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否定の力

イマージュの第一の特徴は、否定の力である。
イマージュはこの論文では概念と直観の中間に位置するものであるとされる
イマージュは、ソクラテスダイモンダイモニオン)のようなものだ。
ダイモンは、ソクラテスが政治参加しようとしたときにそれを禁じた精霊のようなものである。
直観は、常識や何らかの主張を前にした哲学者の耳元に「ありえない」と囁く。
思想家は自らが否定してきたところを変えることはない
はじめ肯定してきたところを変えることはある
肯定を変えるのも、否定の力による。
否定の力による微調整
彼は論理の直線的勢いで結論を急いだが、自分の出した結論を前にして、また「ありえない」と囁かれ、微調整する。
「論理の直線的勢い」
議論で最初に言葉を定義すると、柔軟性が失われる……というような場面を想像してみれば理解しやすいかもしれない。


柔軟な概念
>……形而上学の本来の面目は、概念をこえ、あるいは少なくとも、こわばった出来合いの概念から自由になり、いつも私たちが手にしているものとはまるで違う概念、しなやかで、よく動き、ほとんど流動的であり、直観のとらえがたい形にいつでも型を合わせるような表象を創造するところにある。
ベルクソン『思考と動き』「形而上学入門」平凡社ライブラリーp. 266
ベルクソンは『思考と動き』の一番最初の論文である「序論(第一部) 真理の成長、真なるものの遡行的運動」の冒頭で、次のように書いている。(平凡社ライブラリー、p. 10)
>……納得のいく説明とは対象にぴったり合った説明である。



反対の発想