葉春助と、大きな体で「エル」と呼ばれるヒロイン朝丘夏美のラブコメディー。主人公はやたら「男が」「男のくせに」などと言うが、作中で他の人物、特に女性から「今時なんと古風な」「化石みたい」のようにツッコまれている。「男らしさ」というものがまだ疑われてはいなかったけれど、明らかにそれが嘘だとわかってる、その過渡期に出てきたような作品。エルちゃんが大きくて世話焼きで、春助のことが大好きで、なぜかお金をかなり持っていて(笑)、いざという困ったときには最後に助けてくれる。なぜ「かぼちゃワイン」なのかタイトルは謎だけど、今読んでも特に1巻。読み応えのある佳作。


前回の森田は「男装の女性」だが今度は女性らしい男性。このテーマが繰り返される。

女性は「家庭的であれ」という規範が生きてはいるが現実は少なくなっているという描写がある。

エルちゃんすぐ「わたしのおごり!」って言っておごってくれるしカネだしてくれる。
ちなみにこの二人、まだ中学2年生で、寮生活だったのが春助が一人暮らしする!といい、エルちゃんが押しかけ女房して一緒に住むことになって、初日からラーメン屋に食べに行きという「生活費どうしてるんだ」状態。お金のリアリティよりも「だったらいいなあ」の願望ファンタジーを優先する作品だから、見ていて楽しい。


結構押し倒しシーンある。これ、2回目かな。
基本的に相思相愛なのは公然の事実になっていて、でも「好き」「結婚する」「お嫁さんになる」と言っているのはいつもエルのほう。それを否定するのが春助のほうという役割分担なのだが、押し倒しだけは春助から積極的にやる。

男らしさについてこういう問い返しが結構ある。